鉄子kamopanが語る四万温泉やまどり(大宮駅-中之条駅間)
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みなさんこんにちは。鉄道大好きkamopanです。休日は乗り鉄、撮り鉄をマイペースに楽しんでいます。この鉄道図鑑は、私がみなさんにおすすめしたい路線をピックアップし、独自の視点で解説させていただき、鉄道の魅力を少しでもお伝えできればと思い、作成しました。お楽しみいただけたら嬉しいです。
今回は、大宮駅-中之条駅間を走る、四万温泉やまどりについてお伝えしたいと思います。
更新日:2019/09/17
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リゾートやまどりとは
リゾートやまどりは、高崎車両センターに所属する列車で、土日祝日に観光用として走るジョイフルトレインと呼ばれる列車に属しています。
やまどりという列車の名前の由来は、群馬県の鳥「ヤマドリ」から来ているそうです。
走っている区間は、主に下記の2つのルートです。
四万温泉やまどり・・・高崎線から吾妻線の大宮駅-中之条駅間
やまどりもぐらループ・・・上越線の水上駅-越後湯沢駅間
特急料金が発生しないのにまるでグリーン車のような快適なシートで、目的地までゆったりと旅を楽しむことができます。
もともとは、国鉄時代を代表する485系列車を何回か改造して、今のやまどりになったのですが、快適な乗り心地やユニークな演出など、全く古さを感じさせません。が、その一方で、所々に昭和の列車の面影を見つけることができます。
この記事で、山のようなリゾートやまどりの魅力を余すことなくお伝えできればと思っております。
魅力あふれるリゾートやまどりの車両
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外観
上部色:ぶどう色2号(茶色)
→JR東日本高崎支社所属の旧型客車や電気機関車EFに使用されている色で懐かしさを表現。
下部色:濃萌黄色(こいもえぎいろ)
→癒し色のグリーンで上部色に調和した色。
「萌黄色」は、春に萌え出る草の芽を表す色。新しく芽吹く車両という意味合いを込めているそうです。
この、ぶどう色2号という色、要は茶色なのですが、国鉄時代に走っていた、蒸気機関車の客車の色で、この色をベースにデザインされているのは本当に感慨深いものがあります。
懐かしさを感じさせる、この客車のカラーと、下部で使用されているグリーン(というか黄緑色)が、見事にマッチしています。
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展望室
この展望席は、やまどりの最大の魅力といってもよいでしょう。
誰でも出入り自由ですが、大人気の場所なので、いつも大勢の人でにぎわっています。
鉄道ファンと子供たちが、いつの間にか仲良くなっていたりします。
この場所があまりにも楽しすぎて、いつもは無口な鉄道ファンも、はじめて乗るお子さまたちも、テンションが上がってしまってそんな非日常的な状況を生み出しているのでしょう。
首都圏内は、多くの列車とすれ違うので、まるでリアル電車でGO!の気分です。徐々に、田舎道になってくると、のどかな田園風景が、前面展望を埋め尽くし、都会では感じられない美しい景色を心らか堪能する事が出来ます。
個人的にもこの場所は、やまどりに乗車したならばぜひ訪れていただきたい場所です。
ただし、シートを独り占めしないように、譲り合いながら利用しましょう。
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めちゃめちゃゆったりシート
見てください、このゆったりシート。どんなに足をのばしても、前の席に届かないくらいの広々スペースです。(足の長~い男性は、もしかしたら届いてしまうかもです汗)
座席配列は1列+2列の合計3列シートなので、横幅も広々です。
ひとり旅のときは1列シートを取れば、自分の世界に入り込んでゆったり過ごせます。
特に写真の2号車は、特別ゆったりした造りになっていて、いちばん先に埋まりがちですが、早めに指定席を確保しておけば問題ありません。
この2号車は、前のシートとの間がゆったりしすぎなので、テーブルが前の席についていなくて、シートのひじかけの部分から出てくるようになっています。
他の号車も、もちろん、文句なくゆったりしていますが、テーブルは前の席についているので、お弁当などを食べたい方は、2号車以外の、テーブル付きの方が使いやすいかもしれません。
行きは朝ご飯を食べながら行きたいので2号車以外で、帰りは四万温泉で癒された気分をそのままに、ゆったり帰りたいので2号車というセレクトが、個人的にはおススメです。
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和室ミーティングスペース
ここも、展望室と同様、フリースペースなので、誰でも好きな時に入ることが出来ます。
こんな空間が列車のなかにあるなんて、感動的です。
畳の方が落ち着く方は、こちらでお茶などすすりながら、足を延ばしてくつろがれるのも良いでしょう。
壁には、上毛三山(赤城・榛名・妙義)が描かれていて、より「和」な空間演出がされております。
私が立ち寄った時は、たまたまだれも居なかったので、この素晴らしい空間をしばしの間独り占めさせていただきました。
「日本人は、やはり畳空間は落ち着くものだなぁ」などと思いながら、移りゆく車窓を楽しみました。
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キッズスペース
お子様連れの方に、うってつけのスペースです。
