1997年の開通以来、日本を代表する豪雪地帯を走り、地域をつなぐローカル線として知られる「北越急行ほくほく線」。秋は豊かな里山の田園風景や山々が車窓から望め、見ているだけでのんびり気分に。沿線地域では第8回を迎える「越後妻有 大地の芸術祭2022」を開催中。秋は電車とアートを楽しむ旅に出かけよう。
【モデルコース】里山を走る「北越急行ほくほく線」で、のんびり気分の電車×アートの旅へ
新潟の南魚沼エリアと上越エリアをつなぐローカル電車「北越急行ほくほく線」。山岳地帯を走るこの電車は、約60㎞の路線距離のうち約7割がトンネル。トンネルの出入りや田園地帯、山々が望めるなど変化に富んだ車窓がおもしろいと話題の電車。沿線で開催される「越後妻有 大地の芸術祭2022」では、里山ののどかな風景に癒されながら、古民家、廃校、公民館など集落に点在するアートスポットや作品をめぐって芸術三昧を楽しめる。今回は電車で行きやすいまつだい駅周辺と十日町駅をご紹介。電車と芸術の秋を満喫して。
新潟を巡る2Dayモデルコース
■1DAY■
8:52 東京駅から上越新幹線に乗車
10:21 越後湯沢駅着、「北越急行ほくほく線」直通の上越線に乗り換え、まつだい駅着
12:00 周辺の「山ノ家 Café & Dormitory」でランチ
13:00 アートを鑑賞しに、「まつだい「農舞台」」へ
14:30 ひと足のばして「奴奈川キャンパス」へ
17:32 まつだい駅から乗車し、十日町駅着
19:00 ゲストハウス『ハチャネ』にチェックイン
■2DAY■
10:00 十日町エリアの「絵本と木の実の美術館」でアート鑑賞
12:00 十日町エリアの「いこて」でランチ
13:00 再び十日町エリア「越後妻有里山現代美術館 MonET」でアート鑑賞
16:55 十日町駅から上越線直通の「北越急行ほくほく線」に乗車
17:28 越後湯沢駅着、上越新幹線ときに乗車
19:00 東京駅着
※北越急行ほくほく線の運行区間は六日町駅から。直通電車がない場合は、越後湯沢駅~六日町駅は上越線に乗車。六日町駅で北越急行ほくほく線に乗り換えを
■1DAY■
【10:21】 越後湯沢駅着、「北越急行ほくほく線」直通の上越線に乗り換え&芸術鑑賞スタート
南魚沼と上越の地域を走る「北越急行ほくほく線」。1997年の開通以来、日本を代表する豪雪地帯を走る鉄道は地域に欠かせない存在に。山岳地帯を走る電車は、約60㎞の路線距離のうち約7割がトンネル。トンネルの出入りを繰り返したり、視界が開けて田園風景や山々が望めたり、変化に富んだ車窓の風景が楽しい。六日町駅~まつだい駅間を運行する芸術祭列車に乗ると鑑賞できる《JIKU #013 HOKUHOKU-LINE》は、「越後妻有 大地の芸術祭2022」の作品のひとつ。車窓の風景を楽しみながらめざすのは、ローカル線では珍しい地下にホームがある美佐島駅。ひんやりとした薄暗いホームを舞台に列車からまっすぐのびる光と音響で演出されるインスタレーションは迫力満点。電車もアートも楽しもう。
北越急行ほくほく線
ほくえつきゅうこうほくほくせん
運行区間/六日町駅~犀潟駅 全12駅
所要時間と運賃/約50分、1090円(六日町駅~犀潟駅)
アクセス/東京駅から上越新幹線ときで約1時間15分、越後湯沢駅で上越線に乗り換え、約20分(六日町駅まで)
※越後湯沢駅より北越急行ほくほく線乗り入れ電車も運行問い合わせ先 ℡025-752-0770(北越急行ほくほく線十日町駅)
■越後妻有 大地の芸術祭 2022■
会期/~ 11/ 13
開催場所/新潟県十日町エリア、松代エリアほか、越後妻有地域(十日町市、津南町)
開催時間/10:00 ~ 16:00 9/30までは~ 17:00
※一部例外の作品・施設あり
定休日/火・水
※一部、土・日・祝のみ公開の作品・施設あり
観覧料/作品鑑賞パスポート4500円
※一部の作品・施設は別途料金
チケット購入方法/公式HPまたは全国のコンビニエンスストアマルチメディア端末
問い合わせ/℡025-761-7767
■北越急行ほくほく線で鑑賞できるアート■
JIKU #013 HOKUHOKU-LINE
ジク #013 ホクホク-ライン
運行日/10/1・2・8 ~ 10・15・16・22・23、11/3・5・6・12・13
※六日町駅→まつだい駅(途中、十日町駅のみ下車可)、まつだい駅→六日町駅(十日町駅からの乗車も可)を1日各2便運行
鑑賞料金/700円(作品鑑賞パスポート提示で500円) ※乗車区間の運賃別途
予約方法/北越急行ほくほく線公式HPのJIKU #013 HOKUHOKU-LINE特設ページにて要予約
※定員25名 問い合わせ先 ℡025-750-1251(北越急行 営業企画課、月~金9:00~ 18:00)
【12:00】 まつだい駅周辺の「山ノ家 Café & Dormitory」でランチ
一軒家をリノベーションした宿泊も可能なスポット。棚田玄米のサラダ仕立てと塩豆腐膳1200円などのランチには、地元の野菜がたっぷり。自家製のスイーツも揃う。
山ノ家 Café & Dormitory
やまのいえ カフェ アンド ドミトリー
問/info@yama-no-ie.jp
住所/新潟県十日町市松代3467-5
営業時間/12:00~ 18:00
定休日/不定期営業 ※営業日は公式インスタグラム参照
予約/不可
アクセス/まつだい駅より徒歩5分
【13:00】まずはまつだいエリアの「まつだい「農舞台」」で《廻転する不在》を鑑賞
