THE TIME TRAVEL 時間旅行 Vol.001/
Editorial Haus MAGASINN(京都府京都市)【前編】

THE TIME TRAVEL 時間旅行  Vol.001 / Editorial Haus MAGASINN(京都府京都市)

【毎週火曜 6:00更新】
2016年5月「宿泊できる雑誌」がコンセプトの新空間「Editorial Haus MAGASINN」が京都にオープン。築100年を超える町家は昔の趣を残しつつも、ストアやギャラリーを兼ねたモダンな場所に! オーナー岩崎達也さん、そこにはどんな体験が待っていますか?

更新日:2016/07/26

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京都 町家 雑誌 カフェ
Editorial Haus MAGASINN   京都府京都市上京区中書町685-1 書店 本 カフェ ゲストハウス 古民家
Editorial Haus MAGASINN   京都府京都市上京区中書町685-1 書店 本 カフェ ゲストハウス 古民家

閑静な住宅街に5月28日オープン。2階建ての町家は、昔、牛乳屋さんだったそう

雑誌の世界観を 泊まって体験する

「まるで1冊の雑誌の中に体ごと飛び込んでいくような体験を提供したい」と、オーナー兼「編集長」の岩崎達也さんが作ったこの空間。2階建ての町家の一部を1日1組限定の宿泊スペースとし、その他をストア、ギャラリー、イベント会場として一般開放している。季刊誌のように年に4回特集を組み、その度に展示内容等のコンテンツを変える予定で、現在は第1号の特集「本:本を体験する」が開催中。

1960年代から現在までの時代を映す本を年代別に並べた「タイムトラベルブックシェルフ」や、村上春樹の小説に出てくる言葉をデザインしたTシャツなど、東京・駒沢の書店「SNOW SHOVELING(スノウショベリング)」とコラボレーションした本好きのための本や雑貨を展示販売。さらにコラボイベントとして、本に出てくるお酒を提供するポップアップバー「THE BOOKTENDER」や、村上春樹の小説に登場する料理、ドリンク、音楽を体験できる「村上春樹の晩餐会」も開催している。
 
また、入口右手の「袋綴」と呼ばれるギャラリーでは、キャッチコピーだけが袋に書かれ、中身は購入してからのお楽しみという「blind book」の展覧会も。

 「本」というひとつのテーマをもとに集められた面白いものや新しいものを、実際に手にとってみたり、試しに使ってみたり・・・。コンパクトなスペースの中に見所がたくさんで、泊まったら一晩中遊びふけってしまいそう。

Editorial Haus MAGASINN   京都府京都市上京区中書町685-1 書店 本 カフェ ゲストハウス 古民家
Editorial Haus MAGASINN   京都府京都市上京区中書町685-1 書店 本 カフェ ゲストハウス 古民家
Editorial Haus MAGASINN   京都府京都市上京区中書町685-1 書店 本 カフェ ゲストハウス 古民家

使い古した岩崎さんのシャツを近所に住む方が編み直して作ったのれんや、とんぼの入ったハニカム型スツールなど「編集」を想起させるものがたくさん。読書のお供には「大山崎 COFFEE ROASTERS」のコーヒーを

アイデアが生まれた 運命の一夜

 岩崎さんは2014年に東京から京都へ移住し、会社に勤めながら前身となる雑貨店「Buddy tools」を開業した。

「最初は『泊まれる雑貨店』としてリニューアルするつもりが・・・」。ところが、宿泊型アートスペース「KYOTO ART HOSTEL kumagusuku」のオーナー兼アーティストの矢津吉隆さんたちと、お酒の場で閃いたアイデアがお店のコンセプトを変えることになる。

「テーマに合わせた雑貨や本を取り扱うって、雑誌の特集に近くない? なんて話をしていたら、広告代理店に勤める友人の仕事魂に火がついちゃって。何軒も店をハシゴしながら、3人で店のコンセプトについて熱く議論しました」と矢津さん。結局、この夜に生まれた「宿泊できる雑誌」というコンセプトが採用になり、企画がぐっと奥行きを持ち始めた。

