OZmagazine TRIPで好評連載中の「さて、おやつにしますか」は、文筆家・甲斐みのりさんが教える、旅の目的になるおやつの話。第9回目は和歌山県・田辺市にある「ララロカレ」で販売中の「パンダのパン」をご紹介します。
右上・左下/パンダのパン1個150円(ララロカレ) 左上/パンダのパン パン皿1485円(ロル) 右下/バニラカフェのパンダのパン おともだち珈琲5袋入り1100円(ロル)
昭和のパンダブームの頃に誕生したパンを復刻
観光やまち作りのお手伝いで、長年通う和歌山県田辺市。市街地から世界文化遺産に登録されている熊野古道や熊野本宮大社へ向かう途中で見つけたのが「ノギ製パン所」。しばらく前に廃業してからもロゴマークは残されたままで、ガラス扉には「パンダのパン」の文字と、にっこり笑うパンダの絵。近所の方の話では、日本中がパンダブームに沸いた昭和の頃、当時の町長さんが山間部に初めてできたパン屋の愛称に「パンダのパン」と名付け、パンダの絵まで描いたそう。
地域の学校給食でも親しまれ、地元の子どもたちが朝食やおやつに大喜びで食べた「パンダのパン」。大好きなまち・田辺の記憶を復刻したいと思いたち、許可を得て、ベーカリーカフェ「ララロカレ」、自家焙煎コーヒー専門店「バニラカフェ」、私が運営する雑貨ブランド「ロル」の3者でタッグを組んで、新たな田辺みやげがついに完成。パンはパンダの配色をイメージして白と黒のねじりパンに。
次回の田辺への旅のあと、パンとドリップバッグコーヒーをおみやげに持ち帰り、翌日のおやつの時間に味わうのが今から楽しみ。
取材・文/甲斐みのり 撮影/鍵岡龍門
PROFILE
甲斐みのり(かい・みのり)
文筆家。旅や散歩、お菓子や地元パン、クラシック建築やホテル、雑貨屋や暮らしなどを主な題材に、書籍や雑誌に執筆。各地の観光パンフレットも手がける。著書は『地元パン手帖』『お菓子の包み紙』『アイスの旅』(ともにグラフィック社)など40冊以上。
この記事が掲載されているのは、OZmagazine TRIP「島への旅」
島の日常は、私たちにとっての非日常。普段の生活ではなかなか出会えない景色や食文化、島でしかできない体験、ゆっくりとした時間の流れに、心と体が解放されていきます。今号のオズマガジントリップでは、そんな島旅の魅力を紹介しています。
発売日/2020年7月7日(火)
定価/700円
販売場所/全国の書店、コンビニエンスストアなど
※OZmagazine TRIP(2020年7月7日発売)の情報を転用して掲載しています。掲載情報は、2020年7月7日時点のものです。その後、変更が生じる場合がありますのでご了承ください