OZ発、プチトリップ vol.020 京都通は今行くべき。初夏の青もみじを愛でる旅
日々ロケハンに出かけたり、個人的に旅をしたりしているOZの編集部にとっては、毎日が新しい発見や出会いに満ちた小さな旅。ページには載らない裏話やエピソードをお届け。今回は、編集Mが1泊2日で青もみじの名所をめぐる初夏の京都へ行ってきました。
更新日:2017/05/23
この季節の見どころは若葉がまぶしい「青もみじ」
京都へは何度か足を運んでいますが、実はこの季節に訪れるのは初めて。リピーターや地元の方が言うには、人も少なくて宿も安くて気候も良く過ごしやすいこの時期はベストシーズンなのだそうです。秋の紅葉も素敵ですが、青もみじも負けないくらいの絶景! 京都には約30種類ほどのもみじがあり、1年中赤いもみじも時々見かけますが、この時期見られる大半は若々しい萌黄色。夏になるともっと深く濃い緑になるので、若葉の青もみじを堪能できるのはおおよそ5~6月の間。新緑の香りと相まって、歩いているだけですがすがしい気持ちになれます。
生まれて初めての坐禅体験に緊張が走る
京都駅からはまず南に下り、東福寺へ。よく観光ポスターになっているもみじの名所です。秋に来るとフォトスポットである橋の上が大渋滞になるのだとか。
ここでは坐禅に挑戦。大きな禅堂に参加者一同集まり、和尚様が丁寧に説明してくれます。
本来は両足の先を腿の上に組む結跏趺坐(けっかふざ)という座り方が理想なのですが、あぐらのような形になっている人がほとんど。坐禅が始まると和尚様が警策(←あの棒)を持ってゆっくりと歩きます。半眼にして呼吸を整えていくうちにだんだん頭がからっぽに・・・
しばらくすると、私のすぐ隣でごそごそと動く気配があり、バシン!バシン!「いた~っ!」「気のせいです」というやり取りが聞こえ、その場の空気が一瞬にして凍りつくといった場面も。
糺の森で森林浴&河合神社で美人祈願
続いて訪れたのは、世界遺産・下鴨神社。広大な敷地にある糺(ただす)の森は、古くから参道でもあり京都人の憩いの場でもあります。縄文時代からある森ですが、かの有名な「応仁の乱」で大方焼けてしまい、それ以降の樹齢600年を超える木々もあるのだとか。こちらも爽やかな青もみじがたくさん生い茂り、ゆっくり深呼吸すると東京で吸い込んでいたもやもやしたグレーなものが美しくクリーンな空気に入れ替わる感じ・・・。
下鴨神社には摂社・末社がたくさんありますが、立ち寄ったのは女性に人気でモデルや芸能人も多数訪れるという美麗祈願で有名な河合神社。こちらでは境内で採れるカリンを使った美人水(甘くておいしい!)や、手鏡の形をした珍しい鏡絵馬を授かることができます。この絵馬には、顔が描かれていて自分が普段使っている化粧品でメイクを施し、奉納するというちょっと楽しいワークショップのような祈願体験です。
青もみじのトンネルは心のシャッターを押して
叡山電車・通称「えいでん」は、京都市街の出町柳から鞍馬や貴船などをつなぐかわいい電車。途中、もみじのトンネルがあり、初夏の週末など特別にその区間のライトアップと徐行運転が行われます。というわけで、夜間にえいでんの展望列車「きらら」に乗り込みました。暗闇に浮かぶ緑色の光の中を駆け抜けていく様子は、ちょっと未来にタイムワープしているような神秘的な光景です。
実はここで撮影にチャレンジしたけれど、スマホでは全く上手に撮れず。本格的に撮影にチャレンジする方でなければ、写真はあきらめて心のシャッターに焼き付けたほうがいいかもしれません。
貴船は水の豊かさを五感で体験できる場所
次の日は、水の神様であり豊かな水の源である貴船神社へ。雨上がりでさらにしっとりと潤い、マイナスイオン満載です。平安時代には和泉式部がお祈りして夫との仲が修復したなどの逸話もあり、縁結びとしても知られるところ。そしてもちろんこちらも青もみじの名所。本宮へ続く階段の真っ赤な灯篭と青もみじのコントラストはとてもフォトジェニックです。
さらに奥宮まで足を運ぶと、苔むした参道に巨大な木々がそびえ立ち、プリミティブな分神々しい気を感じました。「水」はすべての生命の源でもあり、貴重な生きる糧。昔から水の湧き出るところが神聖な場所とあがめられてきたことに納得です。
貴船神社の絵馬はいくつか種類がありますが、青もみじの絵馬は初夏の期間限定。同じもみじの形で秋は赤、冬は白に雪の結晶が描かれた絵馬が登場するそうです。
ランチは憧れの川床料理が味わえる「貴船 ふじや」へ。貴船の川床は初夏から秋にかけての風物詩。鴨川の床(こちらは「ゆか」と読みます)と比べると水の流れがとても近くにあり、京都の中心部より5~10度くらい涼しく感じられるのだとか。
ザーザーと流れる水の音をBGMに味わう京料理はシチュエーションも含めて趣深いもの。鯉のお刺身にとろろとポン酢を絡めていただいたり、エビの天ぷらの衣が湯葉だったり、玉子焼きが甘くなかったりと、随所に京都らしい風情が感じられました。
1泊2日の京都旅はとても気持ちよく、なによりも観光客が少なめで、お参りも食事もゆっくりできました。今しか体験できない青もみじに癒される旅、おすすめです。
京都を旅するなら、往復新幹線と宿泊がセットになったプランがお得
「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンの一環として、大手旅行会社各社から出ているパッケージツアー「京都 青もみじ 御朱印めぐり」では、京都市内のバスや電車の1日乗車券がセットになり、青もみじの名所である寺社で期間限定の御朱印が拝受できたり(初穂料・御朱印料は現地にて支払)、オリジナルの御朱印帳袋がもらえたりと特典満載。
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