「雑誌」とは見たことないモノや面白いカルチャーを提案し、読者を新しい世界へと導いてくれるもの。空間であるMAGASINNでは、その場所に置かれた本や雑貨、居合わせた人々自体がコンテンツとなり、そこでの出会いや交流が、新たな仕事や生活を変えるきっかけを生み出していく。「雑誌」というアイデアにより、岩崎さんが実現したかった場所のイメージにより近づいていった。

Editorial Haus MAGASINN   京都府京都市上京区中書町685-1 書店 本 カフェ ゲストハウス 古民家
Editorial Haus MAGASINN   京都府京都市上京区中書町685-1 書店 本 カフェ ゲストハウス 古民家

MAGASINNができるまでの出来事をみんなで振り返る。矢津さんと岩崎さんはkumagusukuのオープニングで出会った。「熱心に突っ込んだ質問をしてくるお客さんがいて、それが岩崎さんでした」

Editorial Haus MAGASINN   京都府京都市上京区中書町685-1 書店 本 カフェ ゲストハウス 古民家

面白い人が集まって 今、この場所がある

 全体のアートディレクション担当の岸本敬子さんは、「Buddy tools」にお客さんとして訪れたことをきっかけに岩崎さんと出会う。

 「二人とも2014年前後に東京から京都に越してきたばかりだったんです」。岸本さんは、その後岩崎さんの右腕となってあらゆる企画を具現化するキーパーソンに。MAGASINN用に使っている彼女のノートには、ロゴのアイデアから、建物の細かい寸法まで、ぎっしりと書き込まれている。「壁の色も意味を込めて選んだし、色塗りも自分たちで頑張って手塗りしたよね」。

 今後について岩崎さんは「面白いものにも、面白い人にも出会える。そんな場所にしたい」と語る。海外の小さな出版社の写真集やハンドメイドの本など稀少な本を取り扱う「YUY BOOKS」の小野友資さんや、プロダクトデザイナーで自分もゲストハウスを作ろうと企画中の辻勇樹さんも、そんな「面白い人」の一員だ。小野さんはYUY BOOKSの分店をMAGASINN内に常設でオープンさせ、辻さんは海外集客のオペレーションのほか受付担当なども行う予定。

「MAGASINNは僕が好きな人と、好きなことをするための理想の場所。ここにいる人たちと一緒に、まさに今それが実現できていて、同じようにお客さんやスタッフがここで出会い、好きな人と好きなことを仕事にできる人が増えれば嬉しいです」。 【8/2リリースの後編に続きます】

Editorial Haus MAGASINN   京都府京都市上京区中書町685-1 書店 本 カフェ ゲストハウス 古民家

牛乳屋さんだった時代の冷蔵庫がギャラリー「袋綴」になっている。「子供の頃、よくこの冷蔵庫の中に入って遊んだわ」と懐かしむ近所の方も。玄関ドアには気鋭の若手アーティスト大貫茜さんによる、遊び心あふれるドアノブアートが

【今週の時間旅行 to 京都
Editorial Haus MAGASINN(エディトリアル ハウス マガザン) 】

Editorial Haus MAGASINN   京都府京都市上京区中書町685-1 書店 本 カフェ ゲストハウス 古民家


TEL 075-202-7477
京都府京都市上京区中書町685-1
IN 18:00~20:00、日曜14:00~20:00/OUT 9:00~10:00 
1泊12000円(1名1室利用時)
店舗・ギャラリー営業時間/18:00~20:00、日曜14:00~20:00
アクセス/JR二条駅より徒歩15分、京都市バス「堀川丸太町」より徒歩5分

※矢津吉隆さんのホステル
KYOTO ART HOSTEL kumagusuku(京都アートホステル クマグスク)
TEL.075–432-8168
住所/京都府京都市中京区壬生馬場町37-3
IN 16:00~22:00/OUT 8:00~11:00
アクセス/阪急大宮駅より徒歩5分

※小野友資さんのお店
YUY BOOKS(ユイブックス)
TELなし
住所/京都府京都市下京区松原通油小路東入ル天神前町327-2 いろいろデザイン内
営業時間/15:00~23:30※水曜のみ18:00~ 
火定休 
アクセス/京都市営五条駅より7分

WRITING/AI KIYABU PHOTO/EDDY OHMURA

※記事は2016年7月26日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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