関東 日帰り 出会い旅 Vol.001 / 港町の「おいしい」と「小商い」に出会う旅(千葉県いすみ市)【前編】

関東 日帰り 出会い旅 Vol.001 / 港町の「おいしい」と「小商い」に出会う旅(千葉県いすみ市)

【毎週土曜 6:00 更新】
東京から90分以内の日帰り圏内。その円を広げてみると、そこにはとても豊かな自然や、新鮮な景色が広がっています。
身近なようでまだ知らない「関東の田舎」で、地元を愛するみなさんと触れ合いながらの、楽しい週末旅はいかが?
旅人は、千葉県いすみ市在住の編集者/プランニングディレクターの磯木淳寛さん!

更新日:2016/07/29

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【今週 会いに行った人】
宇井里実(うい さとみ)さん

NPO法人『いすみライフスタイル研究所』


いすみ市生まれ、在住。地元を一度離れた後、故郷の魅力を再確認しUターン。お祭りなど地域の伝統を学び受け継ぎつつ、より良い暮らしに繋ぐべくアイディアを実践中。NPO法人『いすみライフスタイル研究所』元スタッフ。

【今週 出かけた町】千葉県いすみ市

千葉県いすみ市


東京駅から電車で約90分、房総半島の中ほどに位置する、海の青と里山の緑のコントラストが印象的な町。昔からサーフィンが盛んで、波を求めて移り住む人も。また、農的な暮らしを志向する若い世代も増え、食やものづくりといった小商いのマーケットが盛んに。

いすみ 港の朝市
いすみ 港の朝市

朝獲れの魚介がそこここに! 地元の人も早朝から、楽しみに足を運ぶ場所

朝からとれたて海の幸たっぷり! 活気あふれる港の朝市

磯木:宇井さん、おはようございます!今日はよろしくお願いします!

宇井さん:はい、よろしくお願い致します!

磯木:今回はぼくの住んでいるいすみ市を舞台に、改めて旅人気分で宇井さんに町をご案内してもらえたらと思っています。まず、地元っ子の宇井さんから見て、いすみ市ってずばりどんな町?

宇井さん:ひと言で言うなら「面白くなっている町」、ですかね。私は一旦いすみ市を離れていたんですけど、戻ってきて気がついたら移住者が増えていたり、地元の人が移住促進のNPO法人『いすみライフスタイル研究所』を作っていたり。それに、誰でも楽しめるマーケットも以前に比べてとても増えてきました。

磯木:昨年(2015年)から始まった、この「港の朝市」もそうですね。

宇井さん:はい。ここはお昼の12時までやっていて、都心からも日帰りで来られます。毎週日曜日の開催ですが、漁獲量日本一を誇る伊勢海老や地蛸といった、いすみ市ならではの海の幸を求めて地元の人も日常的に足を運ぶ市場ですよ。

磯木:いや、ほんと活気があって、試食も多くて目移りしちゃいます。

宇井さん:海産物だけでなく、いすみ市のお米のおいしさに感動して移住してしまったおにぎり屋さんもいますよ。

おにぎり いすみ市
銀シャリ おにぎり

おにぎり工房かっつぁん(左)と宇井里実さん/かっつあんの愛するいすみ米のおにぎり

「いすみ米」おにぎり、ハマグリにかつお・・・ おいしいに目移り!

おにぎり工房かっつぁん:おはようございますー!

磯木:明太子、焼鮭、タコむす・・・。おいしそうなおにぎりがたくさん。あおさ汁も朝のおなかに染み込みそう。

かっつぁん:わかってるね! ここは海鮮を買ってすぐ隣のスペースで炭火バーベキューもできるんだ。このいすみ米の銀シャリおにぎりに軽く焦げ目をつけて食べるのもおすすめだよ!

磯木:じゃあ銀シャリおにぎりください! かっつぁんはおにぎり屋さんだけで生計を立てているの?

かっつぁん:マーケットでの出店がほとんどだけど、あとは自宅前店舗での販売とお米の宅配。おにぎりを握りすぎて腱鞘炎になったこともあるけど、家族も養っていかなきゃいけないしね。冷めてもふっくらおいしい「いすみ米」も知ってほしいし、田園風景も守っていきたいんだよね。おにぎりを通じてこうやってたくさんの人と出会えるのはやっぱり最高に楽しいよ。

磯木:素晴らしいですね。でも、知人がたくさん増え過ぎてわからなくなったりすることもありません?

