年末年始にいただく料理は、地方の特色が豊かに出るもの。島根県では、年越しそばには日本三大そばのひとつである出雲そばを食べ、お正月にはあご野焼や岩のり雑煮を味わうそう。その特徴やお正月ならではのいわれなどを、日本橋にあるアンテナショップ「にほんばし島根館」のスタッフ、児玉さんに聞きました。
食べ方は2種。日本三大そばのひとつ「出雲そば」で年越し
島根の人々が年越しそばとして食べるのは、日本三大そばのひとつである「出雲そば」。そばの実を皮ごと製粉するため色が濃く、香りの高さとコシの強さが特徴。
独特の食べ方が2種類あり、通常はそばつゆにつけて食べるのが一般だけれど、出雲そばはつゆ自体をそばにかけて食べるのだそう。こちらは「割子(わりご)そば」というもので、丸い朱の器に盛りつけられたそばを椀に入れ、薬味をのせて辛口のつゆをかけていただくもの。もう一方の「釜揚げそば」は、茹でたそばと茹で汁を一緒に丼に盛り、濃い目のつゆを注いで食べるのだとか。そばだけでなく、食べ方にもこだわってみるのもおすすめ。
あごが落ちるほどおいしい!おせち料理に欠かせない「あご野焼」
島根県東部では、おせちの一品として「あご野焼」をお重に入れるのが一般的。あご野焼は、初夏に山陰沖を北上する脂ののった鮮度のいい飛魚のすり身を主原料に、魚醤や地酒などで味付けをし、焼き上げたもの。そもそも「あご」とは飛魚のことを指し、「あごが落ちるほどうまい」ことから、山陰地方ではそう呼ばれ、高級魚として重宝されているそう。地伝酒という醸造酒を使うことで、臭みを取りまろやかに仕上げている。
「関東でおせちに紅白のかまぼこを入れるのと同じ感覚ですね。通年で食べられていますが、高級品なのでお正月のおせちの一品にもなります。あご野焼は、ワサビ醤油で食べるのがイチオシです」(児玉さん)
島根東部の希少な生岩のり「かもじのり」で作るお雑煮
東西に長い島根県では、西部の黒豆雑煮や中部のはまぐり雑煮、錦糸卵雑煮など6種類以上が存在。松江より東部では、島根県特産高級岩のりである「かもじのり」を使った岩のり雑煮がよく食べられている。昆布とかつおぶしでとったすまし汁に丸餅、セリを添えた一品で、お酒で戻したかもじのりを入れると特有のしゃきしゃき感と芳醇な香りが格別。
かもじのりは「正月の雑煮に入れて食べれば、その年の邪気を払い、難病を逃れられる」といういわれもあり、古来より「十六島海苔(うっぷるいのり)」の名でも知られている。収穫時期は12月から1月に限られ、出雲市の北端、日本海に突き出す岬周辺の足場の悪い岩場で、一枚一枚手で摘み取られているため、非常に貴重な生のり。1年の始まりにぜひ取り入れたいご当地グルメのひとつだ。
日本三大そばや地元に愛されるあご野焼、希少な天然岩のりなど、島根の豊かな恵みを味わい、年末年始を満喫しよう。
100袋限定!日本海の恵みを味わえる、干物の福袋を販売
- 開催場所
- にほんばし島根館
- 開催日程
- 2019年1月3日(木)10:30~18:00 ※なくなり次第終了
- 島根県の恵曇(えとも)漁港で水揚げされた、鮮度抜群の天然素材を活かした干物が福袋(1500円)に。限定100袋なので、確実に購入するなら早めの来店がおすすめ。
にほんばし島根館(日本橋)
「東京に島根がまるごとやってきた」のキャッチフレーズ通り、特産品や伝統工芸品など島根の魅力が集まるアンテナショップ。観光や移住の情報が手に入る相談コーナーも。
- 電話番号
- 0335489511 0335489511 (物販)
- 住所
- 東京都中央区日本橋室町1-5-3福島ビル1F Map
- 営業時間
- 10:30~19:00 ※年末年始のみ12月30日(日)10:30~18:00、1月3日(木)10:30~18:00
- 定休日
- 無休 ※年末年始12月31日(月)~1月2日(水)を除く
- 交通アクセス
- 東京メトロ銀座線「三越前駅」A4よりすぐ
- ホームページ
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PHOTO/NORIKO YONEYAMA WRITING/NOZOMI SUZUKI