絶景D&S列車で楽しむ南九州の旅(1)_竜宮伝説の名所と温泉をめぐる「特急 指宿のたまて箱」編
豊かな自然にあふれ、絶景、温泉、おいしいものに恵まれた南九州を旅するなら、移動時間も楽しいD&S列車で。鹿児島では薩摩半島の指宿に伝わる“浦島太郎の竜宮伝説”をモチーフにしたJR九州の「特急 指宿のたまて箱」に乗って温泉地としても知られる指宿をめざせば、癒しとリフレッシュをかなえる1日2日の旅に
更新日:2020/03/17
浦島太郎の竜宮伝説を「特急 指宿のたまて箱」で体感
白×黒のユニークな列車は楽しい演出も! 薩摩半島南端を走り抜け、竜宮伝説が伝わる指宿へ
全国のJRの中で最も南を走るJR九州・指宿枕崎線。その鹿児島中央駅から指宿駅までを結ぶ「特急 指宿のたまて箱」は、薩摩半島の指宿で語られている浦島太郎の竜宮伝説をモチーフにしたD&S列車。
車体は、浦島太郎の黒髪が煙で白髪に変わったという言い伝えから、白と黒でデザインされ、ドアの上部からたまて箱の煙に見立てたミストがシューっと噴き出す楽しい仕かけも。車内に入れば、南九州産の杉材などを使った木のぬくもりにあふれた空間が広がり、安らいだ気分に。ワクワクとくつろぎに満ちた列車旅で指宿へ向かおう。
旅がぐっと盛り上がる桜島+錦江湾の眺めや限定おやつに注目
鹿児島中央駅~指宿駅を約50分で運行する「特急 指宿のたまて箱」。ボックスシートのほか、窓に沿ってしつらえられたカウンターシートもある列車は、眺望のよさも大きな魅力。鹿児島の市街地を走り抜けると、だんだんと視界が開けてきて、晴れた日には鹿児島のシンボル・桜島を一望。さらに進むと、車窓からは青い海! まるで果てしなく広がっているような錦江湾が望め、開放感たっぷりの列車の旅に。そんな絶景のおともには、車内販売のスイーツやドリンクを。車体の白と黒をイメージした、いぶたまプリンやカメロンパンなど、「特急 指宿のたまて箱」でしか買えない限定商品も揃うから、この列車ならではのくつろぎの時間になるはず。
指宿到着まで尽きない、お楽しみはまだまだいっぱい!
「特急 指宿のたまて箱」には、ほかにもトレイン旅を盛り上げる楽しみがいろいろ。乗車証明カードにスタンプを押したり、マスキングテープやピンバッジなど列車限定グッズをお買い物したり。車内に用意された“たまて箱”に入れたメッセージを読み上げてくれる“言霊サービス”、「特急 指宿のたまて箱」と竜宮伝説にまつわるあれこれを出題する“いぶたまクイズ”など、客室乗務員によるユニークなサービスも。
さらに指宿駅に到着すると、カラフルなはっぴ姿の「指宿おもてなし隊」が、旗を振って乗客たちをお出迎え。地元の人々とのちょっとしたコミュニケーションにも心が和んで、列車を降りた後も笑顔でいっぱいに。
特急 指宿のたまて箱DATA
運行区間 鹿児島中央駅~指宿駅
運行日 毎日 1日3往復
所要時間 約50分
予約・詳細は下記公式HPへ
※D&S列車についてはこちら
海と温泉に癒される、指宿エリアのよりみちスポット
九州を代表する温泉地・指宿を町めぐりしてステイ。名物、絶景を楽しみ、ローカルにも浸って
指宿駅に着いたら、さっそく町歩きをスタート。駅前で旬の地元食材を使ったイタリアンランチの後は、指宿に来たなら欠かせない、海辺の砂むし温泉を体験。湯浴みももちろん楽しんで、名湯にたっぷり癒されて。宿泊はあえて裏通りのゲストハウスへ。地元で愛される神社や和菓子屋さん、温泉浴場をめぐりながら周辺をおさんぽ。ローカルも満喫してみたい。
2日目は、ひと足のばして薩摩富士とも呼ばれる開聞岳を望むエリアにも。竜宮伝説の舞台と伝わる岬やJR日本最南端の駅を訪れて絶景を堪能。帰りはおやつ&おみやげ探しに、人気の菓子工房にも立ち寄ってみよう。
全身をあたためてくれる世界でも珍しい砂むし温泉
「砂むし会館 砂楽」で楽しみたいのが、海岸に湯が湧く指宿温泉の名物・砂むし温泉。あたたかな砂に埋もれる砂むし温泉は汗がたくさんかけて、気分爽快。美肌効果も期待できる。気候も砂の状態もよい大潮の干潮時は波打ち際で体験可能。
駅前イタリアンで地元食材を盛り込んだランチ
