ドッグフードを保管するには?タイプ別の正しい保存方法やおすすめ容器を紹介

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大容量のドライフードを購入したときや、セミモイストフードを食べきれなかった際に悩むのが、ドッグフードを正しく保存する方法。開封後は酸化が進んだり、水分を含んでカビが発生したりしやすいもの。そこで、今回はドッグフードの正しい保存方法や、間違った保存方法によって起こるリスクなどまで詳しく解説。夏場の保存方法や冷凍庫、冷蔵庫を使ってもよいのかといった細かな悩みにも答えているので、ぜひ参考にしてみて。

更新日:2023/10/16

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お話を聞いたのは・・・

「chicoどうぶつ診療所」獣医師 林美彩さん

酪農学園大学獣医学部卒業。大学卒業後、自身が代替療法と出会ったことで、動物の体に優しい治療法や食事・環境の見直し、飼い主の心のケアの大切さ等を伝えていくため、2018年に『chicoどうぶつ診療所』を開業。往診を中心に、精力的に診療を続けている。

<著書>
獣医師が考案した 長生き犬ごはん」(世界文化社)2019/12/18
獣医師が考案した 長生き猫ごはん」(世界文化社)2020/11/13
『獣医師が考案した一汁一菜長生き犬ごはん こだわりの安心レシピ&作り置きOK!』(世界文化社)2022/1/26

<公式サイト・SNS>
chicoどうぶつ診療所HP
Instagram:@chico_ah_323
Amebro:https://ameblo.jp/tinkerbell19850323/

1.ドッグフードを正しく保存するのが重要な理由

1-1.風味や香りが抜けて味が劣化する

ペットの食いつきをよくするため、ドッグフードには風味付け、香り付けがされていることが多い。正しく保存していないと、風味がどんどんと抜けて味が落ちていく。愛犬が最後までおいしく食べられるよう、風味が抜けない保存を心がけるのが大切。

1-2.ドッグフードに含まれている油分が酸化する

ドッグフードには脂質や油分などが含まれている。脂質や油分は空気に触れると酸化し、やがて過酸化脂質に変化していく。
酸化したドッグフードは味わいが悪くなるだけでなく、犬の健康に影響を与える可能性も。嘔吐、軟便、下痢などの消化器症状や、皮膚の赤み、痒み、被毛のべたつきなどの皮膚症状が見られる場合がある。

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1-3.水分を含むとカビが発生する

正しい保存方法を行っていないと、湿気などによりドッグフードが水分を含むようになる。水分はカビ菌の温床となり、ドッグフードを傷める原因に繋がる。カビ菌を繁殖させないよう、工夫して保存することが重要。

2.フードタイプ別の正しい保存方法と賞味期限

2-1.ドライフードの場合

ドライフードはコスパがよく、保存性に優れている。乾燥した状態なので日持ちしそうな印象があるけれど、実は賞味期限には要注意。

保存方法

ドライフードは大袋で売られていることが多いので、そのままの状態で保存すると空気に触れる回数が非常に多くなる。そのため3日分、1週間分といった単位で、小分けに保存するのがおすすめ。湿気にも弱いので、高温多湿を避けた暗所で保管しよう。

賞味期限

開封前の賞味期限は約1~1年半。開封後は最長でも1カ月、高脂質のものなら2週間以内に使い切るのがおすすめ。乾燥しているので賞味期限が長い印象があるが、コーティング成分などに油分が含まれているため、開封後の賞味期限は意外と短い。

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2-2.半生(セミモイスト)タイプの場合

ドライフードとウェットフードのメリットを両立できる、半生(セミモイスト)タイプ。ドライフードより水分を多く含むので、保存方法には十分注意して。
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保存方法

セミモイストフードは短期間で食べきれるよう、少量パックで小分けされていることが多い。酸化よりもカビの発生に注意したいため、湿気の多いところに置くなど、カビの発生リスクが高まる収納は避けよう。
小分けタイプのものはそのまま冷暗所、冷蔵庫などで保管して。開封後の大袋は密閉できる容器へ移し替えて、冷暗所や冷蔵庫で保管して。

