心がすーっと安らぐチョコレート菓子_いがらしろみさんとチョコレートの物語
鎌倉にジャムと焼菓子の店「ロミ・ユニ コンフィチュール」と学芸大学に焼菓子とジャムの店「メゾン ロミ・ユニ」を手がける菓子研究家・いがらしろみさんが、15年以上心にあたためてきたチョコレート菓子の店「ショコラテ ロミ・ユニ」を期間限定でオープン。幼少期の原体験とフランスで学んだ技術を活かしたチョコレートは、口どけがよくてやさしい味わい。見た目にも愛らしいチョコレート菓子の誕生秘話と魅力をお伺いしました
更新日:2018/01/23
チョコレート菓子屋さんが作る、毎日ほおばりたいチョコレート
懐かしさとワクワク感が味わえるチョコレート
見た目のかわいらしさと、口に入れたときのなめらかな食感に心が和む「ショコラテ ロミ・ユニ」のチョコレート。「子供の頃食べた市販のミルクチョコレートの味が忘れられないんです」と語るいがらしろみさん。幼少期からのチョコレート好きが高じ、パリの有名レストラン「アラン・デュカス」の講座や、日本でもプロ向けのチョコレート講座などに足繁く通ったそう。「いろいろ食べて、製作も経験して、ビーントゥバー(豆の買い付けから製造まで行うこと)のような難しいチョコレートではなく、親しみがあり、気張らず食べられて、だけど良質なチョコレートを作りたい!と思って。だから、ショコラティエではなく、チョコレート菓子屋さんなんです」。
どこか懐かしく、おいしい!と感じる味を探求しながら、年に1回のチョコレートイベントを14年間欠かさず開催。1回に30~40種類のメニューを登場させ、お客さんの反応をチェック。その中からとくに好評のボンボン・ショコラや、新たに考案したチョコレートを使った焼菓子、楽しくて気軽なおやつチョコなどがラインナップしている。「見た目の楽しさもうちの特徴です。『ロミ・ユニ コンフィチュール』のジャムびん型のチョコレートの中に、人気の塩バターキャラメルとチョコレートのガナッシュを詰めた、キャラメル・ショコラは、カリッとした食感とトロリとした塩バターキャラメルのクリームとの相性が絶妙です。チョコをコーヒーカップ型に仕立てたショコラ・カフェ・ブラジルは、鎌倉のカフェ『café vivement dimanche』の自家焙煎のブラジルコーヒーをふんだんに使ったコーヒーガナッシュが堪能できます」。遊び心のあるデザインや、食べたときの感動が1粒にギュッと凝縮されている。
チョコレートのおいしさは工程ひとつで大きく変わる!
いがらしさんが目指したのは、フランス菓子の伝統技法をベースに、日本人に馴染みのあるやさしい味に仕上げるチョコレート。メニューごとに厳選したチョコレートを溶かして、混ぜて、固めるという工程は、とてもスキルがいるそう。「ガナッシュをしっかり乳化させながらゆっくり固めてからカットします。カットした断面を乾かしたあと、チョコレートをかける作業まで丸3日かけて行うメニューもあります。とくに難しいのはテンパリング(チョコレートを溶かして固める際の温度調整)と、なめらかな食感を出すためのガナッシュの乳化作業。ひとつの工程のミスも許されないのが、チョコレートづくりの難しさと奥深さです」
チョコレートに合わせるベストドリンクは? 「チョコレートのおいしさは、口の中で溶けて香りが広がることなので、私はちょっとぬるめの白湯と合わせます。口の中の温度が少し上がることで、ストレートにチョコレートの風味を感じられておすすめです」。
誰もが笑顔に包まれる!愛おしいチョコレート菓子
「幼少期から食べるのも、作るのも好きだった」という、いがらしろみさんが手がける「ショコラテ ロミ・ユニ」では、なめらかで香りのよい上質なチョコレートを使ったオリジナリティあふれるチョコレート菓子に出会える。愛情込めて作るボンボン・ショコラ、食感も楽しいビスキュイ・ショコラテ、ひと口サイズのショコラ・ア・グテ(おやつチョコ)など、見た目にもかわいらしいデザインは、バレンタインの贈りモノにぴったり。お家のギフトBOX(別売り)に入れて贈ると、よりハッピーを届けられるはず。
