ものづくりの町・京都の伝統工芸を訪ねる、クラフトさんぽ

ものづくりの町・京都の伝統工芸を訪ねる、クラフトさんぽ

更新日:2022/04/28

古きよき町並みの中に観光スポットやカフェ、雑貨店などが充実していて町歩きが楽しい京都の旅。次の旅では、ちょっと目線を変えて“クラフトさんぽ”を楽しんでみませんか? 京都は西陣織、京友禅、京漆器、京扇子、京うちわ・・・さまざまな伝統工芸が息づくものづくりの街でもあります。今回、編集部Oが見学してきた京都のクラフトフェアの様子と合わせて、GWから初夏に楽しみたい、ちょっとツウな京都クラフトさんぽもご案内

スケールアップした京都のクラフトフェアで、伝統工芸の魅力を再認識

「京都伝統産業ミュージアム」で開催されていた「新時代の工芸 POPUP SHOP」

日本最大級の工芸イベント「CRAFT POINT KYOTO」を体験

毎年春の時期に京都市内の各所で工芸イベントが開催されていることは知っていますか? 今年からは、京都府と京都市が初タッグを組んでいままでよりスケールアップ。「CRAFT POINT KYOTO」として2~3月にかけて市内各所で14ものフェアやイベントが行われました。

3月中旬に編集部のOが、京都のロケハンを兼ねてフェアへ。クラフトが好きにもかかわらず、敷居が高く、近寄りがたいと勝手に思っていた京都の伝統工芸でしたが、現代の暮らしにフィットするアイテムがたくさんあることに気づかされました。洗練されたデザインに目を奪われつつも、ストーリーを聞くと伝統工芸の技術がしっかり活かされていたり、気の遠くなるほど多くの工程を経たものであったり。見るものすべてに、歴史、伝統、技術などのストーリーが秘められた京都の伝統工芸の奥深さ、すばらしさに魅了されて、すっかり虜に。

「ホテル カンラ 京都」で行われた「DIALOGキE 2022 POPUP EXHIBITION」

今回巡ってきた会場は2つ。ひとつは、「京都伝統産業ミュージアム」。こちらの「新時代の工芸 POPUP SHOP」では京漆器、京扇子や京うちわなど、伝統工芸の25の工房のプロダクツが一堂に会しました。友禅の金彩の技術を活かした、絶妙な色合いが美しい銀箔をあしらった牛革の財布をはじめ、京漆器、京扇子など、現代の暮らしにしっくりなじむ伝統工芸の新しい形を体感。このほかに京グルメが集まった「KYOTO FOOD&CFAFT MARKET」や、職人の実演も見られた「匠エキスポ」もあって京都の伝統産業を満喫しました。

もうひとつは「ホテル カンラ 京都」で客室行われた「Kyoto Crafts Exhibition DIALOGUE」で、京都を中心に日本・アジアの工芸や手仕事のつくり手と出会える展示販売イベント。木工インテリアの客室には木屑が敷き詰められていたり、織物の客室には色とりどりの糸が飾られていたり・・・。作品の世界観が表現された38の客室で、陶芸、織物、お香などの作品を手にとり、つくり手と直接話ができたのが印象に残ります。例えば、祇園祭の鳴物などにも使われる、佐波理おりん。その音色の美しさにひきつけられるだけでなく、創業190年余り、伝統の製法にのっとって、ひとつずつ2カ月かけて手作りするお話しに心が動かされます。

200年、300年と守られてきた伝統の技、制作の背景などを知れば知るほど、後世に残していきたい、大切に使いたい、長く使いたいという思いがどんどん募ります。来年の春にも京都の工芸イベントが開催されたら、ぜひ多くの人に参加してもらいたい!

初夏の旅で楽しみたい!ツウの京都クラフトさんぽ

クラフトさんぽのスタートは「京都伝統産業ミュージアム」の常設展から

「京都伝統産業ミュージアム」は常設展と企画展が行われていて、いつ訪れても楽しいスポット。常設展では、京の歴史と技を伝える伝統産業74品目を展示。伝統工芸品の展示だけでなく、製作工程が実物や写真でわかりやすく紹介されているほか、歴史などの背景も真鍋、気軽に京都のクラフトに触れることができます。なにげなく使っていた生活用品に実は伝統工芸の技が隠されていることに驚かされます!

京都伝統産業ミュージアム

TEL.0757622670
住所/京都府京都市左京区岡崎成勝寺町9番地の1 京都市勧業館みやこめっせB1F
開館時間/9:00~17:00
定休日/なし

【MEAL】地元・那須の味覚をとことん堪能

4/23~開催!西陣で代々伝わる帯図案の特別企画展を鑑賞

GWから初夏にかけて企画展やイベントも続々開催されるので要チェックです。2022/4/23~7/18の期間には、特別企画展「MILESTONES-余白の図案」が開催される。ここでは、京都・西陣で元禄年間(1688年)に創業した細尾が保存する2万点もの帯図案に広がる「余白」のデザインに着目。西陣織の最初の工程である図案の下書き。未着彩のこの下書きを、図案家が残したクリエイションの「余白」と捉え、今回は独自の解釈で着彩してインスタレーションとして初公開。細尾に代々受け継がれてきた手書きの帯図案と現代デザインの融合による新しいクリエイションは、一見の価値あり!

「MILESTONES-余白の図案」

開催期間/2022/4/23~7/18※4/25、5/30、6/27休館
開催時間/9:00~17:00(入館は16:30まで)
会場/京都伝統産業ミュージアム 企画展示室
料金/800円(18歳以下無料)、学生500円

4/23~5/1には京都の作家ものの珈琲カップ&マグの展示即売会も

京都の陶芸作家による珈琲カップ&マグが勢揃いする展示即売会「珈琲とうつわ 2nd」。今回は陶仙窯、洸春窯、蘇嶐窯、浅井睦子、巖田建、田辺 桂+タナカ製陶など28人の陶芸作家が参加して珈琲カップやマグカップなどの作品が登場する。土・日・祝のみ、地元で人気の羅工房・天御八や村上開新堂の焼菓子や珈琲の販売も。

珈琲とうつわ 2nd

開催期間/2022/4/23~5/1※4/25休館
開催時間/9:00~17:00(最終日は16:00まで)
会場/京都伝統産業ミュージアム
入場無料

ワクワクが待っている!京都の街中の工芸スポットへ

常設展、企画展を鑑賞したあとは、館内で配布している「京都工芸地図」を手に入れよう。「西陣」「清水~泉涌寺」「御所まわり」「下京」の4エリア別に、工芸品を扱うショップやギャラリー、制作体験や工房などの工芸スポットをマッピング。この地図を片手に、京都の街をのんびり歩いて工芸の魅力を満喫して、京都の魅力を再発見。また工房見学や体験などの相談にのってくれる「京都工房コンシェルジュ」もあるので併せて活用を。

これから新緑が美しい京都で、ちょっとツウなクラフトさんぽを楽しんで、新しい京都に出会ってみて!

※記事は2022年4月28日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります