シネマみたいな旅がしたい.08「湘南バカンスの話」/神奈川県茅ケ崎市

シネマみたいな旅がしたい.08「湘南バカンスの話」/神奈川県茅ケ崎市

まるで映画の世界に入り込んだようなドラマチックで絵になる町は、せわしない日常を忘れさせてくれるとっておきの旅先。東京女子部の@ayanen_nさんが神奈川県茅ケ崎市で体験した、湘南バカンスの物語。

更新日:2023/10/26

神奈川県・茅ヶ崎駅の駅前に広がる商店街から1本小道に入ると、突如「8HOTEL 茅ヶ崎」が現れた。入口に止まるのは、タイでよく見かけるトゥクトゥク。ヤシの木に囲まれたリゾートホテルのような雰囲気に心を奪われたからか、気分が浮き立ち始める。今年は忙しくて夏休みがとれなかったし、当分暑い日は続きそうだから、気分だけでもバカンスしたい。そう思って選んだ旅先が湘南だった。

アクセスのよさとともにこのホテルを選んだもうひとつの理由が、フィンランド式のサウナがあること。さっそく、水着に着替えてサウナへ。吹き出る汗のおかげで、日頃の疲れはまたたく間にふっ飛んだ。水風呂代わりのプールで火照った体をクールダウンして、デッキチェアでひと休みするうちに、心も整っていく。気持ちも体も軽くなったので、そろそろ散策へ出かけよう。

「このあたりは、個性豊かな個人店が多く、おいしいお店がたくさんあるんですよ」と教えてくれたのは、伊澤美和支配人。時間ごとにサザンビーチちがさきまで、あのトゥクトゥクで送迎してくれるサービスがあるという。まだ海を見ていないことに気付き、海辺をめざすことに。

海岸までの公道をトゥクトゥクで駆け抜けるなんて素敵。乗用車に比べると、速度はゆっくり。柔らかい秋風は心地よく、三輪自動車のエンジン音はどこか懐かしい。サーフショップや飲食店が並び、観光客や買い物帰りの地元の人でにぎわう湘南は、バンコクのカオサンロードのよう。すっかりタイ気分になったので、夕食はサザンビーチの入口近くにあるタイ料理店「PUENTHAI FOOD」にしよう。

無農薬の食材を中心に使うタイ料理は、本場で食べた味を思い出す感動的なおいしさ。そんな感想を伝えると、そこからフレンドリーな店主の島田学さんと千賀子さんとのおしゃべりタイムに。「タイまで料理人を探しに行ったんだよね」と、学さんが店を始めるまでの秘話で盛り上がる。

ほどよい辛さと甘みがくせになるタイ料理に味覚が刺激されただけでなく、まるで物語のような店主の思い出話に思いをはせてみたら、インスピレーションが刺激されたみたい。リフレッシュできたのはもちろん、好奇心を掻き立てられたことが、湘南旅のいちばんの収穫だ。「新たな世界を知れる旅って本当にいいものですね」。そんな往年の映画評論家の決め台詞をもじった言葉が浮かぶ自分に苦笑いしつつ、足取りは軽かった。

シネマみたいな旅のロケ地

8HOTEL 茅ヶ崎

「1週間が8日ならどんなインスピレーションを抱くのか?」をコンセプトにしたビーチホテル。宿泊者だけが利用できるフィンランド式のサウナが評判に。水風呂代わりになるプールは、夜にはライトアップされ、幻想的な雰囲気に包まれる。サウナハットなど、オリジナルグッズも素敵。

DATA

エイトホテル
TEL.0467-55-5175
住所/神奈川県茅ヶ崎市幸町18-35
客室数/33
通常宿泊料金/1泊1名1室9400円~
アクセス/茅ヶ崎駅より徒歩4分

PUEN THAI FOOD

無農薬栽培の野菜やハーブを中心にした食材で作るタイ料理店。料理のうまみが際立つ特製シーフードソースは、タイで友人となった元料理人から教わった本場の味。店主はSHONAN THAILAND FESTIVAL2023の主催者で、さまざまなイベントにキッチンカーで参加する島田夫妻。

DATA

プエン タイフード
TEL.0467-83-5999
住所/神奈川県茅ヶ崎市中海岸3-11-25
営業時間/4月中旬~12月初旬17:30~22:00(21:00 LO) 土・日・祝11:30~
定休日/なし(不定休)※冬季休業あり
アクセス/茅ヶ崎駅より徒歩30分

PHOTO/AYA MORIMOTO WRITING/AKI KOTAKE MODEL/@ayanen_n(東京女子部)

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※記事は2023年10月26日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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