淡雪(鹿児島)
ほんのりピンク色に染まった果実が特徴的な「淡雪」は、さがほのかの突然変異によって生まれた鹿児島県志布志市発祥のいちご。渡部さんいわく、常温に3時間以上おき、食前にまるごとひと口で食べるのがおすすめとのこと。
「表皮だけでなく、中の果肉までうすいピンク色でかわいいいちご。酸味はほとんどなく、ほのかな甘みがあります」(渡部さん)
天使の実(佐賀)
佐賀県唐津市で5年の歳月をかけて誕生した「天使の実」は、わずか3軒の農家で大切に栽培されているいちご。1個約60gと大粒で、いちごなのに洋梨やパイナップルなどトロピカルな香り、食感が楽しめる。同産地では、1個約35gの白いちご「雪うさぎ」も栽培されており、こちらは桃のような香りとやさしい甘味が特徴。
「洋梨のような、鼻に抜ける香りとなめらかな果肉。酸味がなく、口いっぱいにやさしい甘さが広がります」(渡部さん)
桃薫
農研機構により開発された「桃薫(とうくん)」はその名の通り、桃のような香りが最大の特徴。果汁が多く甘みも濃厚で、食べ応え十分。生産・流通量が少ないため、見つけたらぜひ手に入れてみて。
「果皮はうすいオレンジ色で、果肉は真っ白。白いちごの中では最も香りが際立ち、強い香りと甘みが楽しめるいちごです」(渡部さん)
初恋の香り
果実が熟すにつれて、白からピンクへ変化する「初恋の香り」は、山梨県の種苗会社「三好アグリテック」と福島県の育種者によって共同開発された品種。名前は甘い香りと、初恋をしたときの気持ちなどをイメージに付けられたそう。
「しっかりと甘みがあり、まるで桃のような香りが立ついちごです。ジューシーで、酸味はほとんどありません」(渡部さん)
パールホワイト(奈良)
奈良県のいちご生産者、前田光樹さんが交配育成したいちごで、2015年に品種登録。真っ白な果皮と赤い種のコントラストがかわいらしく、カフェのデザートなどで目にすることも。
「果肉は21世紀梨のようなみずみずしさと、しっかりとした食感。酸味がなく、やさしい甘みが感じられます」(渡部さん)
ミルキーベリー(栃木)
いちご王国“初”の白いちご。ミルクのように白く、まろやかな甘さが名前の由来。同じ栃木県の「スカイベリー」とセットで紅白の贈答品としてもぴったり。
「こちらもいちご王国・栃木県の品種で、丸っこくて愛らしく、白の表皮に赤い粒粒がとてもかわいいです。食べてみるとシャキッとした触感で、パイナップルのような洋梨のような、いちごにはない香りと味が特長。」(渡部さん)
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協力してくれたのはこの人
- 渡部美佳(わたべ・みか)
- 京都のいちごのお菓子専門店「メゾン・ド・フルージュ」の店主。大切にしているのは、お菓子を通して見た目や味わい、つぶつぶ感など、いちごの魅力を伝えること。今後は、それぞれの品種の特徴をもっと味わってもらえるお菓子を作っていきたいという。
- ホームページ
- 「メゾン・ド・フルージュ」公式HP
【特集】私の“推しいちご”を探しに!最新いちご案内2022
あなたが好きなのは、いちごがてんこ盛りのパフェ? ホテルのこだわりがつまったいちごアフタヌーンティー? それとも、いちごのすべてを愛する究極ラバー? あと少しの我慢が続く日々だけれど、かわいくておいしいいちごは、今シーズンもキラキラと輝いている。あなたが好きな“推しいちご”を探して、愛して、ハントして。ご褒美にたっぷりいただこう。
※いちごの味の評価・コメントの内容については、サンプル品を実食した際の感想によるものです。贈答や常食向けなど、個体差があることをご了承ください
※いちごの特徴をわかりやすくするため、カメラ位置を固定して撮影しています
PHOTO/KAZUHITO MIURA WRITING/MINORI KASAI