柴犬のダイエット方法を紹介!成功させるコツや運動方法を詳しく解説
愛らしい姿が大人気の柴犬。大切な家族の一員として、いつまでも健康で長生きしてほしいと願う飼い主さんも多いのでは。そこで大切なのが、適切な体重、体型を維持していくこと。この記事では、柴犬のダイエットに関する情報をご紹介。適正体重や肥満度の確認方法、ダイエットのやり方なども詳しく解説する。肥満が引き起こすリスクや病気についても説明しているため、ぜひ参考にしてみて。
更新日:2023/06/10
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お話を聞いたのは・・・
「chicoどうぶつ診療所」獣医師 林美彩さん
酪農学園大学獣医学部卒業。大学卒業後、自身が代替療法と出会ったことで、動物の体に優しい治療法や食事・環境の見直し、飼い主の心のケアの大切さ等を伝えていくため、2018年に『chicoどうぶつ診療所』を開業。往診を中心に、精力的に診療を続けている。
<著書>
「獣医師が考案した 長生き犬ごはん」(世界文化社)2019/12/18
「獣医師が考案した 長生き猫ごはん」(世界文化社)2020/11/13
『獣医師が考案した一汁一菜長生き犬ごはん こだわりの安心レシピ&作り置きOK!』(世界文化社)2022/1/26
<公式サイト・SNS>
chicoどうぶつ診療所HP
Instagram:@chico_ah_323
Amebro:https://ameblo.jp/tinkerbell19850323/
1.柴犬が太る原因
犬は人間と同様、摂取カロリーが消費カロリーを上回れば太ってしまう。食事の量が多かったり、高カロリーなおやつをあげすぎたりといった行動は、犬が太る一因となっている。
「毎日散歩しているのに・・・」という飼い主さんもいるかもしれないが、実は運動だけではカロリー消費量がそこまで高くない。そのため、日々の散歩ではダイエット効果を感じにくい。
ほかには、病気が原因で体重が増える場合もある。甲状腺機能低下症から起こる代謝の低下や、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)による過剰なホルモン分泌などが代表例。過剰なカロリー摂取に心当たりがないのに体重が増えてしまった場合は、獣医師に相談してみよう。
2.柴犬の適正体重は?
一般的な大きさの柴犬なら、成犬でオスの場合は9~11kg、メスの場合は7~9kgが適正体重の目安。幼犬なら生後「〇カ月+1kg」が適正体重とされている。
最近は小さい柴犬も増えていて、豆柴は5~6kg、極小豆柴は3.5~4kg、小豆柴は3kg程度が目安に。
適正体重は個体差があるため、あくまでも目安として参考にしよう。愛犬が適正体重かどうかを調べるには、獣医師に尋ねるのが確実。
また、体重のチェックだけでなく、体型や見た目の変化も重要。首周りや腹回りがふっくらとしていたら、適正体重でもダイエットが必要な場合がある。
3.肥満度チェックの方法
3-1.触って確認!ボディ・コンディション・スコア(BCS)
ボディ・コンディション・スコア(BCS)は犬の体型を知る目安。簡単な5つのステップで、愛犬の体型がちょうどよいか把握できる。それぞれのステップにおける見た目や触り心地などを記録し、犬の体型が適正か計測してみよう。
1.横から見てくびれがあるかチェック
2.真上から見てくびれがあるかチェック
3.肋骨部分を触って、骨が感じられるかチェック
4.ウエストを直接触ってくびれがあるかチェック
5.腰の上のほうを触り、腰骨が浮き出る具合をチェック。体を触ったとき、腰骨にうっすら触れられて、ほどよく筋肉と脂肪がついている状態が適正。腰骨が浮き出ていると痩せている。
3-2.体重を測る
まずは獣医師に相談を行い、事前に愛犬の適正体重を聞こう。その後は自宅などで体重を測り、適正体重との差を確認。体重の測り方は、飼い主さんが愛犬を抱っこして一緒に体重計に乗り、飼い主さんの体重をマイナスする方法がいちばんわかりやすい。
4.柴犬におすすめのダイエット方法
4-1.ダイエットフードを試してみる
ダイエットのなかで最も試しやすく、また獣医師からおすすめされることの多い方法。獣医師と相談し、愛犬に適切なダイエットフードを探そう。毎日の生活に自然と取り入れられるから、無理なく行えて手間も少ない。
なお、柴犬に与えるフードの適正量については、こちらの記事をチェックしてみて。
>>柴犬に与えるフードの量についてもっと見る
4-2.おやつを減らす
しつけなどのためにご褒美としておやつをあげている人は、与える量を再確認しよう。おやつは高カロリーなものも多いため、おやつの量を減らすだけでダイエットになることも。しつけとダイエットを並行して行いたい場合は、いちどに与えるご褒美の量を少なくしてみよう。