賞味期限

開封前の賞味期限は約2年、開封後は1~2週間に食べきるのが目安ではあるものの、もっと早く食べ切るに越したことはない。開封後の期限はあくまで目安となり、季節、湿度、気温によって大きく変化する。そのため、開封後はできる限り早めに食べきるようにしよう。

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2-3.ウェットタイプの場合

ウェットタイプは嗜好性が高いものの、長持ちしにくいのがデメリット。しかし冷凍も可能なので、食べ切れなかった場合はぜひ試してみて。

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保存方法

ウェットフードは1パッケージを1食として食べきるように想定されているため、保存方法に悩む機会はあまり多くない。2~3日で食べきれず、どうしても保存が必要になった場合は、密閉容器に移して冷凍庫で保管して。使用する際は、ぬるま湯でしっかりと解凍し、人肌程度の温かさになってから愛犬に与えよう。

賞味期限

開封前の賞味期限は缶詰タイプが約3年、レトルトパウチタイプが約2年。開封後の賞味期限はどちらも2~3日が目安になる。傷みやすいので、できる限り早めの消費がマスト。

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3.ドッグフードの保存に役立つ保存容器と保存方法

3-1.普段使いに役立つアイテム

まずは、普段のドッグフードの保存に役立つアイテムをご紹介。日常使いの参考にしてみて。

フードストッカー

フードストッカーは、ペットフードを保管する目的で販売されている商品。密閉度が高いのはもちろん、大容量にも対応しているのが特徴。フードの取り出しも簡単で、毎日のフード準備がとても楽になる。

フードディスペンサー

フードを一定の量だけ取り出せる仕組みになっている、便利なアイテム。毎日決まった量を与えられて、愛犬の健康管理にも役立つ優れもの。密閉性は商品によって異なり、密閉性と利便性を兼ね備えた商品は価格が高くなりがち。

ジッパー付き保存袋

ジップロックなどのジッパー付き保存袋は入手が容易で、コストも高くない便利なアイテム。袋の大きさによって小分け量を調整でき、愛犬に合わせた保存方法を選べるためおすすめ。薄く密閉すれば収納場所にも困らず、使い捨てで衛生的な部分も嬉しい。

タッパー

100円ショップなどでは多種多様な形状のタッパーが売られているため、収納場所に適した大きさ、形のアイテムを選びやすいのが魅力。商品によって密閉性が大きく変わるので、購入する際には密閉力を重要視したい。

3-2.容器が用意できないときなどの緊急時に役立つアイテム

保存袋をうっかり切らしてしまったなどで、普段の保存容器がどうしても用意できないときもあるのでは。そんな緊急時には、次のアイテムを活用してみて。

ペットボトル

キャップ付きで簡単に密閉でき、手軽に手に入ることから、普段から使用している人も少なくないアイテム。しかし、口をつけて飲んだペットボトルは洗っても菌が繁殖しやすかったり、飲み物の香りがペットフードに移ったりと、あまり常用するのはおすすめできない。緊急時などには役立つが、基本的には保存容器を使うようにしよう。

ラップ+ポリ袋

ラップとポリ袋を組み合わせて、簡易的なジッパー付き保存袋を再現できる。しかし、あくまでも応急処置的な密閉しかできず、酸化を緩やかにする程度の効果しか期待できない。ジップロックなどのストックがなく、とりあえず1~2日ほど保存しておきたいときなどに活用しよう。

4.室内で保存に不向きな場所、適した場所

4-1.不向きな収納場所

温かい空気は上に流れていくため、2階、3階の上層階よりも1階が保存に適している。風呂場、脱衣所付近は温度の変化が激しくなりがちなだけでなく、湿気が多く発生するため不向き。窓際、玄関付近も温度変化が大きいため、それらの場所は避けたほうがよい。

4-2.適した収納場所

高温多湿、直射日光、急激な温度変化を避けたいので、できる限り人が近づかない場所がよい。外気温の影響を受けにくい、家屋の中心付近に位置する部屋などがおすすめ。

5.保存方法や収納場所以外で気を付けておきたいポイント

5-1.保存容器+乾燥剤や脱酸素剤でより効果的に!

