地方色が豊かなお正月の食卓。長野県では、縁起物の干し柿や旬を迎える栄養たっぷりの豆、甘みと粘り気のあるお餅などが食べられている。その特徴やいわれ、地元での味わい方を、銀座にあるアンテナショップ「銀座NAGANO」のスタッフ、井東さんに聞きました。
福を“かき”集める!?500年続く「市田柿」は地元の縁起物
「こたつに市田柿。それが長野の正月の食卓の風景です」と井東さん。市田柿とは、南信州と呼ばれる飯田・下伊那地域で500年以上も前から栽培されてきた渋柿のこと。南信州では古くから市田柿を正月に食べる風習があり、「福を“かき”集める」「食べた市田柿の種は多い方が縁起がいい」などのいわれがあって、縁起物として親しまれてきた。
11月から収穫が始まり1カ月半ほどかけて乾燥させる市田柿は、オレンジ色の小ぶりな果肉と糖分が結晶としてにじみ出た表面の白い粉が特徴。地元では自家製干し柿を作る家庭も多いけれど、もっちりとした食感と上品な甘さと、福を求めて、お正月にはみなこの高級品の市田柿を用意するそう。
健康長寿県が誇る特産品。栄養たっぷりの豆で作る旬のレシピ
冬に旬を迎える「鞍掛豆(くらかけまめ)」は、小海町をはじめ戸隠など県内全域で作られる特産品で青大豆の一種。馬の背に鞍をかけた模様に見えることから鞍掛豆と呼ばれており、ビタミンB6や食物繊維が豊富で健康食材としても注目されている。
「枝豆のような歯応えで、一度食べるとやみつきになります。醤油やみりん、出汁などで味付けしてひたし豆にし、野沢菜に並ぶお茶請けとしてお正月中はずっとテーブルの上に乗っていますね」(井東さん)。地域によっては、数の子と一緒に三杯酢で和えておせち料理の一品にするところも。銀座NAGANOでは生の豆だけでなく、調理済のすぐに食べられる「ひたし豆」(432円)も販売しているので、気軽に味わって。
幻の古代米を使用!長く伸びる希少なお餅でお雑煮は決まり
お正月に欠かせないお餅について、「長野では、お雑煮やおしるこに角餅を入れます。飽きてくると、クルミをすって味噌を合わせたタレに付けて食べるクルミ餅にすることも。硬くなってしまったら、ひと口大にしたお餅を揚げて砂糖醤油につけ、おかきにします」と井東さん。
今年のお正月は希少な「白毛餅」(540円)をいただくのがおすすめ。白毛餅は、長野県下一の米どころである上伊那地域のみで受け継がれ、絶滅しかけた古代米「白毛もち米」が近年復活し、お餅になって登場したもの。県外に出回ることのない幻の古代米を使った、粘りやきめの細かさ、甘みに特徴のあるおいしいお餅は、20センチ以上も伸びるのだとか。
「銀座NAGANO」では、縁起物や旬の特産品、希少なお餅までずらりとラインナップ。長野の食材を食べて、健康を願う年明けを迎えてみては?
銀座NAGANO(銀座)
信州で親しまれる多彩な食や新鮮な青果、ワイン、工芸品などが揃う、長野県のアンテナショップ。さらには食にまつわるイベントも多く開催されるほか、観光や移住に関する情報の入手も可能。
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PHOTO/NORIKO YONEYAMA WRITING/NOZOMI SUZUKI