地元の人も通う「CASA Vecchio」では、1人前とは思えないボリュームの前菜付きパスタランチ1650円を。春はそら豆、グリーンピースといった豆類をはじめ、地元の食材が盛り込まれていて、土地の恵みを満喫できる。
木の香りとぬくもりに満ちた温泉にも入れるゲストハウス
温泉街の旧通りに佇む「木の香の宿 ゆのとこ」。床、壁、ベッドに木材が使われた館内には女性用ドミトリーと2名用個室を用意。地元の人が集う「ゆのはまバル」を併設し、滞在中は目の前の、指宿温泉発祥の湯といわれる「元湯温泉」のフリーパス付き。
フォトスポットとしても人気のJR日本最南端の駅へ
JRの駅の中で最も南にある、指宿枕崎線「西大山駅」。ホームからはなだらかな稜線が美しい開聞岳が裾野まで望め、心洗われるほどの開放感。駅前の幸せを届けるという黄色いポストもフォトジェニック。カメラ片手に訪れたい。
看板スイーツは甘さ控えめふんわり食感ロールケーキ
和食の料理人でもある店主が営む「ちいさな菓子工房Porch」。鹿児島の生クリームや卵で作る湯の里ロール724円に加え、イートインもできるプリンやデザートプレートが登場することも。フィナンシェ184円などお土産にしたい焼き菓子も揃う。
海と山が織りなす絶景が広がる、竜宮伝説発祥の地「長崎鼻」
薩摩半島の最南端に突き出た岬「長崎鼻」は、海の向こうに開聞岳、天気がよければ屋久島や硫黄島を望む眺望のよさ。浦島太郎が竜宮へ旅立った岬とも言われ、豊玉姫(乙姫様)がご祭神の「龍宮神社」は、縁結びの神様としても知られる。
南九州の旅の巡り方_鹿児島県・指宿へのアクセス&モデルプラン
指宿へのアクセス&移動のポイント
【指宿までのアクセス】
首都圏より鹿児島/羽田空港より鹿児島空港まで約1時間40分。空港から鹿児島市内行きバスで約40分、鹿児島中央駅下車。鹿児島中央駅より、JR指宿枕崎線「特急 指宿のたまて箱」で約50分、または普通列車で約1時間10分。
【指宿での移動】指宿駅から徒歩で巡れる温泉街などの中心地以外は、JR指宿枕崎線の普通列車か、バス、タクシーで周遊を。
■1泊2日のモデルプラン
■1日目
08:15頃 羽田発
10:10頃 鹿児島空港着後、鹿児島中央駅へ移動
11:56 鹿児島中央駅発(特急 指宿のたまて箱3号)
12:48 指宿駅着
13:00 「CASA Vecchio」でランチ
14:30 「砂むし会館 砂楽」で砂むし温泉体験
16:00 「木の香の宿 ゆのとこ」にチェックイン
17:00 「木の香の宿 ゆのとこ」がある子宝通り周辺を散策
18:00 「元湯温泉」で入浴後、「ゆのはまバル」で夕食
■2日目
09:00 朝食後、タクシーで観光へ
10:00頃 「龍宮神社」「長崎鼻」を散策
11:00頃 指宿枕崎線「西大山駅」で記念撮影
12:00頃 開聞岳エリアで昼食
13:30頃 指宿駅周辺に戻り「ちいさな菓子工房Porch」でおやつ&買い物
15:05 指宿発(特急 指宿のたまて箱6号)
16:00 鹿児島中央駅着後、天文館エリアを散策・買い物
17:00 指宿の旅を終え、宮崎へ移動または帰路につく
南九州旅:鹿児島のトナリ、宮崎へ
南九州の列車旅をもっと堪能するなら、ひと足のばして宮崎での1泊2日旅をプラス。鹿児島から宮崎までは、鹿児島中央駅よりJR特急きりしまで約2時間。宮崎駅発着の観光列車「特急 海幸山幸」に乗って、神話の舞台としても知られる青島や、江戸時代の町並みが残る飫肥などを訪れてみたい
九州の旅がより魅力的になる、D&S列車に乗ろう!
JR九州の観光列車は「D&S列車」と呼ばれ、いずれも「デザイン(D)」と「ストーリー(S)」にこだわった個性派揃い。豪華列車「或る列車」から、今回紹介した鹿児島の「特急 指宿のたまて箱」や宮崎の「特急 海幸山幸」のように気軽にのれるものまで、全11の列車が揃う。地元の神話や特産品などから生まれたデザインや車内サービスが旅をより魅力的に。九州を旅するなら、D&S列車を忘れずにチェックしたい。
PHOTO/MANABU SANO WRITING/JAM SESSION(MIE NAKAMURA)