OZ発、プチトリップ

雄大な山にあるのはハートの池!神秘的な星降る神津島へ

更新日:2017/11/17

日々ロケハンに出かけたり、個人的に旅をしたりしているOZの編集部にとっては、毎日が新しい発見や出会いに満ちた小さな旅。ページには載らない裏話やエピソードをお届け。今回は、編集Kが伊豆七島の星降る神津島へとお出かけ。雄大な天上山にあるというハートの池を探しにトレッキングをしてきました。

高速ジェット船「セブンアイランド大漁」は水中翼で海面を浮き上がって走行するので、ほとんど揺れず船酔いの心配もありません

竹芝桟橋からジェット船に乗って神津島へ

とある平日の朝、いつもの通勤時間より早く電車に乗り込み、東京・竹芝桟橋へと向かいました。趣味のダイビングで伊豆諸島へよく行っていたものの、最近は行けていなかったので久しぶりの船旅。竹芝桟橋に降り立つと潮の香りがして、思わず深呼吸。船旅って電車とも飛行機とも違う、冒険に出るような気分になるのは私だけでしょうか? わくわくする気持ちを抑えて、朝8時30分発のジェット船に乗り込みます。目指すは今回の旅の目的地、神津島です。

<神津島へのアクセス>

東京・竹芝桟橋より高速ジェット船で約3時間45分(9260円)、大型客船で約12時間(6010円~)。料金や運航スケジュールは季節によって異なる。調布飛行場より小型飛行機で約45分(15300円・1日3便)でも行ける。

天王山に降った雨が湧き出し、多幸湾へと注ぐ多幸湧水。飲みやすい口当たりで、こちらで給水してからトレッキングへ向かうのがおすすめ

水に恵まれた島、神津島に到着

高速ジェット船で大島・利島・新島・式根島と経由すること3時間45分、うたた寝をしていたらあっという間に神津島・多幸港に到着しました。

到着してすぐに向かったのは多幸港にある多幸湧水。「東京の名湧水57選」に選ばれた湧水で、こちらに来れば湧水を誰でも自由に汲むことができます。私も持っていたボトルに湧水をたっぷり汲みました。ほどよく冷たい湧水が喉を潤してくれます。次に待ち構えている天王山トレッキングに備えて水の備えも準備万端。

(左)ハート型の不動池。入り口には鳥居が建っていて中央には龍神が祀られています (右上)天上山の頂上 (右中央)天上山頂上を目指す途中 (右下)天上山ガイドの前田正代さん

見られたらラッキー!ハート型の“不動池”を目指して天上山へ

水をくみ終えた後は、島の中央にある天上山(標高572m)トレッキングに挑戦。今回は白島6合目までバスで移動し、そこからスタートし頂上を目指すちょっぴりラクチンコース(往復約3時間行程)。神津島のことならなんでも教えてくれるため“神”との愛称でみんなに親しまれている天上山ガイドの前田正代さんに案内していただきながら木の棒を片手に頂上を目指します。

自分の背より少し高い木々の中をくぐり抜けながら30分ほど登ると、一面に視界がひらけ、神津港を一望できます。太陽光が海面に降り注ぎ、絵画を見ているような幻想的な光景が広がり、少しの間立ち尽くしてしまいました。気温のほうは少し下がってきてひんやり。

山頂付近は周遊できるようになっていて、オオシマツツジ(花は5月が見頃)の群生を横目に歩き進めます。見晴らしの良い高台に登り、前田さんの指差す方向を見てみるとそこにはきれいなハート型の不動池が!(横向きですが・・・) こちらは雨水が貯まってできるので、運が良いと見ることができると聞いて、気分はさらに上がります。また、この日はあいにく曇ってきてしまって見えませんでしたが、すぐ近くの「天空の丘」からは本州の島々や伊豆諸島、天気が良ければ富士山まで一望できるのだそうです。

最後に頂上へと向かい、記念写真をパチリ。しばらく頂上からの絶景を楽しみました。
山登り経験がほとんどない私でも問題なく登頂できて、じんわり汗もかいていい運動になりました。でも下りが脚に来たようでちょっぴり筋肉痛に・・・。

