関東 日帰り 出会い旅 Vol.022 /山とダイナミックに遊ぶ旅(山梨県小菅村)【人物編】

関東 日帰り 出会い旅

【毎週土曜 6:00 更新】※この回が最終回となります
東京から2時間以内の日帰り圏内。その円を広げてみると、そこにはとても豊かな自然や、新鮮な景色が広がっています。身近なようでまだ知らない「関東の田舎」で、地元を愛するみなさんと触れ合いながらの、楽しい週末旅はいかが? 今回は、多摩川の源流の村で、面積の95%が山林という山梨県の小菅村へ向かいました。旅人は編集者/プランニングディレクターの磯木淳寛さん!

更新日:2016/12/31

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■出向いた町/山梨県小菅村(こすげむら)

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新宿駅から中央線に乗って西へ。山梨県小菅村は、東京都奥多摩町に接する県境の村。つい2年前(2014年)にトンネルが開通したことから都心からのアクセスがぐっと良くなり、滝、ハイキング、釣り、川遊び、キャンプなどにたくさんの人が訪れるようになった。日常の喧騒を離れた山あいで、ワサビやコンニャク、ヤマメやイワナといった森や川のおいしい食も充実。人口約800人弱ながら近年は少しづつ増えているという、全国的にも珍しい小さな村である。

小菅村には、なんにもないけど、なんでもある

都内から日帰りできる、‟東京から一番近い山梨”小菅村は『フォレストアドベンチャー・こすげ』、『道の駅こすげ』、『小菅の湯』、三ツ子山(みつごやま)での山歩きなど、一度にあれこれ遊べる、とても楽しい村でした。

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小菅村役場の望月さん。話す言葉には、村への愛情がこもっています。

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三ツ子山ではのんびりと景色を楽しむハイキング客もたくさん。





村での滞在の最後には、小菅村役場勤務の望月徹男さんにお会いしてお話を聞くことができました。望月さんはご自身が10才の時以来、数十年間小菅村ひと筋で暮らしてきた方。村を知り尽くした望月さんにとって、小菅村ってどんなところなのでしょう。

望月さん:ご覧の通り、正直言ってなんにもない村なんですけど、よそから遊びに来てくれた方は「山も川も美しいし、遊ぶところも温泉もあるし、村の人のおもてなしもすごいし、なんでもあるよ」って言ってくれます。ただ、村の人はやっぱり「ここにはなんにもないよ」って言うんです。そんな控えめで謙虚な村人が私は大好きで(笑)

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ふと足元を見ると、松の木の赤ちゃんが。ダイナミックな自然だけでなく、小さな自然を見つけるのも楽しい。

磯木:確かに、人が少ないから自然が豊かで、一見何もないように見えますけど、遊び場もおいしい食べ物も自然の中にすべてあるから、この環境を新鮮に捉えられると「なんでもある」とも言えそうです。村の人も山登りや川釣りをして遊んだりしますか?

望月さん:いますいます。山登りも釣りもプロ級の人がたくさんいますね。

磯木:望月さんは?

望月さん:私は今は子育てが一番楽しくて、実はあんまりやってないんですけどね(笑)

幻の川魚、ヤマメは絶品!

磯木:今日は、『フォレストアドベンチャー・こすげ』や三ツ子山(みつごやま)での山歩きなどに行ったんですけど、ほかにもさらにオススメはありますか?ツーリングに来られる人も多いという噂も聞きましたが。

望月さん:はい、小菅村には松姫峠や今川峠といった険しいアップダウンの峠道があるので、ここを自転車で走るためにやってくる人もたくさんいます。村で自転車レースが開催されることもあるんですよ。

磯木:きつい上り坂を超えた先にきれいな景色があるとかもいいですよね。

望月さん:そうそう(笑)。あとは川釣りもやっぱりオススメですね。イワナやマスなど川魚を釣って、その場でバーベキューもできますし。あと、ヤマメっていう村の自慢の川魚がいるんですけど、このヤマメの養殖を日本で初めて成功させたのも小菅村なんです。

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最高にスリリングだった『フォレストアドベンチャー・こすげ』。

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「こんなにおっきいイワナが釣れたこともあるんだ」とうれしそうに話す望月さん。

磯木:ヤマメってどんな魚ですか?

望月さん:すごくきれいで人が入らないような川にしか生息していない体長20cmくらいの本当に珍しい魚です。炭火で焼く塩焼きが最高ですよ。素朴な味でプリプリしていて。

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ヤマメは旅館などで夕食に出されることもあるそう。

磯木:お土産に買って帰れたりします?

望月さん:それがなかなか世に出回っていませんで…。

磯木:え!?では観光に来たときに食べられるところは?

望月さん:それがですね、今、週末だけなんですけど、道の駅で地元のおばちゃんが丹精こめて炭火で焼いていて、それが超穴場で、そこでしか食べられないんです。

磯木:あ!さっき『道の駅こすげ』で見かけました!そんなに穴場だったなんて…。

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小菅村に行ったら、『道の駅こすげ』でヤマメを食べるべし!

望月さん:そうなんです(笑)。実は小菅村は、多摩川の一番上流なんですよ。都内の人に「多摩川の上流ってどこだと思いますか?」って聞くと、大体「奥多摩」って答えるんです。でも、ここはそこよりもさらに奥の多摩川の源流。だから、東京や神奈川の方のためにも、私たちが川をきれいにする義務があると思ってます。川魚も住みやすいようにね。

磯木:なるほど。それは素晴らしいです。ところで改めて伺うと望月さんって、村役場ではどんなことをされているんですか?

望月さん:私、多摩川の上流と下流に住む人同士を繋ぐことを考える、地方創生担当なんです(笑)。

磯木:あ~、そうなんですか!それでなんとなくこういう話に!(笑)。今日は村のことをアレコレ教えて頂いて、ありがとうございました!

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山々には美しい紅葉。三ツ子山は春になると「千本桜」と呼ばれるほどの桜が一斉に咲き誇るのも見ものなのだそうです。

■今回訪れた場所

小菅村

・小菅村
JR新宿から中央線でJR大月駅へ。大月駅前から富士急山梨バスに乗り「小菅の湯」で下車。
近隣に『フォレストアドベンチャー・こすげ』、『道の駅こすげ』、『小菅の湯』、三ツ子山がある。

■著者/磯木淳寛(いそき あつひろ)さん

磯木淳寛(いそき あつひろ)さん

食と地域を耕す編集者/プランニングディレクター

自然と共生する価値観と地域の可能性をテーマに雑誌媒体などに取材・執筆・企画。2013年から現場に身を投じるべく、海と里山のある千葉県いすみ市に在住。地域の営みを観察し未来をつくる書き手を増やすための合宿型ライター・イン・レジデンス「ローカルライト-地域の物語を編む4日間」を主宰し、全国で開催。石巻復興町づくり情報交流館コンテンツ編集デスク。季刊自然栽培「見えないものを見る」連載中。近刊予定として『「小商い」で自由にくらす~房総いすみのDIYな働き方』(2016年冬発刊予定)。

※記事は2016年12月31日(土)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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