実りの秋に続いて、冬の旅も美食をたっぷり楽しみたいという人におすすめの旅先が、静岡県静岡市。秋漁が解禁された赤い宝石・桜えびや、冷凍水揚げ量日本一の清水のマグロ、美しい水に育まれるワサビに、とろろ汁や静岡おでんといったご当地グルメなど、冬の静岡はおいしいものがいっぱい! 今回は、そんな静岡グルメを堪能する静岡市の旅を、東京女子部の@sinsin_pandaさんがレポート。
絶品グルメがずらり!おいしい静岡の旅
ひさしぶりのひとり旅。せっかく旅をするならば旬の食材を楽しめる場所へ!と思い、向かったのは静岡市。東京~静岡は新幹線で約1時間とアクセスも良好で、首都圏から1泊2日のショートトリップにもぴったりなんです。静岡は温暖な気候に恵まれた食の宝庫。その希少性ととろける味わいから”駿河湾の至宝”とも呼ばれる桜えびに、見逃せないご当地グルメまで、静岡市が誇る豊かな食をレポートします。
■@sinsin_pandaさんプロフィール
気ままなひとり旅ライター。旅先の決め手は「建築」と「食」。クラシックホテルや歴史的な建物をリノベーションしたホテルに心惹かれます。ご当地パンやご当地スイーツ、ひとり飯にぴったりの居酒屋やバーを開拓するのが旅の醍醐味
世界中で今だけここだけ!生桜えびを味わう
由比漁港は桜えびの秋漁シーズンの真っ只中!ということで、普段は見ることのできない早朝の競りを特別に見学してきました。実は、生の桜えびを味わうことできるのは世界でも静岡市だけ。しかも春と秋の限られた漁シーズンにだけ楽しむことができる、かなり貴重なグルメなんです。特に秋漁の桜えびは殻が柔らかく甘みがあるため生食に向いているそう。獲れたての桜えびは口の中でとろっとした身の甘みが溶け出してまさに絶品! 由比港内の「浜のかきあげや」では、桜えびがたっぷり乗った桜えび丼を食べることができますよ。
魚市場で贅沢マグロ三昧!新鮮なマグロの刺身&かま揚げで満腹
お昼ごはんは、仲卸業者から新鮮な海の幸を直接購入できる「清水魚市場 河岸の市」へ。清水魚市場に併設するまぐろ館は、とにかくマグロが大好きという方にイチ押しのスポット。この日は2階にある「ととすけ」でランチです。
こちらのお店はマグロ専門の運送業者直営なので、新鮮なマグロをリーズナブルにいただくことできます。人気の「ととすけ定食」は、脂の乗った本マグロ、バチマグロ、ビンチョウマグロなどのお刺身盛りに、名物マグロのかま揚げも付いたボリューム満点の一品! 海を眺めながらおいしいマグロを口いっぱいほおばり、幸せな時間を過ごしました。
静岡ならではの食材と地酒を味わい尽くすディナーコース
夜ごはんは静岡のご当地グルメを堪能すべく、「わさび漬け」の老舗・田丸屋本店が手がける創作料理割烹「造りの山葵(わさび)」へ。新鮮な桜えび、タチウオ、マグロのお刺身にすりおろしたばかりの本わさびが合う! 焼酎を本わさびで割る「わさび焼酎」や静岡市の日本酒など、静岡だからこそのお酒の楽しみ方もオツです。緑茶割はお茶のうまみがしっかり感じられて、桜えびのかき揚げや鰆の焼き物との相性が最高でした。
静岡の昭和レトロを求めて古きよき横丁「青葉おでん街」へ
静岡の夜をまだまだ楽しみたい!ということで、夜ごはんの後は「青葉おでん街」へ。どのお店に入ろうかしらと迷いながらも、インパクトのある暖簾に心惹かれて「愛ちゃん」に入店。こちらは、なかよしご夫妻が迎えてくれる、牛すじベースのおでんが味わえる静岡っ子御用達のお店です。静岡おでんならではの具材といえば「黒はんぺん」! イワシのすり身を使っているから黒いのだそう。青のりとイワシなどのだし粉をふりかけて食べる静岡流でいただきました。
松尾芭蕉の俳句にも詠まれた、名物「とろろ汁」を求めて丸子へ
東海道五十三次の20番目の宿場町・丸子(まりこ)宿は、ちょうど峠に差し掛かる麓の宿。街道沿いに佇む「とろろ汁の丁子屋」は、松尾芭蕉の俳句や十返舎一九の「東海道中膝栗毛」にも登場しており、なんと400年以上の歴史がある老舗!