廃棄されてしまう自転車と金属などを組み合わせた、大型作品の制作に励んでいる24歳のアーティスト東弘一郎。14台の自転車を用いた<廻転する不在>は、ペダルをこぐと自転車で作った車輪がぐるぐると回る楽しい仕掛けが。
まつだい「農舞台」
まつだい「のうぶたい」
℡.025-595-6180
住所/新潟県十日町市松代 3743-1
営業時間/10:00 ~ 18:00
定休日/火・水定休
入館料/1200円 ※芸術祭会期中は作品鑑賞パスポートで鑑賞可
アクセス/まつだい駅より徒歩3分
【14:30】 ひと足のばして「奴奈川キャンパス」で《世界をつなぐメールアート・プロジェクト》アート散策へ
新潟県在住の現代美術家・前山忠と、世界中のアーティストによるメールアート・プロジェクト。廃校の教室には、40カ国、400人のアーティストたちからメールで届いた〝メールアート〟が展示され、多彩な作品を鑑賞することができる。
奴奈川キャンパス
ぬなかわキャンパス
住所/新潟県十日町市室野576
営業時間/10:00~ 16:00 9/30までは~ 17:00 会期中の土・日・祝のみ公開
観覧料/500円または作品鑑賞パスポートで鑑賞可
アクセス/まつだい駅よりタクシーで約10分
【19:00】ゲストハウス『ハチャネ』にチェックイン
シングルルームもある全室個室のゲストハウス。カジュアルかつシンプルなしつらえで心地よく過ごせる。十日町産コシヒカリ1合100円(炊飯器レンタル100円)を自分で炊いて食べる朝ごはんも。
ゲストハウス『ハチャネ』
℡.025-755-5777
住所/新潟県十日町市宮下町西267-1
客室数/4
通常宿泊料金/ 1名1室素泊まり3900円~、2名1室1名素泊まり3300円~
アクセス/十日町駅より徒歩10分
■2DAY■
【10:00】十日町エリアの「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館 」で《収穫・戦争・不安》を鑑賞
廃校となった木造校舎の小学校を改修した、絵本作家・田島征三の世界観が広がる「絵本と木の実の美術館」で、この夏お披露目された新作。自身の戦争での体験と、戦火に巻き込まれるウクライナの子供たちを重ね、巨大な和紙に恐怖と不安、そして希望への思いをエネルギッシュに描いた。
鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館
えほんときのみのびじゅつかん
℡.025-752-0066
住所/新潟県十日町市真田甲2310-1
営業時間/10:00 ~ 16:00 4月下旬~ 9月 ~ 17:00
定休日/火・水休館(祝の場合翌休)、冬季休館(2022年は11/14 ~)
入館料/800円 ※芸術祭会期中は作品鑑賞パスポートで鑑賞可
アクセス/十日町駅よりタクシーで約20分
【12:00】「いこて」で地元を味わうランチでひと息
ランチの十日町おそうざい定食1300円をはじめ、米、野菜、妻有ポークなど十日町産の食材をふんだんに盛り込んだメニューが充実。地場の果物などを使用したスイーツもあるので、おやつの時間にも。
十日町産業文化発信館 いこて
℡.025-755-5595
住所/新潟県十日町市本町5-39-6
営業時間/11:00 ~ 22:00(21:00LO)
定休日/月定休※水・日のディナー休
予約/可
アクセス/十日町駅より徒歩8分
【13:00】 再び十日町エリアの「越後妻有里山現代美術館 MonET」でアート《Force》を堪能
シャープに美しく映えるこちらの作品を手がけたのは、彫刻家の名和晃平。黒いシリコーンオイルをたくさんの糸状にして、天井から床へ常に流し落とし続け、重力を視覚化している。床にはまるで闇のような黒い池が広がっている。
越後妻有里山現代美術館 MonET
えちごつまりさとやまげんだいびじゅつかんモネ
℡.025-761-7766
住所/新潟県十日町市本町6-1-71-2
営業時間/10:00 ~ 17:00 芸術祭会期中 ~ 18:00
定休日/火・水休館
入館料/常設展1000円、企画展1200円 ※芸術祭会期中1200円または作品鑑賞パスポートで鑑賞可
アクセス/十日町駅より徒歩10分
新潟県・十日町へのアクセス
東京駅から上越新幹線ときで約1時間15分、越後湯沢駅で上越線に乗り換え、約20分(六日町駅まで)、往復合計約16000円
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この記事が掲載されているのは、OZmagazine TRIP「秋の電車旅」
実に3年ぶりとなる、人気企画「電車の旅」! 2022年バージョンでお届けします。最新の観光特急のご案内をはじめ、ローカル線で行く沿線さんぽ。さらに、都内唯一の都電でめぐるトーキョーレトロガイドなど。秋の行楽シーズンにぴったりの、電車の旅をご紹介しています。
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発売日/2022年9月29日(木)
定価/800円
販売場所/全国の書店、コンビニエンスストアなどで発売中!
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PHOTO/YUKO CHIBA WRITING/MIE NAKAMURA
※OZmagazine TRIP(2022年9月29日発売)の情報を転用して掲載しています。掲載情報は、2022年9月14日時点のものです。その後、変更が生じる場合がありますのでご了承ください