長い列車旅で、お子様が退屈してしまったら、こちらのスペースに、連れていくと良いでしょう。
カラフルなカーペットが敷かれていて、土足禁止エリアですので、寝転がったりごろごろしながら、用意されているおもちゃや絵本などを、誰でも自由に楽しむことが出来ます。
ソファもありますので、ソファから車窓を楽しむこともできます。
私は大人なので、、、本格的にこのスペースを満喫したことはないのですが、こういった気配りが、またやまどりならではだなぁと思います。
沿線の見どころ
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のどかな田園風景
渋川駅を過ぎると吾妻線という路線に入るのですが、とてものどかな田園風景が楽しめます。
吾妻線は単線なので、一気にローカル線感が増します。
群馬県の、緑緑と生い茂る木々と山々、透き通った川の水。
普段都内にいると、なかなかこんな風景を見ることは出来ませんし、そもそも、いかに景色を見ていないかがよく分かります。
途中、運が良ければ渋川駅でSLぐんまみなかみ号とすれ違う可能性も!(車窓右手)
SLが見たい方は、時刻表でSLぐんまみなかみの運転日をご確認のうえ、渋川駅に着く少し前からカメラ待機で。
しかし、渋川駅での停車時間は1分足らずしかないので、降りて撮影すると確実に乗り遅れますのでご注意を・・・
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高崎車両センター高崎支所
高崎駅少し手前に位置するのが、この「高崎車両センター高崎支所」。
この辺りの普通列車として活躍している211系電車がズラリとひしめき合っている雄姿を拝むことが出来ます。
運が良ければDE10茶釜やEF65といった希少な電気機関車の姿にもお目にかかれる、車両基地はまさに鉄道ファンのテンションMAXポイントです!!
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中之条駅のお出迎え
やまどりが中之条駅に到着すると、中之条の地域の方々が笑顔でお出迎えしてくれるセレモニーをご覧いただけます。
正装している駅長さんをはじめ、町長さんや、中之条のご当地キャラ「なかのん」も、時々駆けつけてくれるそうです。
中之条の地域の方々の暖かさや、町を盛り上げようという、優しい気持ちが伝わってきて、心温まる風景です。
マニアのツボ
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この照明は、お座敷列車を改装した名残。
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運転台の扇風機。今は冷房がついているそうですが、昭和の列車の香りが漂ってきます。
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連結部分。ホロがむき出しの感じが良い。
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中之条駅に飾られていた風鈴。季節ごとに色々変えているそうで、晩秋には干し柿がつるされるそうです。素敵ですね。
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中之条駅の駅スタンプ。年季を感じます。
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中之条のご当地キャラ「なかのん」。運よく駅で出逢えました♪
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橋を渡るダイナミックなシーン。展望席にて。前面展望だと迫力が断然違う。
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EH500形機関車とすれ違い。この電気機関車の愛称は金太郎なので、鉄道ファンからは略してキンタと呼ばれ親しまれている。
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DE10(1705号機)茶釜のデーテン。復刻塗装で、旧型客車やお座敷列車と色を揃えるために塗り替えられた大変レアな機関車。
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EF65にも出会えました。え?さっきから機関車の紹介ばかりだって?それは、鉄道ファンにはどうしても目に飛び込んできてしまうものなので・・
さいごに
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
やまどりの魅力は、伝わりましたでしょうか。
今回一緒に旅をした編集担当のNさんも、楽しんでくださったご様子で大変嬉しいです。また、ゆったりシートに喜びを隠せない方、大阪からわざわざ乗りに来たと言っていた方、終始展望席で自慢の鉄道写真を見せてくれた方、子供たちの喜ぶ姿・・・。
様々な人が、みんな笑顔でやまどりを楽しんでおられました。
やまどりは、これからも、毎週のように乗車するみなさまを満面の笑顔にして颯爽と走り続ける事でしょう。
乗車される方ひとりひとりのストーリーの中に、この列車が刻まれていく事を願って、また、この記事を見て少しでもやまどりを好きになっていただけたなら嬉しく思います。
それでは、また次回。
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鉄子「kamopan」のプロフィール
基本スペック:静岡県出身 webデザイナー
好きな列車:キハ40
好きな路線:函館本線
好きな駅:青森駅
好きな駅弁:大井川ふるさと弁当