自然薯をすりおろしたとろろを味噌汁でのばして麦飯にかけた“とろろ汁”は、峠を越える旅人たちのパワーフードとして大人気でしたが、現代人にとっては血圧を下げ、腸内環境を整えてくれるという美と健康の味方でもあります! 地元提携農家と大切に育てた自然薯を使用し、こだわりぬいた素材と丁寧な下ごしらえが生み出す、唯一無二のもっちりとした食感が最高でした。
グルメ旅の途中で立ち寄りたい!静岡市のよりみちスポット
徳川家康の平和への願いが込められた特別な場所「久能山東照宮」
静岡市はかつて駿府(すんぷ)と呼ばれ、徳川家康が人生の1/3を過ごした地として知られています。「久能山東照宮」は、家康を祀る霊廟として二代目将軍・秀忠によって建立されました。400年以上前の創建当時の姿で私たちを迎えてくれる、静岡市内唯一の国宝建築でもあります。
1159段の階段を登った先に座する本殿は雲の上にある平和な世界とされ、家康公の両脇には織田信長・豊臣秀吉が3人並んで祀られています。極彩色の社殿には美しい彫刻や絵が施されており、戦国の世を収めた家康公の「平和」への願いが随所に込められました。境内から眺める駿河湾も絶景ですよ。
平成の名水百選で仕込む伝統と革新の日本酒「萩錦」
「萩錦酒造」は市内で唯一、仕込み水が自噴している酒蔵です。日本酒「萩錦」を特徴付けるのは、静岡県産の米と酵母、そして敷地内に湧き出す仕込み水・安倍川の伏流水。試飲してみると滑らかで優しい口当たりで、平成の名水百選に選ばれたというのも納得です。
「日常をすこし豊かなものに」という想いでデザインされたお洒落なラベルが印象的な「萩錦土地の詩」は、優しい果実香を感じる味わいが食中酒にぴったり! おうち女子会に持ち寄りたい逸品です。事前予約をすることで試飲ができるので、訪問前にはぜひお問い合わせを。
伝統工芸×SDGsを体験!静岡ならではの手仕事に触れる
静岡の伝統工芸や地場産業を気軽に体験できる施設「駿府の工房 匠宿」では、染物職人・鷲巣恭一郎さんのレクチャーで「お茶染め」を体験しました。静岡市の伝統工芸「駿河和染」の技術を応用して、お茶の製造過程で出る、商品にならない部分の茶葉を染料として再利用しています。さらに染料の役割を終えた茶殻は、堆肥として利用することで廃棄ゼロを達成するという徹底ぶり。せっかくなので今回の静岡旅の思い出を描いてみました。仕上がりが楽しみです!
本格静岡茶がワンコイン!お土産探しは「しずチカ茶店・一茶」で
旅の終わりには、新幹線に乗る前にJR静岡駅の地下通路にある「しずチカ茶店・一茶」でお土産を! こちらでは週替わりで3種類の静岡茶が「本日のお茶」として紹介されており、好きなお茶を選んで上生菓子とのセットで一服できる喫茶が人気。
茶葉がずらりと並ぶ併設の物販コーナーでは、茶匠が選りすぐった静岡市産の茶葉50種類がなんと一律ワンコインで購入できるんです! あなただけのお気に入りを見つけて、旅を思い出しながらおうちでじっくり味わってみてください。
東京女子部とは?
OZmallがプロデュースする“東京”を遊びつくす女性たちが集うおでかけ発信コミュニティ。ニューオープンのお店のプレスイベントやトラベルツアーへのご招待など、 OZmallは東京女子部の活動を通じて"おでかけの魅力"を発信したい女性たちを応援します。Instagram公式アカウントでは、首都圏を中心に話題のスポットや穴場の素敵なスポットを、「#東京女子部」が付いている投稿からリポストをしてご紹介。定期的に投稿キャンペーンを実施しているので要チェック!
PHOTO&WRITING/@sinsin_panda(東京女子部)