【ひとり旅モデルコース】風情ある城下町を歩く。歴史薫る小田原を訪ねるカメラさんぽ_神奈川県小田原市

【ひとり旅モデルコース】風情ある城下町を歩く。歴史薫る小田原を訪ねるカメラさんぽ_神奈川県小田原市

更新日:2021/10/07

相模湾の美景に誘われ、優れた文化が生まれ続けてきた神奈川県・小田原市。名建築や工芸品、話題のスポット、アート作品など、海景色に溶け合う新旧の文化に触れ合うことで、城下町の魅力を再発見して。小田原駅周辺の名スポットと、町を効率よくめぐれるモデルコースを参考に、小田原の町歩きを満喫しよう。

オズモール、小田原

【モデルコース】別荘地としても愛された城下町の新旧を訪ねて

古くは小田原城の城下町として、東海道の宿場町として栄えた小田原。温暖で風光明媚なことから政財界人・文化人の別荘も多く、今もその姿をとどめている。この地で生まれた文学や童謡、伝統工芸といった文化に親しんだら、高台からの海をシャッターに収めたり、海辺で波とたわむれて。一方、駅周辺を中心に新スポットも続々お目見え。歴史ある町に吹く新たな風を探しに行こう。

海辺の城下町・小田原を巡る1Dayモデルコース

08:27 東京駅発
09:00 小田原駅着。「ぐるりん小田原 小田原駅東口駐車場(UMECO)」で自転車をレンタル
09:10「小田原城」を散策
10:30「OTA MOKKO」でお買い物
11:00「清閑邸」でひと休み
12:00「だるま料理店」でランチ
13:00「そろりとODAWARA」で香り袋を制作
14:00「箱根口ガレージ 報徳広場」でお茶とお買い物
15:00「白秋童謡館」を見学
15:40「御幸の浜」をおさんぽ
16:39 小田原駅発
17:12 東京駅着

上/3重4層の天守櫓に付櫓、渡櫓の付いた複合式天守閣を持つ小田原城 左下/小田原城址公園内のこども遊園地では豆汽車(2周80円)がのんびり走る 右下/天守閣最上階の展望デッキからは、東に三浦半島、西に箱根、南に伊豆半島、北に丹沢と360度を一望できる

【09:10】天守閣最上階からは絶景が。「小田原城」から散策スタート

15世紀中頃の築城といわれ、約100年にわたり北条五代の拠点となった。最盛期には総延長9kmに及ぶ総構を築き日本最大級の城郭に。本丸・二の丸一帯は城址公園として整備され、天守閣近くにはこども遊園地も。

小田原城

おだわらじょう
TEL.0465-22-3818
住所/神奈川県小田原市城内6-1 
営業時間/天守閣9:00~17:00(16:30最終入城)こども遊園地~16:30(最終改札)
定休日/12月第2水(館内整理のため)、こども遊園地は第2火定休ほか
入城料/天守閣510円(こども遊園地は入園無料)
アクセス/小田原駅より徒歩10分

上/工房に併設されるショップでは、ボタンやブローチといった普段使いのものから、道具箱、ミラーといったインテリアまで多彩なアイテムが揃う 左下/多種類の中から、配色を考えながら木を寄せる作業 右下/結婚21周年を迎えた奥様とともに角材に筋を入れる太田憲さん。仲よし夫婦の共同作業は息もピッタリ

【10:30】寄木細工の世界が広がる。「OTA MOKKO」でお買い物

築80年の元製麺所の建物で創作活動に励む太田憲さん。唯一無二の作風が人々を惹きつけ、約40種の国産天然木の無垢材を用いた色合わせは、レトロ、ポップと多彩な表情を見せる。毎年出る新柄も楽しみ。

OTA MOKKO

オオタ モッコウ
TEL.0465-22-1778
住所/神奈川県小田原市板橋597
営業時間/10:30~16:00(所用により留守の場合あり)
定休日/不定休
アクセス/小田原駅より徒歩25分、または箱根板橋駅より徒歩8分 

