おもしろいこと、この地から。週 刊 東 北! Vol.013/郡山の人気マルシェが11月、代官山に登場

【毎週水曜 16:00 更新】
代官山駅に面した「ログロード代官山」に11月12日(土)、13日(日)の2日間、福島・郡山生まれの野菜がやってくる。題して「郡山POP UP STOREログロード~郡山マルシェ in 代官山」。最近、注目が高まる「郡山ブランド野菜」や、それらの野菜が育つ郡山の歴史や文化について、郡山市と共同主催をする「一般社団法人 食大学」の鹿野正道さんにお話を聞きました。
更新日:2016/10/19




1年に1品目ずつ目利きによって選ばれる郡山ブランド野菜/食大学が郡山市で定期的に開催している「開成マルシェ」の様子(写真提供/一般社団法人 食大学)
郡山から代官山へ。地元の人気フェスを
東京で初開催。どんなイベントになりますか?
鹿野さん「僕たち『一般社団法人 食大学』の主催で、「開成マルシェ」「表参道マルシェ」を郡山市内で定期開催し、全国から注目を集めつつある郡山ブランド野菜の魅力を伝えています。
今回は初の、東京での開催。5組の農家さんによる野菜の販売を中心に、郡山出身の鈴木眞雄氏(「KIHACHI」エグゼクティブシェフ)によるこの日限定のコラボレーションメニューほか、郡山市民のソウルフード・柏屋の薄皮まんじゅうワークショップ、音楽ライブなどを予定しています。
鈴木シェフによるコラボメニューは、まだ調整中ですが、このタイミングで収穫可能な郡山ブランド野菜をふんだんに取り入れたレギュムマリネ(野菜のマリネ)をお願いする予定です!」


今回参加の5組は郡山ブランド野菜を中心にお米や野菜を生産。さらに、郡山市内のシェフや教員にも食材に関する勉強会や調理実習を行い、生産物そのものの魅力からおいしく食べるポイントを伝えている
郡山ブランド野菜って?
どんな風に生まれているの?
鹿野さん「郡山は一言でいうと“フロンティアスピリッツの町”です。明治時代の開拓事業で猪苗代湖から水を挽き、現在の豊かな大地が生まれたのです。だから郡山ブランド野菜協議会で毎年、野菜も開拓していきたいと思い、2003年に『郡山ブランド野菜』づくりをスタートしました。先人の開拓に感謝しつつ、新品種の開発を行っていくスタンスです。
たとえばほかの地域にも京野菜や加賀野菜といったブランド野菜はありますよね? でも、あえてそうではなく、毎年200~300種の中から、栄養価や土地の気候や栽培方法を研究し、郡山の土地に会ったものを目利きによって毎年1種ずつ選んでいるのが郡山らしさ。たとえば、フルーティな甘さを持ち、高カロテンの御前人参と姉妹品種の紅御前、いちばん甘い芯の部分まで、まるごと堪能できる冬甘菜キャベツ・・・。すべて名前を公募で選んだラインナップは今、12種になりました。今回の代官山での「郡山マルシェ」では、農家さんからじかに受け取ってくださいね」


濱津洋一さん(写真下)は「郡山ブランド野菜協議会」の会長さん。代官山にも出店予定なので、郡山ブランド野菜の魅力を直接聞いてみよう
東京で届けたいことって何ですか?
郡山、福島の何をシェアしたいですか?
鹿野さん「郡山ブランド野菜が育つのは、ミネラル豊富で保肥力の強い粘土質の土地や、澄んだ空気と水のある土地。関東のみなさんには、そんな土地の豊かさとともに、生産者と直接会話をしながら、食材の生まれる背景や、味の魅力を引き出す調理法やメニューまで、ぜひ受け取ってもらいたいですね。
そしてもう一つ大事なのはBUY LOCALということ。関東の皆さんに知っていただくことももちろん大切ですが、地元の人たちが地元の野菜を生産者から購入するという仕組みができあがるといいなと思っています。今回、代官山で「郡山マルシェ」を開催することで、日本一多くの情報が集まる東京でも、地元郡山の野菜はおいしいと思ってもらえる魅力があることを、福島県民、郡山市民にも気づいてもらえたら嬉しいと思っています。
福島県は面積が広くて、海沿いから内陸、山間の地域まで、気候がそれぞれ違うことから、ほかの都道府県よりも多種多様な農産物が収穫できます。でも逆に、「福島といえばこれ!」と言えるものが生み出せずにいると思います。
でも、だからこそ、福島の野菜について、直接会える場で丁寧に僕たちが説明をし、ともに味わえる場を作りたくて。みんなにとって共通の「おいしい」の定義はありませんが、よりおいしく食べるためには、ストーリーや情報があったほうがいい。「郡山マルシェ」を開催する2日間は、農家さんはもちろん、蔵元などが集まり、一緒に作り上げるイベントなので、ぜひいろんな気づきを持ち帰ってくださいね」


鈴木眞雄氏(「KIHACHI」エグゼクティブシェフ)は、野菜のマリネを提供予定/柏屋饅頭のワークショップも楽しみ!
【来月出会える、東北の素敵な場所】郡山POP UP STOREログロード~郡山マルシェ in 代官山~

「見る・食べる・聴く・体験する・話す」、五感で楽しむことをコンセプトに6つのブースが出展予定。地元で人気のスイーツ「向山製作所」や蔵元が出展し、生産者と直接コミュニケーションができる。郡山ブランド野菜協議会のHPから、野菜のラインナップや旬の時期を事前にチェックしよう。
ログロード代官山
東京都渋谷区代官山町13-1
アクセス/東急東横線代官山駅より徒歩4分
入場無料
開催期間/2016/11/12(土)~13(日)
開催時間/10:00~15:00