おもしろいこと、この地から。週 刊 東 北! Vol.020/ Let's ジョセササイズ in 福島県・西会津町【後編】
【毎週水曜 16:00 更新】
本格的な冬の到来もすぐそこ。雪深い福島の西会津で始まった「除雪でエクササイズ=ジョセササイズ」。一度声に出せば、楽しさでなんだかわくわくしてしまうその秘密と、私たちにも参加できる具体例とは? 後編の今回は、ジョセササイズのある暮らし、そしてフィールドである西会津の魅力に触れてみます。
【「前編」は本記事下にリンクがあります】
更新日:2016/12/07
「西会津という土地の魅力って?
冬はどんな暮らしがあるの?」
矢部佳宏さん(日本ジョセササイズ協会副会長・デザインディレクター) 「子供の頃から、雪は当然の存在で、逆に、ないと物足りないというか、冬を感じないというか。風景としての雪もとても美しいと思っています。風に吹かれて生まれる形や、月明かりでキラキラ光る表情、すべてを真っ白に包んでしまう効果など、とても好きですね」
鈴木孝之さん(日本ジョセササイズ協会会長)「冬には車を運転していてヒヤリとしたことは何度もありますし、暖房代やタイヤ交換が大変だったりもしますが、それでも、会津の冬や雪は大好きです。もともとスノーボードが好きなことも、静岡から移住したポイントの1つだったので、ゲレンデの雪質もいいのも気に入っています。そして、雪は天然の冷蔵庫。日本酒は瓶ごと雪の上で冷やして飲むとまたおいしいんです、これが。西会津も、そして私の暮らす磐梯町も水がきれいで、おいしい日本酒が本当に多い!」
矢部さん「これから1月~2月の新酒シーズンはオススメですね」
「日常の習慣である除雪。
2人にとってはどんなもの?」
矢部さん「高校を卒業して会津を離れ、東京や海外に暮らしましたが、西会津の今の家に4年前に引っ越してきて、毎朝毎夕、職場と家の両方で、車の駐車場所を作るために除雪することになって。このときはじめて、除雪大変だな、と思いましたね。締め切りのある仕事を抱えている状況だとさらに・・・」
鈴木さん「窓の外の雪景色を見て、テンション上がるのはシーズン初めの3回位です(笑)。夜、寝る前に雪が降っていると、翌朝カーテン開けるのがドキドキで。3日連続で膝上まで積もった時などは、心折れますね。
でもやらなければいけない、どうせなら楽しく・・・」
矢部さん・鈴木さん「で、ジョセササイズ!ですね!!」
鈴木さん「気温が下がった快晴の朝の景色なんて最高ですよ!寒すぎるけれど、ホントに気持ちいいですから。この景色をひんぱんに見られるなんて幸せだよなーとかかみ締めてますね」
矢部さん「町の中にも、“除雪した達成感”を感じている人もいれば、“本当に嫌”という人もいるのですが、そこは厳密に確認しあうことはなくて。ジョセササイズが始まってからは、除雪をポジティブに捉えている人は“今日もジョセササイズしてきたよー”という会話になりました。そして本当に除雪嫌いな人は、“ジョセササイズしたくない”って言いますね」
「そこから生まれたジョセササイズ
いちばん嬉しいことは?」
矢部さん「ジョセササイズは“除雪はエクササイズだ”という考え方なので、“よーっし、やるぞ!”とはじめられるメンタルになれることが、最も魅力的です。ジョセササイズは、除雪という社会課題に、みんな楽しそうに、それこそ僕も、私もやりたい!と自主的に参加してもらえるのが嬉しいですね。
僕は仕事でずっとランドスケープデザインという、自然と人間の持続発展可能な共生をテーマに取り組むデザインをしていることもあり、ジョセササイズが今後西会津だけではなく、雪国の新しい文化にを作れたり、社会の課題に多くの人が関心を持ち、解決するための何かのきっかけになるといいな」
鈴木さん「そう。ジョセササイズがあることで、出会わなかった人と出会ったり、ジョセササイズ楽しい!と楽しんでくれる県外からの方を見て、地元のみんなが地元を誇りに思ってくれることが嬉しくて」
矢部さん「会長や仲間たち、たくさんのジョセササイズサポーターがジョセササイズについて考えだすと、みんな笑顔で空気が和やかになり、とてもイキイキすることです。つまり、クスッと笑える共感がたくさん生まれるんです。まあ、一番楽しそうなのは会長なんですけど。僕は会長が楽しそうにしているのを見るのが一番楽しいかもしれません(笑)」
鈴木さん「本当に、ジョセササイズには感謝しています(笑)」
【シーズンイン!東北の冬を楽しく堪能】「ジョセササイズ」
今シーズンの活動については「Facebookのグループジョセササイズ・サポーターズに気軽に参加してみてください!サポーターズ限定のツアーや、ジョセコンも予定していたりします!」と鈴木さん。写真のマニュアルブックのイラストモデルも務める。