関東 日帰り 出会い旅 Vol.021 /山とダイナミックに遊ぶ旅(山梨県小菅村)【後編】
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【毎週土曜 6:00 更新】
東京から2時間以内の日帰り圏内。その円を広げてみると、そこにはとても豊かな自然や、新鮮な景色が広がっています。身近なようでまだ知らない「関東の田舎」で、地元を愛するみなさんと触れ合いながらの、楽しい週末旅はいかが? 今回は、多摩川の源流の村で、面積の95%が山林という山梨県の小菅村へ向かいました。旅人は編集者/プランニングディレクターの磯木淳寛さん!
更新日:2016/12/24
■出向いた町/山梨県小菅村(こすげむら)
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新宿駅から中央線に乗って西へ。山梨県小菅村は、東京都奥多摩町に接する県境の村。つい2年前(2014年)にトンネルが開通したことから都心からのアクセスがぐっと良くなり、滝、ハイキング、釣り、川遊び、キャンプなどにたくさんの人が訪れるようになった。日常の喧騒を離れた山あいで、ワサビやコンニャク、ヤマメやイワナといった森や川のおいしい食も充実。人口約800人弱ながら近年は少しづつ増えているという、全国的にも珍しい小さな村である。
小菅村を一望できる、三ツ子山ハイキング
小菅村のバス停「小菅の湯」からは、すぐに『フォレストアドベンチャー・こすげ』、『道の駅こすげ』があり、さらにそこから歩いて行ける距離に、ハイキングコースとしても人気の三ツ子山(みつごやま)があります。
コースの全長は約2キロと短く、整備もよく行き届いたもの。比較的平坦な道のりで気軽に山歩きが楽しめるということで挑戦してみることに。
案内してくれたのは、今年(2016年)4月に着任ながら、三ツ子山には何度も登っているという村のNPO法人「多摩源流こすげ」の石坂さんです。
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村のNPO法人「多摩源流こすげ」の石坂さん。テキパキしていてとってもさわやか。
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登山道の案内図。「遊歩道」と書いていることからもハードルは低そう。
石坂さん:三ツ子山は、高さ846mの山です。今いる、山の入り口がすでにある程度の標高なので、ここから100mほど登ると山頂になります。山頂までは約30分くらいですね。
磯木:約30分ですか!それだけ聞くとかなり楽ちんに聞こえますけど、安心して大丈夫ですかね?
石坂さん:いや、実は大変なのは山頂からの下り坂で下りがメインと言ってもいいですね。とはいえ40分くらいですし、そんなにつらくはないと思います。
磯木:よかった・・・。
石坂さん:なにより気軽で眺めがいいのがこの山の特徴です。山は村のほぼ真ん中に位置ししているので、村を一望できるんです。さて、登りましょうか!
ゆるやか山道の先に絶景が!
磯木:確かにおしゃべりしながら散歩できるくらいの坂道ですね。小林さんがしょっているカゴはなんですか?
石坂さん:この背負子(しょいこ)は、山の恵みであるきのこを見つけたときに、逃さず採るためです。時期やタイミングによってはかなり採れることもあるんですよ。
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石坂さんの背中には大きな背負子(しょいこ)。
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子どもでも登れる程度の山道。村の幼稚園が幼児を連れて登ることもあるそう。
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途中で見つけた木の説明を読んで、しばしお勉強。
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山中のひんやり透き通った空気を感じながら歩く。木漏れ日も気持ちいい。
磯木:軽く体を動かしたあとに山の幸も食べられたら最高ですね。それにしても、いろんな動物もいそうな雰囲気ですね。
石坂さん:この時期だと、サルが柿を食べるために奥山から降りてきます。野生のシカとイノシシも多いですよ。人に危害を加えることはないですけどね。さて着きました!ここが山頂です!
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山頂からの眺め。山の斜面には畑が作られ、地域の名産であるソバやコンニャクが多く栽培されている。
磯木:おお~、きれい!本当に村が一望できる!
石坂さん:はい、ここが撮影スポットです(笑)。今日は午後でしたけど、午前中に来るとモヤがなくて、もっとスッキリ見えますよ。休みなく登ると山頂まで約20分で来れるので、夜にも登る人がいて、夜には星も夜景もきれいに見えます。
磯木:それも、間違いなくよさそうですね!
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山頂近くの休憩所の机に残されていた、愛らしいマツボックリ。
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下り坂は、距離こそ長かったものの、思っていたよりも平坦な道が続いていて、心穏やかに下ることができました!
■今回訪れた場所/人
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・三ツ子山
住所:山梨県北都留郡小菅村白沢
※最寄りバス停「小菅の湯」。車の場合、小菅の湯に駐車も可能。
■著者/磯木淳寛(いそき あつひろ)さん
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食と地域を耕す編集者/プランニングディレクター
自然と共生する価値観と地域の可能性をテーマに雑誌媒体などに取材・執筆・企画。2013年から現場に身を投じるべく、海と里山のある千葉県いすみ市に在住。地域の営みを観察し未来をつくる書き手を増やすための合宿型ライター・イン・レジデンス「ローカルライト-地域の物語を編む4日間」を主宰し、全国で開催。石巻復興町づくり情報交流館コンテンツ編集デスク。季刊自然栽培「見えないものを見る」連載中。近刊予定として『「小商い」で自由にくらす~房総いすみのDIYな働き方』(2016年冬発刊予定)。