素材の風味と食感が多彩に楽しめるボンボン・ショコラ
「ショコラテ ロミ・ユニ」の看板メニュー、ボンボン・ショコラの6種類を味わえるボックス。シンプルなショコラは、フランスのお茶専門店「CHA YUAN」のエレガントなアールグレイ茶葉をたっぷりと使用した、ショコラ・ブラン アール・グレイなど3種。モチッとした食感のチョコが口の中でスーッと溶けて、香り高いミルクや茶葉の余韻が満喫できる。ほかに、ジャムびんの形のキャラメル・ショコラテと、コーヒーカップ型のショコラ・カフェ・ブラジルなど見た目に楽しい2種、フランス・アルザス産のプルーン、クウェッチの熟成ブランデーを加えたちょっぴり大人味のトリュフ・クウェッチがラインナップ。
■ショコラテ・ボックス
価格:6個入1620円
種類:キャラメル・ショコラテ ブルターニュ、ショコラ・カフェ・ブラジル、トリュフ・クウェッチ、ショコラ・ナチュール、ショコラ・ミルク、ショコラ・ブラン アール・グレイ
仕事の合間にも気軽につまめる“おやつチョコ”
いがらしさんが子供の頃食べたアルファベット型のチョコからインスパイアされて作った、ジャムのビンをモチーフにしたチョコ。シンプルなビター、ミルク、ホワイトチョコは、口どけが繊細で香りのよいクーヴェルチュール・チョコレートを使用。超ミニサイズに仕上げたおやつチョコは、仕事の合間のちょっとしたリラックスタイムにぴったり。熟練職人手作りのブリキのケースは、食べ追わった後、小物入れに!
■ボワット・ショコラ・トリオ
価格:27個入2592円
種類:ビター、ミルク、ホワイト
口の中でほろりとほぐれるクッキーチョコに癒されて
チョコレートを使った焼菓子5種類の組み合わせが楽しいボックス。カカオたっぷりのサブレ生地の間にホワイトチョコレートをサンドした、ショコラ・ノワール・サンド。ほろりとした食感と香ばしいナッツの風味が鼻から抜けるヘーゼルナッツのサブレに、プラリネ入りのチョコレートをサンドしたプラリネ・ノワゼットなど、バラエティ豊かな味わいがクセになる。
■ビスキュイ・ショコラテ ボックス
価格:5個入1490円
種類:プチ・ブール ショコラテ、プラリネ・ノワゼット、ビスケット・サンド、ショコラ・ノワール・サンド、チョコチップクッキー
大人も夢中になる!ペロペロキャンディ風おやつ
陶芸家・図案家の鹿児島睦さんが描いた子犬と子猫のモチーフを、いがらしさんがペロペロキャンディ風の遊び心のあるチョコレート菓子に。子犬型のコーヒー味のショートブレッドはミルクチョコと、子猫型のプレーンのショートブレッドはビターチョコと組み合わせたおやつ。ひと口目はサクサクとして、口の中でほろりと崩れる食感が特徴。しっかりとした愛らしい表情を楽しめるよう、ショートブレッドを低温でじっくり焼き上げたこだわりも嬉しい。
■パピー ショコラテ、キトゥン ショコラテ
価格:1本324円
種類:パピー(子犬)、キトゥン(子猫)
3月下旬まで期間限定オープンの「ショコラテ ロミ・ユニ」へ
鎌倉の閑静な住宅地にひっそりと佇む「ショコラテ ロミ・ユニ」。レンガ造りの一軒家の扉を開くと、ガラス張りの工房とお庭、手作りのチョコレートが並ぶお部屋が現れ、まるでいがらしさんの自宅に招かれたよう。工房から香る、カカオやクッキーの香りに食欲をそそられながら、バレンタイン向けのギフトをゆっくりと選びたい。4月~10月は同じスペースで、お菓子教室「アトリエ・ビス」を開催。興味がある人は、HPをぜひチェックしてみよう。
■SHOP DATA
Chocolaté romi-unie (ショコラテ ロミ・ユニ)
開店期間:2018年3月中旬まで※詳細はHPまたはSNSにて
TEL:0467-38-7071
住所 :鎌倉市西御門2-1-14
営業時間 :10:00~16:00
定休日: 月・火※2月12日・13日は営業
アクセス:JR横須賀線「鎌倉駅」東口より徒歩20分、「鎌倉駅」鎌20 鎌倉宮行きほかバスで、岐れ道バス停下車 徒歩 約3分
TEXT/NAOMI TERAKAWA PHOTO/AYUMI OSAKI