拝啓、メディア様。Vol.003 動画サイト「LeTRONC(ルトロン)」OPEN8

拝啓、メディア様。

【毎週木曜 6:00 更新】
テレビ、ラジオ、Webに雑誌・・・旅ゴコロをいざなう番組&記事の作り手に編集部が会いにいくこの連載。今回は、今年5月にオープンした女性向け動画メディア『LeTRONC(ルトロン)』の編集長・岡部のぞみさんと、プロデューサー・針北陽平さんを直撃します。

更新日:2016/08/04

  • LINEで送る
拝啓、メディア様。Vol.003_1
拝啓、メディア様。Vol.003_7

編集長の岡部のぞみさんと、プロデューサーの針北陽平さん(上)/30秒の動画に情報や思いを乗せていく(下)

“旅するように人生を楽しむ”
動画で雑誌のようなストーリーを展開

針北さん「『LeTRONC(ルトロン)』は、大人の女性向けの動画メディアです。旅をテーマに、 カフェや銭湯などそのお店やスポットに“行ってみたい”“食べてみたい”と心を動かす30秒の動画を配信しています。『LeTRONC(ルトロン)』のWEBサイトだけでなく、FacebookやInstagramなどのソーシャルメディア、OZmallをはじめとした@cosmeやWoman.exciteでも見られます。
 そもそものきっかけは、記事が埋もれがちなWEBでも、ブレない価値観を持つ雑誌みたいな動画メディアを作りたいという思いから。それで雑誌の編集者だった岡部に声をかけた訳です」

岡部さん「最初は、“雑誌みたいな動画? 何言ってんだろう?”って感じでした(笑)。もともと私は、出版社で編集をしていて女性誌畑の出身なんです。誘ってもらった当時は、そこで雑誌もWEBも担当していて。雑誌の売り上げも厳しい状況でしたが、WEBでファッションに関する記事をアップしてもあまり読者に見られてなくて・・・。伸びるものといえば、グルメや旅といった体験価値のあるもの。さらにあまりものを持たずに暮らすミニマリストに注目が集まっていたし、多くの女性が求めているのは、服やブランドじゃなくて資格や旅といった直接自分への成長や心の豊かさにつながるものでした。だから今新しいサイトをオープンするなら“旅”というのが必然でしたね。
 いいものを作ったとしても見られることから始まる。そこで、“旅するように人生を楽しむ”というコンセプトを決めました」

拝啓、メディア様。Vol.003_7
拝啓、メディア様。Vol.003_3
拝啓、メディア様。Vol.003_3

編集部は岡部さんと針北さんを中心に、20~30代の若手で構成されているそう(上)/岡部さんが描いた動画のコンテ(中)/外部のスタッフとも動画の雰囲気を共有して、撮影を行う(下)

親近感がありながら上質なものを。
“自分事化”してもらえる動画を作りたい

岡部さん「最初は新しいサイトかつ新しめの会社ということで、取材のアポを取るのにもひと苦労でした。古くからある銭湯や横丁なんかは、動画とテレビとの違いから説明しなくちゃいけないことも。でもようやく取材にこぎつけて、“たまにはひとりでほろ酔い気分 TOKYOぶらり横丁”“23区で湯巡りの旅! 460円で入れる、TOKYOモダン銭湯”といったタイトルで完成した動画を見せるとすごく喜んでくれて・・・。雑誌編集から離れて、新しいことに挑戦してよかったって感慨深かったですね。
 動画メディアだと、これまで雑誌を通して平面で組み立てていたストーリーを、動画で立体的に見せることができる。作り方のベースは同じですが、見ている人の5感により訴えられるんじゃないかと思います。ちなみに動画に登場するのは、編集部のスタッフたち。見ている人に、自分の姿を投影してもらえたら」

針北さん「僕らが大切にしていることは、親近感がありながらも上質な動画を作ること。そして分散型のメディアが主流となっている今、見ている人に喜んでもらうためには、量を多く作らないといけない。だから月200本の動画配信をベースにして、どんどんストックしていく仕組みを構築しました。
 限られた取材チームでひと月にたくさんの数を作るのは大変ですが、撮る内容や機材などをある程度決め込んで連載型にすることで、データベース化にもつながります。特集を組んで作った記事は、配信から時間が経ったとしても“温泉”“横丁”などのキーワードから動画を見に来てくれるユーザーがいると思うんです」

拝啓、メディア様。Vol.003_4
拝啓、メディア様。Vol.003_5

媒体名「LeTRONC(ルトロン)」が、旅のアイテム“トランク”から派生して岡部さんが命名(上)/テレビ番組を作っていた動画編集担当のスタッフも参画する(下)

旅のような予期せぬ出会いを楽しんで、
日常をもっと豊かにしてもらいたい

岡部さん「以前取材させていただいた安藤美冬さんから聞いた“ワークライフブレンド”という言葉。仕事と生活のどちらかが犠牲になるのではなく、どちらも共通の価値軸で融和させて楽しむ、という意味ですが、旅をするように仕事も遊びも楽しんで生きていけたら素敵だなって私も思うんです。旅は、行先や過ごし方など主体的に選ばないといけないことがたくさんあるから、自然に心を動かすことができる。だから唯一、能動的に環境を変えられるもの。こういう旅の体験価値を動画で伝えていきたいです。

このサイトの立ち上げに関わってわかったのは、仕事でもプライベートでもいろんな縁が人と人をつないでくれるということ。人生には、旅のように予期せぬ出来事や偶然の出会いがたくさん混在していると思うんです。旅で起こるような素敵なハプニングを日常生活の中で見つけて楽しんでいければ、人生がもっと豊かなものになるはず。だから私たちが作る記事で、好奇心や冒険心を少しでも見つけてもらえたら」

『LeTRONC(ルトロン)』/OPEN8

拝啓、メディア様。Vol.003_6

2016年5月にスタートした動画メディア。銭湯や朝ごはん、横丁などの特集をはじめ、旅についてのインタビュー記事も展開。発信した特集は、一度きりで終わらずに継続して動画を作成。ひとつの特集をとことん追求する新たなスタイルを貫く。

WRITING/MAKI FUNABASHI

※記事は2016年8月4日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

TOP