2022年の秋に大改修を終えた嚴島神社の大鳥居を見に、広島県の宮島へ。瀬戸内の豊かな海で育った大粒の牡蠣や、郷土料理のあなごめしなどグルメも充実なのが魅力的。心もお腹も満たされる大人の旅を。
古来は島そのものがご神体
心満ちるパワースポット
世界遺産・嚴島神社の大鳥居の赤に海の青、原始林が覆う標高約535mの弥山の深緑と、色彩のコントラスが美しい宮島。島のシンボルの鹿たちがのんびり歩く島内は、本州から船で10分ほどとは思えない、極楽浄土のような景色が広がっている。
宮島の正式な名称、厳島の語源は、「神を斎いつき祀まつる島」。島そのものが神として信仰され、ご神体である島の土地を傷付けないよう、嚴島神社を潮の満ち引きで変化する州浜の上に建てたという。
世界でも類を見ない、海上の寝殿造りの社殿を実現したのが、平安末期に一世を風靡した武将の平清盛。神のお告げにより、嚴島神社を平家の守護神として社殿の造営にかかわると、飛躍的に出世し、社殿が完成する前年には、武家で初めての太政大臣、今でいう総理大臣までに昇り詰めた。
その後も、足利尊氏、毛利元就、豊臣秀吉などの歴史の偉人らが崇敬し、まさに日本の元祖パワースポットといえる。ちなみに、清盛公の時代と同じように、今も大鳥居をくぐってお参りできる「ろかい舟」が出ている。海から眺める社殿も、竜宮城のような雅やかさ。いにしえの人々の芸術的なセンスに思わず感服する。
2022年10月に、約3年半をかけて大改修を終えた大鳥居は、潮が引くと砂浜を歩いて、すぐそばで見上げることができる。近くで見るとその大きさに感動。生まれ変わったばかりの真新しい朱色を目に焼き付け、神様の島に願いを込めよう。
嚴島神社
いつくしまじんじゃ
TEL.0829-44-2020
住所/広島県廿日市市宮島町1-1
営業時間/6:30~18:00(3/1~10/14) 宝物館8:00~17:00 千畳閣8:30~16:30
拝観料/嚴島神社昇殿料300円、宝物殿300円、千畳閣100円
アクセス/宮島桟橋より徒歩10分
牡蠣、あなごめしの2大グルメに、絶品スイーツも!
牡蠣料理専門店で贅沢な牡蠣尽くし
巨大なワインセラーが目を引くスタイリッシュな空間でいただけるのは、宮島の牡蠣業者「森脇水産」と作りあげる最高級ブランドの地御前産牡蠣。身の入りが大きく、濃厚な味わいが特徴。ガス火で豪快に焼くぷりぷりの焼き牡蠣をはじめ、ジューシーな牡蠣フライや牡蠣飯、牡蠣入りの赤だしなど6品が付く牡蠣屋定食で、贅沢な牡蠣三昧を堪能して。
牡蠣屋
かきや
TEL.0829-44-2747
住所/広島県廿日市市宮島町539
営業時間/10:00~16:00 土・日~ 17:00(売り切れしだい終了)
定休日/不定休
アクセス/宮島桟橋より徒歩7分
※予約不可
マストで訪れたい元祖あなごめしの名店
宮島行きフェリー乗り場の最寄り・JR宮島口駅そばで、1901(明治34)年創業。宮島駅の駅弁として誕生したあなごめし弁当が、広島のアナゴ飯の元祖として知られる。あなごめし弁当の販売・製造のほか、併設の食堂でできたてほかほかのあなごめしが味わえる。ふっくらと香ばしいアナゴは、アナゴのダシで炊きあげたごはんでおいしさが倍増する。
あなごめし うえの
TEL.0829-56-0006
住所/広島県廿日市市宮島口1-5-11
営業時間/10:00~19:00 水~18:00(売り切れしだい終了)※弁当9:00 ~
定休日/無
アクセス/ JR宮島口駅よりすぐ
※予約不可
ひとくちサイズが可愛い進化系まんじゅう
店頭で焼きあげる宮島限定コロコロもみじ500円は、通常の1/5のひとくちサイズ。抹茶、チョコ、あんバター、ピーナツ、はちみつフロマージュの5種類から選べるソースをつけて味わうスタイル。まんじゅう生地のおいしさも実感できる。
やまだ屋 宮島本店
やまだや みやじまほんてん
TEL.0829-44-0511
住所/広島県廿日市市宮島町835-1
営業時間/9:00~18:00
定休日/無
アクセス/宮島桟橋より徒歩5分
絶景カフェでのんびりひと休み
宮島生まれの人気自家焙煎店「伊都岐珈琲」の姉妹店。かつての宮島町長の別邸を改築し、島でも有数の眺めのいいロケーションに立つ。深緑のモミジが涼しげな木陰を作るデッキテラスからは、五重塔や豊臣秀吉ゆかりの千畳閣など、宮島の歴史的建物を間近に眺められる。店内の焙煎所でローストするコーヒーや、毎日3種類揃う自家製ケーキを味わいながら、極上の景色を楽しみたい。
天心閣
てんしんかく
TEL.0829-44-0611
住所/広島県廿日市市宮島町413
営業時間/13:00~17:00(16:30LO)
定休日/無
アクセス/宮島桟橋より徒歩15分
※予約不可
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PHOTO/TAKASHI MISAWA WRITING/AYAKO GOTO
※OZmagazine TRIP(2023年6月28日発売)の情報を転用して掲載しています。掲載情報は、2023年6月16日時点のものです。その後、変更が生じる場合がありますのでご了承ください