日々ロケハンに出かけたり、個人的に旅をしたりしているOZの編集部にとっては、毎日が新しい発見や出会いに満ちた小さな旅。ページには載らない裏話やエピソードをお届け。今回は、編集Kが1泊2日で愛媛県を満喫する旅へと出かけてきました。
まずは国指定重要文化財の道後温泉本館へ
東京・羽田空港から愛媛・松山空港まではわずか飛行機で約1時間半、空港から車で移動すること30分、あっという間に道後温泉本館に到着しました。3000年もの歴史があると言われる道後温泉。3階建ての現在ある本館は今年で改築120年を迎えた趣ある木造建築。温泉に訪れた観光客たちや地元のおばあちゃんたちで終始賑わいを見せていました。私自身、初めての道後温泉だったのでまずは本館で入浴! 「神の湯」入浴コース(410円)の代金を入り口で支払い、そのまま脱衣所へ。中へ入ると、石造りの浴室に砥部焼の陶板画が描かれており、独特な雰囲気。アルカリ性単純泉でやさしい滑らかな湯質で、42度ほどで熱めのお湯が好きな人にはぴったり。毎日通う常連のおばあちゃんたちの世間話を聞きながら、芯からぽかぽかになりました。
湯上がりに道後温泉ビールで一杯
温泉から上がって外に出ると、道後温泉本館のすぐとなりに道後ビールのお店「道後麦酒館」を発見! 温泉に入ってちょうどのどが渇いていたのでたまらず駆け込みの一杯。道後ビールケルシュタイプ、通称「坊ちゃんビール」(500円)を注文。のど越しがキリッとしていてさっぱりした飲み口のビールでした。ほかにも道後ビールは3種あるので今度来たらほかのタイプも頼んでみようと思います。
新たな湯屋、道後温泉「飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)」がオープン!
続いて、今回の旅のメインでもある新たな湯屋、道後温泉「飛鳥乃湯泉」へ。こちらは2017年9月26日(火)にオープンしたばかり。こちらは飛鳥時代の建築様式を取り入れ、源泉かけ流しの湯が楽しめます。エントランスをくぐると、和釘を使って描かれた巨大な湯玉(道後のシンボルマークで湧き上がる湯の玉を表したもの)の装飾壁に目を奪われます。和釘は、奈良の世界遺産薬師寺の再建にも使われたものだとか。和釘のほかにも飛鳥乃湯泉では愛媛の伝統工芸が随所に散りばめられていて1つひとつじっくりと眺めてしまいます。
休憩室の個室5部屋(1人1650円)はそれぞれ伝統工芸品が飾られており、思わず写真に撮りたくなる美しさ。写真は今治タオル「五彩織」で描かれた松山の市花「椿」。ほかにも伊予水引で描かれた「白鷺」、筒描染(つつがきぞめ)で描かれた玉の石の伝説、桜井漆器で描かれた「天皇の行幸」、西条だんじり彫刻で再現された「伊予の湯桁」と特別室の空間には伝統工芸の魅力が詰まっています。
いよいよ1階の浴室へ。浴室は本館と同じく砥部焼の陶板壁画で男子浴室は山部赤人(やまべのあかひと)の和歌をテーマに伊予の高峰・霊峰石鎚山をモチーフに描かれ、女子浴室は額田王(ぬかたのおおきみ)の和歌をテーマに瀬戸内海をモチーフに描かれていました。どちらも湯に浸かりながら歌の世界観を楽しめます。そしてこちらの大浴場、1時間に1度、なんと砥部焼の陶板風景にプロジェクションマッピングが上映されるというから驚き! だんだんと日がのぼり・・・。
次の瞬間には山々の緑が青々と変化していき、鳥が飛び、雨が降ったりと情景が移り変わり、目を奪われます(写真は男子浴室)。このプロジェクションマッピングは必見! 大自然が刻一刻と変化していく様子は圧巻で、お風呂に浸かりながら映画を見ているようでした。
道後オンセナート2018の展示アートを発見
飛鳥乃湯泉を出て、温泉街を巡っていると「道後オンセナート2018」の公開作品を発見! まず目に飛び込んできたのは道後温泉本館近くに立ちはだかるクマ(三沢厚彦さん「Animal 2017-01-B2(クマ)」)。道後温泉街には「坊っちゃんたち」というテーマで地元の中学生を撮った梅佳代さんの作品が並び、道後男子の笑顔が見られました。街歩きもアートも同時に楽しめて心躍ります。今後は少しずつアートが増えていき、約20名のアーティストの作品が温泉街を彩り、2018年4月14日(土)にグランドオープンを迎えるとのこと! グランドオープンしてさらに賑やかになった道後温泉にまた訪れたいと思います。
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