拝啓、メディア様。Vol.004 「空から日本を見てみよう+」BS ジャパン
【毎週木曜 6:00 更新】
テレビ、ラジオ、Webに雑誌・・・旅ゴコロをいざなう番組の作り手に編集部が会いにいき、制作中のエピソードや思いをシェアするこの連載。今回は、雲にのりながら日本を見渡す気分に浸れる『空から日本を見てみよう+』のプロデューサー、永井宏明さんが登場します。
更新日:2016/08/18
「空から日本を見る」と、新発見がいっぱい!
番組が生まれた秘密は?
「タイトルの名前通り、空から撮影して日本を見ようという空撮地理バラエティです。番組は、映像とナレーションのみで展開していきます。2009年に地上波のテレビ東京で始まって、1年間の充電期間を経てその後2012年からBSに移行。番組を作って6年ほどになりますね。
番組スタートのきっかけのひとつは、百貨店のようになんでも揃っている番組ってどこの局にもいっぱいあるんですけど、テレビ東京で”専門店”のような番組を増やせれば、という思いから。そして“地理に特化した番組を作りたい”と思っていて、その表現方法としてこの番組に行き着きました。
僕は元々、変わったビルを見つけたら入りたくなっちゃう体質の人間で(笑)。それは番組にも反映されていて、自然であろうが地形であろうがビルであろうが、なんでもいいから上から見ておもしろそうなものを見つけては探求しています。
あとは、地域の特徴や特色をどうやって出すか。山や谷の形は、地域によって微妙に違う。これは、その土地に暮らす人々の生活にも大きく影響しているんです。そういったことも、番組で伝えられたらいいなって思ってます」
現地にスタッフが約5週間滞在!
フットワーク軽く、毎日撮影中
「ロケ先は、日本全国に散らしています。当初は、観光地や有名な地域も取り上げていたんですが、最近では旅雑誌のタイトルにも載らないようなところがかなり増えています(笑)。メディアの情報源がなくても毎日担当地域を走り回って、自力で探さないといけない。だからディレクター陣は大変な思いで撮影場所を探していますね。
撮影期間はロケハンとロケ合わせて5週間くらい。僕らの番組は、スタジオ収録がないし、ロケにタレントさんを起用するわけでもない。でもそれを逆手にとって、フットワークよく撮影に挑めるわけなんです。空撮以外の撮影は、すべてディレクターひとりで行っていて、カメラマンや音声などの技術スタッフもいない。だから1回の放送で、15カ所以上の映像を入れられるんです。
ヘリコプターでの空撮は、1放送当たり2日くらいはかかってますね。天気が悪くて飛べない、なんてこともしょっちゅう。それに放送時期と季節をリンクさせないといけないので、四季の変化とパズルを組んでいるような気分ですね。例えば、夏山を放送したい場合、撮影スタートは春先から。いざ山の映像をとなると、梅雨明け前の撮影になってしまう。それで先日も、“梅雨明け前に山を撮りにいけと言うほうが間違っている”って、空撮カメラマンに怒られましたね(笑)」
まだ見ぬ出会いに満ちた日本
その新鮮さと刺激を届けたい
「番組を作って6年経っても空から日本を見てみると、まだまだ知らぬ魅力がいっぱい出てくるんです。山形県の白鷹町というところに、現在ではとても珍しい先染めの伝統的な織物工房があったり、高知県の山奥ではトウモロコシの粉に砂糖を混ぜておやつにしていたり・・・、まさに未知との接触でおもしろい。
全国には、新しい出会いと発見がまだまだ満ちていると思うんです。
あまり認知されてない地域でも、必ず特徴があるから番組はいくらでもおもしろく作れます。予備知識や先入観がないほうが新鮮に見られるということもありますしね。
中堅番組になってきた今、番組としてもステージをあげていかないといけない。だからこそ通常、テレビ番組で特集されないような未知なる場所の魅力を届けたい。番組を通じて、視聴者の方の好奇心を刺激して、知らない土地だったけど行ってみようと思っていただけたら」
今週の旅番組・・・「空から日本を見てみよう+」
テレビ東京の人気番組が舞台をBSに移してパワーアップ。ヘリコプターやドローンを使って日本各地を空撮する。雲のおじいさん「くもじい」と、雲の女の子「くもみ」とともに、日本中を空から眺める旅へ!
BS ジャパン
毎週火曜 夜8:00~8:55
案内役ナレーター:くもじい(伊武雅刀)、くもみ(柳原可奈子)
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WRITING/MAKI FUNABASHI