4-3.毎日の散歩時間を増やしてみる
運動より食事環境の改善の方が効果的なものの、愛犬の健康を考えれば散歩での運動量を増やすのも選択肢のひとつ。毎日の散歩時間を長くして、カロリー消費量を増やそう。
ただし、柴犬があまりにも肥満の場合は、散歩時間を長くすると足腰に負担がかかりやすい。そのため、散歩時間を長くするのは、ある程度体重を落としてからがおすすめ。
ダイエットは長期に及ぶため、犬だけでなく飼い主さんの負担も軽減できる方法で続けるのがよい。そのため、あまり無理はしないで。散歩量は急激に増やすのではなく、犬と飼い主さんの体調に合わせて少しずつ増やそう。
4-4.散歩以外の運動を取り入れてみる
公園や広場といった広いスペースで、フリスビーやボールなどを使って遊ぶとしっかり運動できる。室内飼いをしている人は、家庭内で走り回れるスペースをつくるのもよい。飼い主さんがいなくても運動できるよう、犬用おもちゃなどを与えてみるのもおすすめ。
5.肥満のリスクや引き起こす病気
5-1.肥満のリスク
肥満にはさまざまなデメリットがある。肥満が及ぼす健康へのリスクを主に3つご紹介するので、愛犬の体型を維持できるよう注意しよう。
足や股関節への負担
体重が増えて肉付きがよくなっても、骨は頑丈にはならない。太っている犬は足腰への負担が大きく、関節部を傷める原因になる。柴犬は足よりも胴体に脂肪がつきやすいため、より一層の注意が必要。
呼吸器への負担
首周りにも脂肪が付くため、気道が圧迫されて呼吸が浅くなる。寝転がっているときに苦しそうにしていたら要注意のサイン。重篤化すると呼吸困難を引き起こす危険性もあるため、日ごろからしっかりとチェックしておくのが大切。
柴犬の首回りがタプタプとしている場合は、肥満の可能性も考えられる。ただし、むくみの影響でたるんでいる場合や、年齢とともに皮膚のハリが衰えている場合もあるので、一概には判断できない。
心臓への負担
人間と同じで、犬も太れば高血圧気味になる。心拍数が増加する危険性もあり、少しの運動で息切れを起こしてしまうように。呼吸器への負担と相まって、心臓への負担が増える一因となる。
5-2.引き起こす可能性がある病気
肥満は関節や内臓に負担をかけるだけでなく、病気を引き起こす場合もある。次のような病気になってしまうリスクも考え、気をつけてほしい。
膵炎
膵炎は、膵臓に炎症が起きる病気。偏った食事などによって引き起こされる可能性があり、症状は腹痛、高熱、食欲不振、嘔吐、下痢など。重篤化すると激しい腹痛を伴うため、早めの対策が肝心。
心不全
心臓のポンプ機能が低下し、血液を全身へ十分に送り出せなくなる病気。心臓への負担、及び呼吸器への負担によって引き起こされる。症状は呼吸困難、動悸、息切れ、咳など。いつもと同じ散歩なのに息切れがひどかったり、ことあるごとに変な咳をするようになったりといった症状が現れたら要注意。
糖尿病
糖尿病は尿に糖が出たり、血糖値が上昇したりする病気。合併症を引き起こすことが多く、症状が深刻なものになりやすい。肝疾患、白内障、免疫低下による細菌感染症などの危険性もあるので、糖尿病にならないように日ごろから対策をしておきたい。
6.柴犬のダイエットに関するQ&A
Q.柴犬は太りやすい時期があるの?
A.犬は生涯で3度ほど太りやすい時期があると言われています。避妊、去勢手術を行った後、シニア期に入るタイミング、老年期に差し掛かるタイミングが太りやすい時期にあたります。愛犬の健康のためにも、その時期には特によく注意して見てあげてください。
Q.柴犬は太りやすいって本当?
A.柴犬だけが特に太りやすいということはありません。柴犬は食べている姿がとてもかわいらしいため、ついつい飼い主さんがフードやおやつを与えすぎてしまう・・・という原因もあるかもしれませんね。
Q.ダイエットの効果が実感できない。わかりやすい目安はある?
A.柴犬のダイエットは半年~1年ほどかけてじっくりと行う必要があるため、ダイエットを始めてもすぐには結果が出ません。日々の体重を記録したり、お腹付近をなでて触診をしたりと、毎日しっかり体調管理を行えば実感しやすいでしょう。
Q.ダイエットフードに変えたらウンチの量が増えたけど大丈夫?
A.ダイエットフードには食物繊維が多く含まれる傾向にあるため、ウンチの量が増えても問題ありません。しかし、下痢気味になっていたり、あまりにもウンチの回数が多すぎるようでしたら、獣医師への相談をおすすめします。
Q.間食として野菜を与えるのは大丈夫?
A.野菜はヘルシーなイメージがありますが、ニンジンやトマトのように糖分が多い野菜も少なくありません。最近では各メーカーからローカロリーなおやつも販売されているため、そちらを用いて摂取カロリーをしっかりと確認するほうがよいでしょう。