【写真の撮り方】スマホのカメラでパフェ&ケーキをおしゃれに撮影したい。プロカメラマンがレクチャー
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SNSの人気によってスマホで写真を撮ることが日常になっている今、写真の撮り方でお悩みを抱える人が増加中。特に、おいしそうなかわいいスイーツを見つけたときには、おしゃれに写真におさめたいもの。そんな時に役に立つ、スマートフォンでの撮影テクニックを、スターツ出版(株)所属のプロカメラマン・佐野さんがレクチャー。初心者でも簡単に実践できる内容ばかりなので、ぜひ取り入れてみよう。
更新日:2024/07/29
※ATTENTION※
撮影の際は、周りへのご配慮をお願いします
レッスン1:撮影の心構え
いざフォトジェニックなスイーツを前にするとすべてを写真におさめたくなるけれど、なかなかうまく撮れないことも。どう撮影するべきか心構えをチェック。
まずは主役を決めよう
おいしそうなスイーツにカトラリー、ティーカップ・・・と、あれもこれもと入れたくなるもの。でも、出来上がりにがっかりすることはない?
「主役を決めることでそこにピントを合わせたり、写り込ませる物の引き算ができたりして、構図を作りやすくなります」(佐野さん)
初心者なら、シンプルな背景を選ぼう
主役は決まったものの、空間も素敵!と画面におさめたいものが多く、ついつい欲張った結果ごちゃついた印象になってしまうことも。
「そんなときは、シンプルな壁の前に置くなど、できるだけ背景をすっきりさせるのがおすすめ。慣れてきたらちょっとずつ背景の要素を増やすとバランスを取りやすいです」(佐野さん)
たくさん撮って、いいものを残そう
構図をしっかり決めてもなかなか一発で素敵な写真が撮れない、というのは誰もが感じたことがあるはず。
「プロのカメラマンでも一回で完璧な写真は撮れません。角度、縦・横など、何枚も撮影し、いいものをセレクトしています。何度もシャッターを切ることを怖がらなくてOKです」(佐野さん)
レッスン2:実践してみよう
基本がわかったら実践へ。簡単なコツをつかめば、今すぐにでも素敵な写真を撮れるようになる。
「グリッド」の表示
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バランスよく撮影するための必須アイテム
グリッドは、よりバランスよく撮影するための補助線のこと。グリッドがある、ないで構図(撮影対象の切り取り方)の作りやすさが変わるので、撮影の前にまず、設定→カメラ→グリッドをONにしよう。
「背景が斜めになったり、スマホを前後に倒したりすることを防げます。写真の傾斜は後から加工で直せますが、せっかく写したものが切れてしまうことも。撮影するときにグリッドを表示しておくと、最初からまっすぐなバランスのいい写真を撮りやすくなります」(佐野さん)
光を味方につけよう
【半逆光】自然なシズル感が出るベストポジション
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被写体の斜め左奥(または右奥)から光が当たっている状態。自然なハイライトと影ができるため、スイーツがおいしそうに見える素敵な写真が撮れる。
【逆光】陰影がはっきりと出る仕上がりに
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被写体の奥から光が当たっている状態。避けがちだけれど、頂点がしっかりと明るくなるうえに、手前に濃い影ができ、陰影にメリハリのある写真が撮れるのでベター。
【順光】立体感がなく、できれば避けたい光
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被写体の手前から光が当たっている状態。スマホを通さずに目で見ると色が鮮やかに感じられるものの、撮影するとのっぺりした印象に。スマホの影が写り込む懸念も。
角度による違い
【斜俯瞰】どんなスイーツにも向いている王道の形
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斜め上から撮影した状態がこちら。スイーツの全体像がわかり、バランスも取りやすいオーソドックスな角度。まずは斜俯瞰での撮影を試してみよう。
【横】萌え断やパフェなど横が映えるスイーツにぴったり
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真横から撮影した状態がこちら。このショートケーキのように断面が美しかったり、パフェの層を見せたかったりするときにおすすめ。
【真俯瞰】てっぺんの見え方がかわいいときに最適
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真上から撮影した状態がこちら。お皿との組み合わせが映えるときや、いちごタルトのように上からがかわいいスイーツは真俯瞰がぴったり。
大きいもの、背の高いものを撮るコツ
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背景がシンプルなほどgood!スイーツを主役にすると美しく
パフェやアフタヌーンティーの3段ティースタンドなど、大きいものや背の高いものを撮影するのってかなり難易度が高く感じるもの。撮ったけれどなんだかうまく決まらない・・・そんなときは、“心構え”を思い出して。
「やはり主役を決めて、そのほかの要素をシンプルにすることが大切です。BEFOREの背景(植木)のように、どうしても要素の多い背景が入ってしまう場合はがごちゃつく原因に。そんなときはポートレートモードで撮影し、あえてぼかすことで主役のスイーツが引き立って見えるようになります」(佐野さん)
小物の効果的な使い方
あれもこれもはNG。要素が多すぎて雑多な印象に
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ケーキにフォーク、コーヒー、シュガー&ミルク、トレイ・・・すべてを入れるとまとまりづらく、フォトジェニックとは言えない写真の出来上がり。自分でアイテムを選択して整理することが重要!