自家醸造クラフトビール各種は700円

「Hyuga Brewery」で地ビールで乾杯

トレッキング後は「温泉保養センター」で汗を流して、冷えた体もじんわりぽかぽかに。

夜は2017年3月にできたばかりの神津島初のクラフトビールが飲めるお店「Hyuga Brewry」へ。7月に完成したばかりの地ビール「Angie(700円)」は島のおいしい湧水と麦と明日葉で作られていて、苦味はなく喉越しもバツグン。ペペロン枝豆(450円)や明日葉ピッツァ(900円)も絶品でした。神津島名産の麦焼酎「盛若」も飲めます。ぜひまた再訪したいお店です。神津島の夜はここで決まりですね。

私が行った日は少し雲があったのでこちらは別の日の写真。満天の星を楽しめます

夕食後はガイドさんと星空観察へ

一日の最後はガイドさんと一緒に星空観察へ。神津島はプラネタリウムのような星空が360度見渡せると有名な島。夕食後の散策気分で夜道を歩き、街灯のない観測スポット「よたね広場」までは徒歩15分ほど。レジャーシートを持っていき、寝転びながら観察。この日はあいにくのお天気で雲があったのであきらめ半分でしたが、しばらくすると雲が流れ、隙間から数多の星がキラキラと輝いているのが見えてきました。30分ほど眺めていると「キラッ」と流れ星が! 願い事はかけられませんでしたが、幸せな気持ちでいっぱいになりました。しぶんぎ流星群(1月)、ペルセウス流星群(8月)、ふたご座流星群(12月)の3大流星群のときにまた来てみたいです。

左右比較してみると一目瞭然! 右側がつやつやに光っている明日葉

翌朝は明日葉摘み体験へ

次の日は曇りであいにくのお天気でしたが、特別に伊豆諸島名産の明日葉摘みを体験。明日葉は島に自生していて、栄養素がとても高く、天ぷらやおひたしにして食べると苦味もなくおいしいんです。食べたことはありましたが、摘むのは初体験。

自生している明日葉は島の人しか摘むことができないので、今回は栽培した明日葉を摘ませてもらいました。明日葉をじーっと観察してみると、明日葉の葉がくすんでいるものと、つやつやに光っているものが。つやつやに光っているものが柔らかくおいしいとのことでこちらを探しながら摘みました。

摘んだ葉をビニール袋に入れていくと、茎から蛍光イエローの液が出てきてビックリ。明日葉を煮出して染め物も作れるとのことで、その鮮やかな色に納得。摘んだ明日葉はお土産に持って帰りました。

(左上)煮た桑の枝に縦に切れ込みを入れます (左中央)表皮を削ります (左下)すいた後、網の上で乾燥させます(右)繊維をたくさん作り、多幸湧水に溶いて紙すき体験

桑の木と多幸湧水を使った紙すき体験

次は神津島の資源を使った紙すきを体験。神津島はかつて養蚕業が盛んでしたが、現在は養蚕業はなくなり、利用されずに残っていた資源である桑の木を活用しようと始まったのだそうです。

まずはお湯で煮た桑の枝に切り込みを入れ、手で握り軽くひねるとツルッとむけます。その後、向いた皮を皮すきという道具を使って茶色の表皮を削ります。最後に丸棒でたたき、繊維を細かくしていきます。最後に繊維を水に溶いて紙すきをして出来上がり!

今回は料理番組のように各工程を部分的に体験させてもらいましたが、神津島の桑の木を使い、味のあるとても素敵な和紙が出来てとても充実した体験でした。

神津島に来たら必食!金目鯛の煮付け定食

最後に「よっちゃーれセンター」2階の海鮮料理レストランでランチです。神津島に来たら必食の金目鯛の煮付け定食(1000円)を食べました。あまじょっぱい味付けで金目鯛の身が柔らかく甘く、とてもおいしかったです。そして1匹まるごとの贅沢な煮付けが1000円とは驚きの値段! 漬丼定食やお魚カレーも人気だそうなので次はこちらを試してみようと思います。

楽しかった島旅もあっという間に終わり。
船に乗り込み島の方を振り返ると、島の方々が見送りにきてくれていてとても嬉しい気持ちに。小さくなっても手を振って見送ってくれるその姿に私も手を振り続けました。船旅っていいなぁと改めて実感。またゆっくり船旅に出たいと思います。

WRITING/KEI MITSUI(OZmall)

※記事は2017年11月17日(金)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります