OZmagazine TRIPで好評連載中の「さて、おやつにしますか」は、文筆家・甲斐みのりさんが教える、旅の目的になるおやつの話。第20回目は福岡県・福岡市の「をかし ひつじや」で生まれた、フルーツたっぷりの華やかな羊羹「フルーツポンチ」をご紹介します。
画像/フルーツポンチ 2800円
きらきら輝く宝石箱のようなフルーツ羊羹
福岡市南区の「をかし ひつじや」は、デザイン性に富んだ職人手作りの本格的な和菓子と、子供でも気軽に買える手頃な値段の愛らしい駄菓子が、スタイリッシュな空間のカウンターに並ぶ菓子店。
そこで見つけたのが、パイン、キウイ、チェリー、あんず、オレンジ、木苺、白玉を、杏仁風味の羊羹と合わせて、フルーツポンチ風に仕上げた、華やかで涼しげな冷やして食べる羊羹。ひと切れごと彩りが異なるうえに、付属のレモンソーダシロップをかけることで、味わいや食感の変化を楽しめる。ポップながら懐かしさを覚えるパッケージは、長嶋五郎さんのイラスト。一度目にしたら忘れられない存在感で、暑い季節の手みやげとしてもあつらえ向きだ。
和洋が入り交じったような不思議な風味をかみ締めながら、かつて夏休みの自由研究で作ったホームパーティーのためのレシピブックのラインナップに、どっさりのフルーツと手作り白玉を使ったフルーツポンチを加えたことを思い出す。気泡が弾けるサイダーを隠し味にしたけれど、この羊羹も炭酸水や夏休みの風景とよく似合う。
取材・文/甲斐みのり 撮影/鍵岡龍門
おやつDATA
PROFILE
甲斐みのり(かい・みのり)
文筆家。旅や散歩、お菓子や地元パン、クラシックホテル、雑貨や暮らしなどを主な題材に、書籍・雑誌・WEBに執筆。各地の観光案内パンフレットも手がける。著書は『乙女の東京案内』(左右社)など。この春、『日本全国 地元パン』(エクスナレッジ)を発売。
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この記事が掲載されているのは、OZmagazine TRIP「日本の世界遺産」
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発売日/2023年6月28日(水)
定価/800円
販売場所/全国の書店、コンビニエンスストアなどで発売中!
TEXT/MINORI KAI PHOTO/RYUMON KAGIOKA
※OZmagazine TRIP(2023年6月28日発売)の情報を転用して掲載しています。掲載情報は、2023年6月16日時点のものです。その後、変更が生じる場合がありますのでご了承ください