すっきり絞ると◎。おしゃれな仕上がりに
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要素を少なくして撮ったのがこちら。コーヒーとフォークを残しつつも主役のケーキがしっかりと際立ち、余計な背景も写らず、すっきりとした印象に変化。
レッスン3:お悩みを解決
常々思っていても、なかなか聞く機会がないスマホ撮影にまつわる疑問。そんなあれこれに、プロカメラマンがお答え!
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Q.おしゃれな雰囲気が出せません
A.背景をぼかすとグッと雰囲気が出ます
スイーツはかわいいのに、なぜか映えない・・・そんなときにおすすめなのがポートレートモードを使うこと。
「ポートレートモードで撮影すると被写体だけにピントが合います。AFTERのように背景がぼけて、パフェが浮き上がるのできれいに撮れますよ」(佐野さん)
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Q.画像がなぜか歪んでしまいます
A.少しズームし、画角に合わせて自分が動きましょう
普通に撮影していても中心から離れるほど歪む気がする、というのは、そもそもスマホカメラのレンズがやや広角気味だから。例からもわかる通り、1倍でもトレーが歪んでおり、0.5倍だとより顕著に。ズームを2倍に設定して自分が動き、被写体から離れて撮ろう。
「画像が荒れない程度に少しズームするといいです。画面の端の歪みが少なくなり、背景の余計なものも写りづらくなります」(佐野さん)
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Q.写真の雰囲気を変えたいです
A.撮影後にフィルタで切り替えを
照明機材を使って自由にライティングできるプロの撮影現場とは違い、普段スイーツを撮るときにお店の照明や雰囲気を変えるのは難しいもの。そこで、ノスタルジックにしたい、シャープな印象にしたいなど変化させたいときは、フィルタ機能で好みの画像に加工してみて。
「その場の雰囲気を変えるのは難しいため、フィルタ機能を使って後から好みの雰囲気に切り替えましょう」(佐野さん)
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Q.持っていると便利なものは?
A.白いハンカチがあればぜひ
影が濃く出て、一部が暗くなってしまう場合に活躍するのが白いハンカチ。BEFOREではショート-ケーキの手前側が暗かったけれど、ハンカチを使ったAFTERは明るくきれいに撮れている。
「光に対して垂直にハンカチを広げることで、光を反射させられます。影を起こすイメージで、被写体が明るくなる角度を見つけてみてください」(佐野さん)
編集部には「レストランの白いナプキンをササっと使います」というメンバーも・・・! ハンカチやナプキンのほか、白い服を着ていくという裏技もあるので、いろいろと工夫できそう。
かわいいスイーツを撮りに出かけよう
オズモールには、フルーツたっぷりのパフェや美しくデコレーションされたケーキなど予約ができるフォトジェニックなスイーツがたくさん! 素敵な写真を撮っておいしくいただく時間を楽しんで。
撮影したいちごスイーツが食べられるのはこちら
完熟ミガキイチゴを使った商品が並ぶ「いちびこ太子堂店」
「いちびこ(ICHIBIKO)」は第1号店の太子堂店をはじめ、都内を中心に店舗を広げるいちごスイーツの専門店。こちらで主に使用するのは、“食べる宝石”をコンセプトに生産されたブランドいちご「ミガキイチゴ」。おなじみのショートケーキやプリン、焼菓子類も揃っているので、いろいろ食べ比べながらいちごの新しいおいしさを発見して。
教えてくれたのはこの人
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カメラマン 佐野学さん
スターツ出版(株)所属のプロカメラマンで、オズマガジンやオズモールなど同社の数あるメディアで活躍中。料理の撮影を得意とし、プロとして15年以上活動している。常に心がけているのは、“被写体の魅力が伝わるように撮影する”こと。
【2025特集】大好きな誰かと いちごスイーツ
いちご、それは誰にとっても「幸せな記憶の象徴」。幼少期の誕生日ケーキ、デートで食べたいちごパフェ・・・。大人になった今、いちごスイーツにときめくのは、誰かとの幸せの記憶が心のどこかに棲んでいるからなのかも。そこで今年は「大好きな誰か」と楽しむいちごスイーツをご提案。パフェ、ビュッフェ、アフタヌーンティー。みんなで囲むテーブルで、笑顔になってまたひとつ。いちごとの幸せな体験、ここから増えますように。
PHOTO/MANABU SANO WRITING/NOZOMI SUZUKI