ホテルは非日常を楽しめる、身近にある素敵なスポット。だけど実は、これからミライをよくしていくための工夫もたくさん詰まった場所。今回は、渋谷駅からすぐという立地にあり、ビジネスや観光の拠点として人気を集める『セルリアンタワー東急ホテル』にスポットを当て、東急ホテルズのSDGsへの取り組みについて教えていただきました。
ホテルと考える、これからのわたし/セルリアンタワー東急ホテルの取り組み
さりげなく緑化活動に参加できる「グリーンコイン」、「グリーンカード」
東急ホテルズでは、2001年より地球環境保護に配慮した「グリーンコイン制度」や「グリーンカード制度」を導入している。
グリーンカードとは、連泊する場合、寝具やタオルを交換せず、簡易清掃で済ませる制度。一方、グリーンコインは、通常使い捨てられているアメニティ使用量を削減することで、地球環境への負荷を減らすことを目的としている。仕組みはとてもシンプルで、歯ブラシやカミソリなど対象の客室アメニティを使用せず、チェックアウト時にグリーンコインをフロントの回収スタンドにかければOK。年間で集計されたコイン枚数分の基金は、「子供の森計画、山梨県丹波山村「森づくり活動」など地球の緑化活動に寄付される。導入した当初は、「せっかくホテルに宿泊しているのに・・・」という意見も多く寄せられたというが、時代とともに環境に優しい取り組みとして受け入れられるように。
また、地域貢献の一環として、セルリアンタワー東急ホテルのスタッフは週に3回、渋谷の街の清掃活動も行っているのだとか。
「清掃活動は20年ほど続けています。もともとはウェディング部門だけで行っていたのですが、その様子をご覧になったお客様が「ぜひここで式を挙げたい」とおっしゃってくださったことがあって、そこから活動がホテル全体に広がりました。お客様に気持ちよくご来館いただくことが目的ですが、街を歩く方に「ありがとうございます」と声をかけてくださったり、私たちも嬉しいですね。私たちができることは少しずつですが、続けることに意味があると考えています」と東急ホテルズの井上由紀子さん。
【PICK UP】セルリアンタワー東急ホテル 注目の取り組み
森林や水の大切さを見直す、エコツアーを開催
セルリアンタワー東急ホテルをはじめ、東急ホテルズが最も力を入れているのが、子供の森計画や、丹波山村の森づくり活動など、緑化活動。
「子供の森計画は、フィリピンやモンゴルなどアジア太平洋地域の子供たちを招き、森の役割や大切さについて学んでもらうプログラム。といっても、私たち大人も学ぶことがたくさんあります。丹波山村の森づくり活動は、国内でもなにかできることはないかと2008年からスタートしました。毎年、春と秋にホテルの従業員とその家族たちが丹波山村へ行き、植林や林道の整備などを行っています。現在のグリーンコインや東急ホテルズのSDGsバッジは、丹波山村の間伐材で作られているんですよ」
年に一度、会員向けのツアーを開催しているほか、今後は丹波山村でのボランティア活動を次の世代にも伝えたいという思いから、環境について学ぶSDGs旅行プランを企画しているという。
「もったいない」から生まれた絶品スイーツに注目!
もうひとつ、積極的に取り組んでいるのがホテル業界の課題にもなっているフードロス問題。こちらでは、福田順彦総料理長のアイデアで、ジュースに使用したオレンジの皮を「オランジェット」に生まれ変わらせている。皮を柔らかく煮た後、3回に渡ってコンベクションオーブンで加熱し、チョコレートでコーティングするという手の込んだお菓子で、タワーズバー『ベロビスト』やガーデンラウンジ『坐忘』のアフタヌーンティーセットで提供しているほか、ギフトセットなどでも販売も行っている。
また、開業20周年を記念して、食べきれずに残されることが多いウェディングケーキのロス削減を意識した新しいウェディングプラン「Grand Chef Collection」を発表。
「9品で提供されるメニューを7品に仕立て、ひと皿でさまざまな味わいが楽しめるように工夫しています。お二人の幸せをおすそ分けするウェディングケーキはアシェットデセールとして最後に登場します」
ホテルといえばちょっと贅沢で、特別な時間を過ごす場所。“SDGs”と聞くとハードルが高いと感じるかもしれないけれど、そんなとっておきのホテルで食事や宿泊することが、誰かの笑顔やしあわせにつながっているかも。まずはここから、一緒にはじめてみませんか?
DATA
- スポット名
- セルリアンタワー東急ホテル
- 電話番号
- 0334763000 0334763000 (代表番号)
- 住所
- 〒150-8512 東京都渋谷区桜丘町26-1 Map
- 交通アクセス
- JR「渋谷駅」 西口から徒歩5分
- ホームページ
- 公式HP
【特集】ホテルと考える、これからのわたし
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私だけがしあわせじゃなくて、私も誰かもしあわせになれる、そんな場所として、ホテルの魅力を再発見しませんか?
PHOTO/AYA MORIMOTO、WRITING/MINORI KASAI