旅したくなる、日曜プチお悩み相談室 Vol.009/大宮エリーさん【後編】
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【毎週日曜6:00更新】
日々の暮らしの中には悩みが尽きないもの。そんな日常がちょっぴり息苦しくなった時は、旅に出てみませんか? 旅好きのあの人が、あなたの悩みを解決して素敵な旅先や体験を提案してくれます。今回は、日本中を旅し、表現を続けるクリエイターの大宮エリーさんが答える最終回!
更新日:2016/09/18
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Photo by KENTA AMINAKA
【Q お悩み >>>旅先の人とコミュニケーションしてみたいのですが・・・(読者Nさん)】
【A お答え >>>プランを決めこまずに現地入りして、ハプニングごと楽しもう!(エリーさん)】
エリーさん「その土地や人が生み出す時間の流れや、ゆるやかさに身をまかせるのって楽しいですよね。地域ならではの料理やおすすめのスポットを現地の人に聞いてみると、自分だけのオリジナルの旅ができるんですよ! “ここに行きたいんだけどどうしたら?”という感じでコミュニケーションを取ると、現地を知りつくす土地の人ならではのおまけ情報ももらえたりして。
だから、“旅程をあまり決めないで現地入り!”がおすすめですね。そうすると、思わぬハプニングが起きて、人のやさしさにも触れることも。こうした新しい出会いは、結果的に自分への気づき、自分を見つめ直すことに繋がっていくと思うんです。不安はあるかもしれないけど、たまには流れに身を任せて、ハプニングごと楽しむっていうのも旅の醍醐味だと思うなぁ」
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「シンシアリー・ユアーズ」の展示より。ハワイ島で体験したマグマのエネルギーから「地球の愛、宇宙の愛」を感じ取って描いた≪A DIRECTION≫
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エリーさんの個展「シンシアリー・ユアーズ」会場の十和田現代美術館。「天井が高くて気持ちいい。カフェでぼんやりコーヒーを飲みながら、外の草間彌生さんの作品や、緑を眺めたり。ガラス張りで、空がたくさん見えるのが好きです」
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十和田現代美術館の「シンシアリー・ユアーズ」展示中には、会場に来た子供たちや、tico moonとともにライブペインティングも
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≪赤い女の子≫。同じくハワイ島での体験から生まれた1枚。中央の女の子は、愛を両手のひらから送っている女神ペレ。→は愛のやじるしが噴き出す様子を描いたそう
【Q お悩み >>>そんな私にぴったりの旅先は?(Nさん)】
【A お答え >>>アーティストや現地の人の交流で、たくさんの絵が生まれた十和田へ!(エリーさん)】
エリーさん「十和田では、ticomoonさんのハープとギターの音色、おおはた雄一さんのギターと歌、柴咲コウさんと渡辺シュンスケさんのピアノと歌、原田郁子さんの歌とピアノに合わせてライブペイントしたんです。本当にたくさんの絵が生まれました。
そんな様子を十和田の方々に見てもらって拍手やかけ声をいただいたり、みなさんのお話を聞きながらまた絵を描いたんです。こうして十和田で生まれた出会いと時間が、さらに絵となり次はどこに展示されるのでしょう。これもひとつの旅ですよね。
絵を見てアートに触れる。そして現地のおいしいごはんに出会って、自然を体中に取り入れる。十和田では自分の心と向き合えるし、もっと自由になれる気がします。十和田に来ると、何かがきっと“開く”と思いますよ」
【今回の回答者】大宮エリーさん
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♪ PROFILE
作家、脚本家、映画監督、演出家、CMディレクター、CMプランナーなど、多くの肩書を持つクリエイター。広告代理店勤務の後、2006年に独立。2012年からは、「思いを伝えるということ」展や、「生きているということ」展など数々の体験型個展を発表する。現在は、週刊誌「サンデー毎日」の連載や、J-WAVE「THE HANGOUT」でラジオパーソナリティとしても活躍するほか、絵画展や写真展も開催。(Photo by KENTA AMINAKA)
♪♪ INFORMATION
美術館での初個展「シンシアリー・ユアーズ ―親愛なるあなたの 大宮エリーより」を十和田市現代美術館で~9/25まで開催中。同時に市内の商店街を中心に「大宮エリーの商店街美術館」も行う。商店街の人たちとの会話から、シャッターに子供たちとライブペイントを行ったり、アーケードの屋根に虹のステンドグラスをつくったりと、街の人と一緒に制作した作品もたくさん。
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WRITING/MAKI FUNABASHI