かっつぁん:いやね、実はそうなんだよ。マーケットで話しかけられてもいまさら名前を聞くわけにいかなかったり(笑)

磯木:お察しします(笑)

宇井さん:バーベキュー用のハマグリとサザエのセットを買ってきました~。カキもおまけしてくれちゃいました!私のお気に入りのかつおサンドとさんがコロッケもぜひ!

磯木:宇井さん、さすがです!

いすみ 港の朝市 おにぎり
いすみ 魚介 

宇井さんも愛するさんがコロッケ(上)/ぷりぷり・焼き立てに宇井さんも笑顔!

芝生も広々、保育所跡地の手作り市。
「いすみライフマーケット in ちまち」

磯木:こちらもにぎわってますねえ。このマーケットは『NPO いすみライフスタイル研究所』が主催してるんですよね?

宇井さん:はい。元保育所だけあって芝生も広くて、ご近所さんや小さい子どものいるお母さんも立ち寄ってくれています。

磯木:コーヒー屋さん、パン屋さん、雑貨屋さん、子どもの迷路、マッサージと、なんでもありですね。

宇井さん:4年前のスタート後、ものづくりをする方の出店が増えて、どんどん知られてきました。

いすみライフマーケット in ちまち
いすみライフマーケット in ちまち
いすみ ちまちマーケット

「港の朝市」から車でゆっくり約20分。里山の風景を抜けると、広い緑の芝生も気持ちいい保育所跡地でのマーケットが待っている

磯木:あっ、消しゴムハンコ屋さん。お店のロゴマークもこんなにたくさん。全部消しゴムで作ってるんだ。

小畑恵さん:いらっしゃいませ~。こんにちは~。

宇井さん:いすみ市界隈では「消しゴムハンコ」といえば小畑さんのブランド『kanoco(カノコ)』さん。雑貨も作っていて、今日私が着けているブレスレットも小畑さんが作ったものです。

磯木:おお、そうだったんですか! デザインも素敵だし、プレゼントにも良さそう。ものづくりや出店はどういうきっかけで?

小畑さん:最初は自分の趣味の延長で。そのうち周りから「作って欲しい」と言われるようになって、さらにお客さんが口コミで広めてくれました。すごく地域に支えられてるなって感じてます。マーケットを主催する人がここ数年で急激に増えたのもありがたくて。

磯木:へえ~。マーケットがそんなに増えたのはなぜ? 移住者が増えたから?

小畑さん:こういう出店販売で暮らせるって気づいた人が増えて、仕事、働き方のひとつとして認知されたんでしょうね。このスタイルですごく儲けはしなくても、生活できるくらいを目指そうとみんな頑張ってます。

磯木:だからこそクオリティもどんどん上がってくるわけですね。面白いなあ。 【7/30リリース 後編に続きます】

いすみ ちまちマーケット
いすみ ちまちマーケット
いすみ  いすみ ちまちマーケット

アーティスト小畑恵さんによる、はんこのデザイン&制作、雑貨、アクセサリー制作ブランド「kanoco」の作品たち(上・中)/ピクニック気分で訪れたい(下)

【関東日帰り出会い旅 at 千葉県いすみ市】
今回出会った場所と人

港の朝市 いすみ

●港の朝市
TEL 0470-62-1191(港の朝市運営委員会)
開催日時:毎週日曜 8:00~12:00
場所:大原漁港荷捌所(千葉県いすみ市大原11574)
※JR大原駅から無料送迎バスあり

●おにぎり工房かっつぁん
千葉県いすみ市増田587-2
営業:火~金 9:00~17:00
定休日:土・日・月・祝 ※土日祝はイベント出店。イベントのない日は臨時営業のこともあり

●いすみライフマーケット in ちまち
TEL 0470-62-6730(NPOいすみライフスタイル研究所)
千町保育所跡地(千葉県いすみ市松丸2858)
開催日:毎月第2日曜
時間:10:00~15:00

●『kanoco』
はんこアーティスト小畑恵さんによる、はんこのデザイン&制作、雑貨、アクセサリー制作ブランド

磯木淳寛 いすみ


食と地域を耕す編集者/プランニングディレクター

自然と共生する価値観と地域の可能性をテーマに、雑誌媒体などに取材・執筆・企画。2013年から海と里山のある千葉県いすみ市に在住。”地域の営みを観察し未来をつくる書き手を増やす”ための合宿型ライター・イン・レジデンス「ローカルライト-地域の物語を編む4日間」を主宰し、全国で開催。

 石巻復興まちづくり情報交流館コンテンツ編集デスク。季刊自然栽培「見えないものを見る」連載中。近刊予定として『房総いすみ~生き方としての小商いを実現する町(仮題)』(2016年秋発刊予定)。

※記事は2016年7月29日(金)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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