2018年の中秋の名月は9月24日(月)。今回は、星や宇宙に関する書籍の執筆、監修に加え、「コスモプラネタリウム渋谷」で解説員を務めている永田美絵さんに、中秋の名月の歴史や楽しみ方について教えてもらいました。また、東京タワーや六本木ヒルズ、サンシャイン水族館など東京都心で開催されるお月見イベントもご紹介。大切な人と一緒に、1年でいちばん美しい月を眺めよう。
PHOTO:六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー
中秋の名月って?
お月見は、9月24日(月)と10月21日(日)の両日に
「中秋の名月は、旧暦8月15日の行事です。日本の昔の暦では、秋は7月、8月、9月とし、秋のまんなかの8月が仲秋、さらに8月のまんなかを中秋と呼び、この日に月を眺め秋の収穫を祝う行事として親しまれてきました。旧暦8月15日を今年のカレンダーになおすと9月24日にあたります。
夏よりも秋の満月のほうが夜空高くに上がるため見やすくなり、暑さが和らぎ月を見るのによい季節。中秋の名月は別名「芋名月(いもめいげつ)」とも呼ばれています。すすきや団子を飾りのんびりと月を眺めてみてはいかがでしょうか?
ところで旧暦9月13日を後(のち)の月「十三夜」と呼び、この日も月を眺める行事があります。今年は10月21日が「十三夜」にあたります。中秋の名月を「芋名月」と呼ぶのに対して十三夜は「豆名月(まめめいげつ)」や「栗名月(くりめいげつ)」。その時に収穫される秋の味覚を飾り月を眺めるのもよいですね。中秋の名月と十三夜を両方見ることがよしとされていますので、9月24日だけでなく10月21日も覚えておいておいてくださいね。
忙しい毎日、テレビやスマホでなく月を眺めて過ごすのもたまにはよいもの。心豊かな時間になるのではないでしょうか?」(永田美絵さん)
都内近郊で開催されるお月見イベント
【9月22日(土)~27日(木)】横浜みなとみらい お月見クルーズ
1日20名限定7800円で、ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル専用クルーズ船「ル・グラン・ブルー」に乗船して約30分のナイトクルージングへ。ホテル目の前のぷかりさん橋から出航し、お月見の前後には大観覧車や日本丸、赤レンガ倉庫、大さん橋などを巡りながら、みなとみらいの運河を遊覧する。船内は暖冷房・トイレ完備なので、肌寒い夜でも安心。ソファでくつろぎながら、優雅に海上を眺められる。クルーズではワンドリンクサービスもあるので、ビールやワインを片手に波の音を聞きながら、夜空に浮かぶ美しい景色に心奪われて。
【9月24日(月)】コスモプラネタリウム渋谷の特別投影
コスモプラネタリウム渋谷では、9月24日(月)に「MOON & MARS PARTY」(大人600円、小中学生300円)を開催。19時から伝説のプラネタリアン・村松解説員によるお月見特別投影を実施する。また、11時30分から屋上にて太陽観測会、18時からの特別投影「火星開発最前線」では、NASAで働く若き技術者・小野雅裕さんによる火星のお話も。
※太陽観測会は雨天中止
【9月13日(木)~30日(日)】東京シティビュー お月見イベント
都内でもっとも空に近い場所、六本木ヒルズ展望台 東京シティビューでは、期間中さまざまなお月見イベントを開催。9月24日(月)の19時からは、屋上スカイデッキで中秋の名月を見る観月会を開催。観月会と一緒に、中秋の名月にちなんだミニセミナーとオリンパスの撮影体験もあるから、月についての知識が深まるはず。参加費は東京シティビュー 屋上スカイデッキまでの入館料2300円。観月会はふらりと立ち寄っても参加できるけれど、ミニセミナーは事前申し込み(抽選制)が必要。
また、屋内展望台 東京シティビューには、和モダンな特設お月見フォトスポットが登場。都内でいちばん空に近い場所から、1年でいちばん美しい月を見た記念の1枚を残してみては?
【9月24日(月)】東京タワーのお月見ダイヤモンドヴェール
中秋の名月には、1年に1度だけの特別なカラーにライトアップされた東京タワーを見ることができる。日没から22時まで、“名月の光との共存”をテーマに、東京タワーの上部と足元が消灯され、中間をアクア・ブルーに点灯。これは、1年でいちばん美しい月の光を引き立てるため。
また、フットタウン屋上からメインデッキまでの600段の外階段を昇る「お月見階段ウォーク」も。外階段は、通常は土日祝の11時から16時にしか開放されないけれど、中秋の名月のこの日に限り、22時まで夜間開放を実施する。月や夜景、355段目付近の踊り場にお供えされたお団子やススキを眺めながら600段を昇りきろう。
※お月見ダイヤモンドヴェールのライトアップは雨天決行、お月見階段ウォークは雨天中止
【9月16日(日)~10月8日(祝)】東京ミッドタウンのムーンヨガ
東京ミッドタウンでは無料イベント「ミッドパーク ムーンヨガ」が開催される。開催日は、9月16日(日)から10月8日(月祝)までの火・水・日・祝で、各日18時半~、20時半~の2回。各回30分前から先着順で受付開始、イベント開始から1時間で終了予定となっている。芝生の上で裸足になって、月のパワーを感じながらヨガをすれば、夏の疲れもリフレッシュできるはず。
【9月7日(金)~24日(月)】サンシャイン水族館のお月見水槽
池袋にあるサンシャイン水族館では17時から21時までの間、一部の水槽で月明かりをイメージしたライトアップを実施中。大水槽「サンシャインラグーン」では、夜の海中をイメージした深い蒼色の中に、黄色く輝く満月が出現。黄色い満月のような照明が照らす「天空のペンギン」水槽では、ススキと都心の夜景を背景に、夜空を飛ぶように泳ぐペンギンたちを見ることができる。
さまざまな種類の海月(クラゲ)がふわふわと漂う水槽「ふわりうむ」では、満月やうさぎをイメージした映像の投影や、頭上の丸い水槽を満月に見立てた演出があるほか、ショートムービー「クラゲノフシギ」の上映も。タイミングがよければ、海の月の名の通り、まるで満月のように黄色く輝くミズクラゲに出会えるかも。
また、19時30分から10分間、飼育スタッフならではのとっておきの話が聞ける「いきものトーク」も、期間中の土日祝はお月見バージョンになるのだとか。サンシャイン水族館で、海の生き物たちと一緒に、天気を気にせずにお月見を楽しんでみては?
※大水槽「サンシャインラグーン」の演出は18時45分~21時、「天空のペンギン」水槽でのケープペンギンの展示は19時まで
取材協力:永田美絵さん
「コスモプラネタリウム渋谷」チーフ解説員として日々宇宙を語っている。現在、東京新聞「星の物語」を執筆中のほか、NHKラジオ第1「夏休み子ども科学電話相談」の天文宇宙を担当。著書に「カリスマ解説員の楽しい星空入門」筑摩書房など多数。
【特集】都心で、旅先で。きらめく星空に出会えるおでかけスポット
澄んだ空気のなかで降り注ぐような星々を眺める名所から、ロマンティックなデートをかなえる都心のプラネタリウムまで、きらめく星空に出会えるおでかけスポットをご紹介。日本一の星空に認定された阿智村のナイトツアーチケット付き宿泊プランや、星空を望む露天風呂がある宿はオズモールから予約もOK。また、東京近郊のプラネタリウムや展望台で開催される季節のイベントも必見です。旅先、そして東京で、星空さんぽを楽しもう。