上/日本庭園を眺めるティールーム 左下/小田原「KENTOS COFFEE」の焙煎による、清閑亭ブレンドコーヒー500円(オリジナルクッキー付き) 右下/2Fの座敷からは小田原市街と相模湾を一望。風が抜けて心地いい空間

【11:00】見晴らしのよい高台の邸園。「清閑亭」でひと息ついて

明治39(1906)年、黒田長成侯爵の別邸として小田原城三の丸土塁の一角、天神山丘陵に建築。数寄屋造りの建物内は板絵襖や網代天井など見どころが多く、真鶴半島や大島の浮かぶ相模湾や箱根山の眺めが素晴らしい。

清閑亭

せいかんてい
TEL.0465-22-2834
定休日/神奈川県小田原市南町1-5-73
営業時間/10:00~16:00(15:30LO) 
定休日/火(祝の場合開館)
料金/入館無料
アクセス/小田原駅より徒歩15分

上/達磨A2420円は天丼とお刺身がセットで女性に人気。ほかに吸い物と香の物が付く 左下/唐破風
入母屋造りの建物は国の有形文化財に登録される 中下/食堂は格天井で雲のような意匠が寺社建築を思わせる 右下/網代編みを施した壁や障子、欄間の意匠など店内にも見どころが多い

【12:30】名建築で受け継がれる味を。「だるま料理店」でランチ

豪壮な外観が目を引く日本料理店。明治26(1893)年に網元が創業、2代目が再建した建物は国産の檜、欅、松を贅沢に使い、精巧な装飾にも圧倒される。地あじ寿司や特注ごま油で香りよく揚げる天丼が名物。

だるま料理店

だるまりょうりてん 
TEL.0465-22-4128
住所/神奈川県小田原市本町2-1-30
営業時間/11:00~21:00(20:00LO) 
定休日/無休
予約/食堂は15:00~予約可
アクセス/小田原駅より徒歩7分 

上/店内では店主が全国から集めたガラスやブローチ、豆皿など、“手のひらにのる手作りの小さなもの”を販売している 左下/気に入った柄を選べる香り袋づくり。体験後はお茶とお菓子セットで一服を 右下/香り袋に入れる天然香料は約8種からチョイス。好きな組み合わせで計8杯入れられる

【13:00】小田原みやげを自分の手で。「そろりとODAWARA」で匂い袋作り

観光途中に気軽に体験できるひと味違ったワークショップを用意。好みの香り袋に好みの香料を入れる香り袋づくり(約30分)や、素焼きの器に青の呉須で下絵を施す染付け豆皿づくり(約1時間)で旅の思い出作りを。

そろりとODAWARA

そろりとオダワラ
TEL.090-4055-1543
住所/神奈川県小田原市本町4-1-21本町ビル1A
営業時間/11:00~18:00
定休日/不定休
予約/可(要予約)
体験料/香り袋づくり2750円、染付け豆皿づくり4300円(送料別)ほか
アクセス/小田原駅より徒歩12分 

上/昭和10~31(1935~56)年に市内を走った路面電車・モハ202号が目印。再現されたツートンカラーが際立つ 左下/生花・ドライフラワーを販売する「報徳会館デザインスタジオ FLOWER&GARDENS」。天井のディスプレイから好みの花でアレンジもOK 右下/「パティスリー ヒンナ」のケーキセット1078円(写真は地場産のレモンタルト)。イートインならエディブルフラワーをデコレーション 

【14:00】旧東海道筋に新名所が誕生!「箱根口ガレージ 報徳広場」でお茶とお買い物

今年3月、老舗店が立ち並ぶ通り沿いに緑濃い広場がお目見え。路面電車展示の隣に、地場食材を使うグリル料理のレストラン、小田原の柑橘や北海道牛乳を活かしたパティスリーとフラワーショップが揃う。

箱根口ガレージ 報徳広場

はこねぐちガレージ ほうとくひろば
TEL.0465-23-2881
住所/神奈川県小田原市南町2-1-60
営業時間/10:00〜17:00
定休日/不定休 
アクセス/小田原駅より徒歩16分

