【横浜DAY & NIGHT 5 】喫茶エレーナ・服部静雄さんが愛する、朝9時の山手
明治期に外国人居留地として発展し、今もなお異国情緒あふれる山手エリア。春の朝は、緑あふれる丘や当時の面影を残す西洋館に、やわらかな陽ざしが降り注ぐ。この街に「喫茶エレーナ」をオープンしてから40年以上、お店のある高台から山手を見守る店主・服部静雄さんがナビゲート!
更新日:2017/04/04
【山手の朝美景・1】洋館の並ぶ山手本通りは、朝こそ心地よい
港の見える丘公園の前から西に延びる「山手本通り」。通りの両側には洋館が建ち並び、“洋館巡り”としても人気のスポット。だけど、この通りの前で店を営む服部静雄さんにとっては毎日の通勤路だ。「朝の時間帯は、犬を連れて散歩したり、ジョギングで駆け抜けたり、通勤・通学の人が行きかったりと、この街に暮らす私たちにとっては日常の通りです。それでも、朝の清浄な空気に佇む教会や、エリスマン邸など昔ながらの洋館の景色は、そこだけ切り取ると昔の街並みが想像されて、いまだに新しい発見がいっぱいです。時間に余裕がある日は、港の見える丘公園までウォーキングします。朝早くからラジオ体操をする人が集まるこの公園は、ベイブリッジ越しの日の出を見ることも。1日の良いスタートになりますよ」。
山手本通り
住所/神奈川県横浜市中区山手町
アクセス/JR石川町駅より徒歩10分程度
【山手の朝美景・2】天気の移り変わりまで感じられる、地蔵坂のビューポイント
古くから地蔵尊がまつられることからその名が付いたといわれる「地蔵坂」。およそ450mの長い坂道を上った人にだけ、とっておきのごほうびが! 「高台から横浜の中心街が見渡せるビューポイント。朝、この地蔵坂上からどこまでくっきりと景色が見通せるかで、その日のお天気の具合がわかります。こっちは晴れているのに、みなとみらいの高層ビル群の先が雲で隠れているところを見ると、『本当に高いビルなんだなあ』と感心してしまいます。天気のいいお休みの日は、車の交通量が少ないせいか、空気が澄んでいていつもより遠くの景色まで見晴らせます。やっぱり朝が、とても気持ちいいです」。
住所/神奈川県横浜市中区山手町216−8
アクセス/JR石川町駅より徒歩8分
※データの写真は、喫茶エレーナの入り口
【山手の朝美景・3】山手の丘から、遠く富士山までを一望できるのは…?
「丘の頂上を走る山手本通りは、意外にも景色を一望できる場所が少ないんですよ」と服部さん。外人墓地や地蔵坂上は、街を見下ろせるものの、遠くまで見渡せる場所はこの場所がいちばんだそう。「旧中央大学とフェリス女学院高校の間の細い路地を入ると、すぐに階段があります。そこを数段降りた場所は、天気がいいと裾野近くまで富士山の姿を見ることができる、とっておきのスポットです。 朝イチに富士山が見えると気分がいいものです」。
住所/神奈川県横浜市中区山手町フェリス女学院12号館近く
アクセス/JR石川町駅より徒歩12分
※マップは散歩のお供にと作られた、服部さんのお手製のもの
服部静雄さんのお店「喫茶エレーナ」
1975年にオープンした、山手の高台に佇む喫茶店。季節ごとに味の変化を堪能できるシーズンティーと手作りのお菓子が人気。バナナブレッドモーニング(ヨーグルトとコーヒー付き)630円をお目当てに、春の穏やかな陽ざしを受けて朝から山手散歩を楽しむのも素敵。
TEL.045-662-2723
住所/神奈川県横浜市中区山手町24
営業時間/9:00~21:00(20:30LO)
定休日/水
アクセス/JR石川町駅より徒歩7分
春の風を感じたら、港のそばに出かけたくなる。青い空と海と、汽笛が鳴る町・横浜。朝の光も、昼の解放感も、そして夕暮れの大人っぽい表情も。時間ごとにときめきのある、そんな町で「いい1日」、過ごしてみませんか?
WRITING/MAKI FUNABASHI