ドッグフードを保存容器に移し替える際、一緒に乾燥剤、脱酸素剤を入れておくとより保存効果が期待できる。酸化の進行を抑えつつ、乾燥によってカビ菌の発生も抑制可能。食品用の乾燥剤、脱酸素剤を使用し、ドッグフードに直接当たらないよう、ストッカーなどのフタ裏に貼り付けるのがおすすめ。

5-2.購入時に使いきれる量のものを選ぶ

大容量のものほどお得に買えるが、賞味期限が過ぎたりカビが発生したりして捨ててしまっては、せっかく安く買えても意味がない。普段どれぐらいの量を食べているか考慮して、愛犬に適した量のドッグフードを選ぶのが大切。ドライフードの場合は、1~1カ月半ほどで食べきれる商品を選ぼう。

5-3.賞味期限の残り期間がしっかりと残っているか

ドッグフードを購入する際に見落としがちなのが、残り賞味期限。割引で販売されているものは特に賞味期限が短く、期限までに食べきれないといったことにも。賞味期限が短い=製造から時間が経っているため、風味や味わいが劣化している可能性もある。

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5-4.メーカーが保存方法に言及しているか

ペットフードメーカーのなかには、パッケージ裏面や公式ホームページにて保存方法を解説しているところも。そのドッグフードにぴったり合う保存方法なので、購入前、購入後にぜひチェックしておきたい。また、適した保存ができるよう、専用のアイテムを用意しているメーカーもある。

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6.ドッグフードの保存方法に関するQ&A

夏場や梅雨の時期におすすめの保存方法は?

夏場は直射日光を避け、冷暗所に保存しましょう。梅雨の時期は湿度が高くなるため、乾燥剤、脱酸素剤の併用がおすすめです。

ドライフードを冷蔵庫に入れて保存してもいい?

冷蔵庫からの出し入れによる温度変化で、保存容器内に結露が発生してしまいます。結露の水分がカビ菌の繁殖を促してしまうため、ドライフードを冷蔵庫に入れて保存するのは控えたほうがよいでしょう。また、低温のドッグフードによりお腹が冷えて、下痢などの体調不良を引き起こす可能性もあります。

賞味期限が切れたドッグフードを食べても大丈夫?

賞味期限はあくまでも目安ですが、愛犬の健康のためにも控えるべきです。見た目上は問題がなくても、小さなカビ菌が繁殖していたり、油分が過酸化脂質へ変化していたりと、視認できない問題が発生している可能性があります。

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ドッグフードが劣化したり酸化したりしていないか、見極める方法はある?

ドッグフードの劣化が進んだ場合、わかりやすいのは香りの変化です。購入時と比べて明らかに香りが異なる、油臭くなっているなどの際は注意が必要です。また、ドッグフードを直接手に取り、表面がしっとり、ベタベタした感触になっている場合も注意してください。

ふやかしたドッグフードはどうやって保存したらいい?

ふやかしたドッグフードは水分を多分に含んでいるため、保存はしないようにしましょう。雑菌が繁殖しやすい状態になっているので、その日のうちに食べきるようにしてください。

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開封前、開封後で賞味期限が大きく変わるのはなぜ?

ドッグフードの風味や味わいを落とさないよう、開封前は密閉された状態でパッケージングされていて、劣化を抑えられる状態になっています。しかし、開封後は空気に触れて酸化が進んだり、カビの発生リスクが高まったりと、健康へ影響するような変化や劣化が増えます。そういった理由から、開封前、開封後で大きく賞味期限が変わります。

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※記事は2023年10月16日(月)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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