上・左下・右下/数寄屋風書院の「白秋童謡館」。白秋が伝肇寺内に建てた「木兎の家」のミニチュアや児童雑誌『赤い鳥』を展示している

【15:00】懐かしい白秋童謡に浸る。「白秋童謡館」を見学

小田原文学館とともに田中光顕の別邸。大正13(1924)年築の純和風建築で、こちらも国登録有形文化財。小田原在住中の15年間における北原白秋の童謡創作などを紹介。小田原の風景や暮らしを映した作品に注目を。

白秋童謡館

はくしゅうどうようかん
TEL.0465-22-9881
住所/神奈川県小田原市南町2-3-4
営業時間/10:00~17:00(16:30最終入館) 11~2月~16:30(16:00最終入館) ※特別展開催時など変更あり
定休日/月(祝の場合翌平日休)
入館料/250円(小田原文学館と共通)
アクセス/小田原駅より徒歩15分 

晴れた日には伊豆半島や三浦半島、房総半島も見渡せる

【15:40】静かで風光明媚な浜辺を歩く。「御幸の浜」でおさんぽ

明治6(1873)年、明治天皇と皇后がお揃いで漁夫の地引き網をご覧になったことからこの名が付いた由緒ある海岸。小田原駅から徒歩圏なのでふらっと海辺をお散歩できる。夏は海水浴客でにぎわう。

御幸の浜

みゆきのはま
住所/神奈川県小田原市本町3-16
散策自由
アクセス/小田原駅より徒歩20分 

一緒に訪れたい!小田原の立ち寄りスポット

海へ延びる陽光の道と作品が溶け合って

近代以前の人口密度を体感してほしいと、入場人数を限定し、見学は日時指定事前予約の入れ替え制。4年前のオープン以来絶えず進化を遂げ、現在51作品が配されている。今年秋には、カフェ「STONE AGE CAFE」がオープン予定。隣接する農地で農薬を使わずに栽培された、柑橘類を使ったドリンクやフードが提供される。

小田原文化財団 江之浦測候所

えのうらそっこうじょ
TEL.0465-42-9170
住所/神奈川県小田原市江之浦362-1
営業時間/午前の部10:00~13:00(12:15最終入館) 午後の部13:30~16:30(15:45最終入館)
定休日/火・水(祝の場合開館)、臨時休館日あり
入館料/3300円(インターネットで事前購入)
アクセス/根府川駅より無料送迎バスで約10分

小田原ゆかりの文学をたどる

昭和12(1937)年に建てられた政治家・田中光顕の別邸。緑の芝生庭園に映えるスペイン風洋館で国登録有形文化財。北村透谷や谷崎潤一郎など小田原にゆかりのある文学者の自筆原稿や書簡などが展示されている。

小田原文学館

おだわらぶんがくかん
TEL.0465-22-9881
住所/神奈川県小田原市南町2-3-4
営業時間/10:00~17:00(16:30最終入館) 11~2月 ~16:30(16:00最終入館) ※特別展開催時など変更あり
定休日/月(祝の場合翌平日休)
入館料/250円(白秋童謡館と共通)
アクセス/小田原駅より徒歩15分


神奈川県・小田原市へのアクセスとめぐり方のヒント

■東京駅よりJR東海道新幹線こだまで小田原駅まで約35分、片道約3800円

江之浦測候所と小田原市内を1日でめぐるなら、江之浦測候所の見学時間帯に合わせて市内観光の計画を。小田原駅へは送迎バスと東海道本線でアクセス。レンタサイクル利用の際は返却時間に注意。駅東口なら16:30までに必ず返却を済ませ、その後は徒歩で観光を続けよう

OZmallからのお願い

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PHOTO/MICHI MURAKAMI, YUCO CHIBA, KYOKA MUNEMURA WRITING/NORIKO SHIOTA
※OZmagazine TRIP(2021年9月15日発売)の情報を転用して掲載しています。掲載情報は、2021年8月31日時点のものです。その後、変更が生じる場合がありますのでご了承ください

※記事は2021年10月7日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります