【ホテルクルーズ(朝食編)】ホテルオークラ東京で、世界一のフレンチトーストと“一流”を味わう
更新日:2016/12/17
【土曜日 21:00更新】
日々企画を出しあって、シティホテルの特集やニュース記事を作っているプレミアム予約のホテル編集部。私たちがいつも思うのは、ホテルには「敷居が高い」イメージがあるということ。でも楽しみ方を知れば気軽に利用できるんです。このコーナーでは、そんなホテルの楽しみ方を知ってもらうべく、編集の南波&長野が実際に利用した体験レポートをお届けします。
食べることをこよなく愛する編集・南波の朝食レポートも、年内残すところ2回となりました。今回は満を持して、世界一とも称されるホテルオークラ東京のフレンチトーストをレポートします!
1962年に開業したホテルオークラ東京。ホテルというカテゴリーにありながら和の心に満ち溢れた建築空間で世界中にファンがいます。昨年夏、本館が建て替えのため取り壊されることになった際も、何千という反対の署名が海外から届いたのだとか。そんな声に応え、その独特の空間をできるだけ残す形で2019年に新しく生まれ変わるそう。現在は別館のみが営業しています。
これまで本館にしか行ったことがなかった私。なんとなく、ホテルオークラのすばらしさを満喫できるのは本館だけなんじゃないかと思い込んでいたのですが、別館に足を踏み入れたとたん、それが単なる思い込みだったことがわかりました。玄関を入ると、正面には鷺(さぎ)が舞う巨大な屏風、高い天井からは雪洞のような照明(通称「オークラ・ランターン」)が下がり、壮大な和の世界が広がります。窓に障子が設えられたロビーでは、和紙を通して射し込むやわらかな光の中で海外の方たちが談笑していました。「欧米の模倣ではなく、日本の特色を生かした本物のホテル」を目指したという開業当時の想いはここ別館にも脈々と流れているようです。うーむ、これぞオークラ!
朝食会場のひとつ「ラ・ベル・エポック/バロン オークラ」には、フレンチトーストがコースでいただける「La Belle Epoque ブレックファスト」があります。やや“緊張気味”にそのレストランへと向かいます。“緊張気味”のワケは、本日いただくこの朝食が「本連載史上・最高額5800円だから」に他なりません。どきどき。“世界のオークラ”が醸し出す凛とした雰囲気も手伝って、余計に背筋が伸びます。
窓が大きく取られた店内はとても明るく、ワインカーヴ(ワインの貯蔵庫)を思わせるようなアーチ状の天井からは鉄製のシャンデリアが下がっています。落ち着いた色合いのカーテンや革張りの椅子がゆったりと並び、なんとも気品のある空間!
ステキな黒服のスタッフによるエスコートで席へ。メニュー表を一通り眺め(価格を再確認し)、意を決して「La Belle Epoque ブレックファスト」をオーダーします。ジュースが選べるようでしたので本日のフレッシュジュース「洋ナシ」をチョイス。まもなく運ばれてきたのですが、そのおいしさと言ったら!! ふわっと甘い香りが鼻先をくすぐり、上品な甘さとフレッシュさ、とろりとした舌触りがたまりません。聞けば丸々2つ分の洋ナシを皮ごと使用しているのだとか。色が変わりやすいので作り置きは一切できないんですって。たしかに飲んでいる間にも洋ナシの白さがみるみる黄色がかってきます。ここでしかいただけない極上のジュースでした。
程なくして、なんとも美しい一皿が運ばれてきました。スモークサーモンとパパイヤ、レタスサラダの登場です。柿やリンゴならサラダも想像できますが、パパイヤは初体験。しかもサーモンを合わせるというその発想、私にはひっくり返っても出てきません。一口いただくと・・・パパイヤのいい香りと主張しすぎない甘さにスモークサーモンの控えめな塩気が奇跡のコラボレーション! まるで鮮魚のように柔らかくジューシーなスモークサーモンは、ここ「ラ・ベル・エポック」の名物だそうです。新鮮な葉野菜もドレッシングもおいしくて、まさに至福の一皿でした。
さあ、ついに真打登場。フレンチトーストが運ばれてきました。こんがりとした焼き目、ぷっくりとしたフォルム、見ているだけですでに幸せ!
寸分の隙もなくしみ込んだアパレイユ(卵や砂糖の入った液のこと)。おそらく水分含有量的には飽和状態だと思うのですが、フォークを差し込んでもじゅわりと水分が出てくるようなことはありません。それどころかフォークを押し返すような弾力があり、完全にパンと液が一体化しています。
まずは何も付けずにひとくち。おわーー、なにこれーー! 卵とバター香ばしさと、ほんのりとした甘さ、心地の良い舌触りのすべてが絶妙。世界一とも称されるこちらのフレンチトーストですが、もちろん私が家で作るそれとは全く別の食べ物でした。何も付けなくても十分美味しいですが、半分ほど食べてからバターとメイプルシロップを付けていただきました。コクと甘さがプラスされてこれもまたおいしいです。
このフレンチトースト、片面12時間、裏返して12時間、計24時間もアパレイユに漬けこんでから仕上げに余分な液を絞っているそう。なるほど、だからパンと液が一体化していたのか~。オーダーを受けたらフライパンで焼き目を付け、さらに低温のオーブンで15分かけて焼きあげます。焼く際のバターは澄ましバター(バターを溶かした際の上澄み)を使っているそうで、これにより雑味や乳脂肪分がなくなり、味や香りが引き立つのだとか。そりゃ私の作るフレンチトーストと違うわけだわ・・・。
料理長の長谷川さん曰く、毎日食材をチェックし、鮮度と“できたて”を徹底しているそう。フレッシュジュースも新鮮なサラダもふっくらと焼きあがったフレンチトーストも今回いただいたすべての料理から「常に良い状態を提供したい」という想いが伝わってきました。ちなみに広報の方から教えてもらったのですが、長谷川さんが着用されていた黒いズボンはベテランの証なんだとか。ホテルオークラのシェフたちは、縦のラインが入ったズボンからスタートし、最終的に黒いズボンが履けるようになるにはだいたい30~40年くらいかかるんですって! さらにウェイターさんにも階級があるそうで、私をエスコートしてくれた方のピシッとした黒い服は、25年以上修行を積んだヘッドウェイターだけが着用を許されたものだったことも知りました。さすが一流ホテル。料理人もスタッフも層が厚いです。
何もかもが上質だった今回の朝食。空間も料理もサービスも、それぞれに従事する人たちが相当な年月とエネルギーをかけて極めてきた“一流”に触れ(ちょっとドキドキもしましたが)、少しだけ自分もランクアップしたような気分になりました。いつか本当にこの場に見合う女性になりたいな~。自分を高めるためにも、また来ようと思います!
朝食DATA
■朝食会場:ラ・ベル・エポック / バロン オークラ
■時間:7:00~9:00(ラストオーダー)
■価格:La Belle Epoque ブレックファスト 5800円(税込・サ別)※サービス料10%
※そのほか、ア・ラ・カルトでも伝統のフレンチトーストがいただけます。フレンチトースト(1ピース)フレッシュフルーツとスチュードプルーン添え 2380円(税込・サ別)
■平均的な混雑状況:席に余裕あり
■電話番号:03-3505-6073
■公式HP
http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/restaurant/la_belle_epoque_baron/
■まだある!伝統のフレンチトーストがいただけるレストラン・サービス
・「ダイニングカフェ カメリア」の朝食&ティータイム:フレンチトースト(2ピース) 1300円(税込・サ別)※サービス料10%
・朝食ルームサービス:フレンチトースト フルーツ添え 2000円(税込・サ別)※サービス料10%
・シェフズガーデン カメリア:フレンチトースト(1パック2ピース)テイクアウト 1300円(税込)※1日限定10パック
ホテルオークラ東京
世界のセレブに愛される一流ホテル。日本の美と近代的機能を調和させた旧本館の意匠やインテリアを踏襲した別館に、旧本館の一部施設を移設し営業中。機能性も雰囲気も抜群の客室にステイ。口コミで絶賛のフレンチトーストは必食。
住所:東京都港区虎ノ門2-10-4
アクセス/【電車】東京メトロ日比谷線「神谷町駅」4b出口、東京メトロ南北線「六本木一丁目駅」改札口 出口より徒歩10分以内、東京メトロ銀座線「虎ノ門駅」3番出口より徒歩15分以内
【車】首都高速C1環状線「飯倉ランプ」より約3分、「霞ヶ関ランプ」より約5分
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