【下痢、軟便気味な猫に人気のキャットフードおすすめ8選】選び方も紹介

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人間だけでなく猫もストレスや食べすぎ、季節の変化、体調不良などによって便の水分量が増えたり便秘になったりすることも。また、キャットフードが原因で下痢をする可能性もあるため注意が必要。今回は、下痢や軟便、便秘といった悩みを抱える猫におすすめのキャットフード8選を紹介。商品ごとの特徴やメリットなどを解説するので、しっかりと比較しながら愛猫に合ったキャットフードを見つけよう。

更新日:2024/08/22

お話を聞いたのは・・・

「chicoどうぶつ診療所」獣医師 林美彩さん

酪農学園大学獣医学部卒業。大学卒業後、自身が代替療法と出会ったことで、動物の体に優しい治療法や食事・環境の見直し、飼い主の心のケアの大切さ等を伝えていくため、2018年に『chicoどうぶつ診療所』を開業。往診を中心に、精力的に診療を続けている。

<著書>
獣医師が考案した 長生き犬ごはん」(世界文化社)2019/12/18
獣医師が考案した 長生き猫ごはん」(世界文化社)2020/11/13
『獣医師が考案した一汁一菜長生き犬ごはん こだわりの安心レシピ&作り置きOK!』(世界文化社)2022/1/26

<公式サイト・SNS>
chicoどうぶつ診療所HP
Instagram:@chico_ah_323
Ameba:https://ameblo.jp/tinkerbell19850323/

特におすすめの3商品!

※下痢、軟便の猫におすすめフード8選のうち、肉類が第一原料(配合比率が最も多い原料)で、グレインフリーのもののみをピックアップ

1.下痢と軟便の違い、原因は?

一見同じようにも思える「下痢」と「軟便」。どちらもお腹のトラブルであることに変わりはないけれど、それぞれの違いをしっかり把握しておこう。

健康的な便とは?便秘と軟便の違い

人と同じく、猫の便は健康状態を知るバロメータ。健康な便は掴んでも崩れず、周りに猫砂が付く程度の適度な水分を含んでおり、楕円形でツヤがある。分割されず、1本でするんと出てくるのも健康な便の特徴。

猫の軟便と下痢の違いは、便に含まれる水分量。軟便は健康的な便に比べて水分量が多く柔らかい一方で、下痢は軟便よりもさらに水分量が多く便の形をとどめていないものを指す。

下痢と軟便の原因

下痢と軟便の主な原因には、消化不良、アレルギー、ストレス、ウイルス感染、お腹に溜まった毛玉などが挙げられる。

消化不良やアレルギーは、フードの食べすぎ、新しいフードへの切り替えが原因。愛猫の便に変化がないか注意しながら、食事にも気を配って。

軟便は一過性のものが多く、愛猫が元気で食欲もあるなら問題はない。しかし明らかな下痢が続いたり、食欲のなさが5日以上続いたりした場合は病気の可能性もあるので、早めに獣医に相談しよう。

2.下痢、軟便の猫におすすめのキャットフードの選び方

下痢や軟便などのトラブルを抱える猫に与えるキャットフードを選ぶ際は、以下のポイントをチェックして。

良質な動物性タンパク質が主原料

下痢や軟便の猫には、良質な動物性タンパク質を主原料としているキャットフードがベター。原材料は含有量が多い順に記載されているので、最初に肉か魚が記載されているキャットフードを選ぶようにしよう。

良質な動物性タンパク質は、肉食動物である猫にとって消化しやすくエネルギー源になる。中でも低脂肪で消化吸収がしやすい魚はとくにおすすめ。

ほかに、胃腸への負担を軽減するバナナ、リンゴ、サツマイモなども含んでいるとさらに理想的と言える。

オリゴ糖や乳酸菌で腸内環境をサポート

愛猫が下痢、軟便をしている場合は、腸内環境を整える成分が含まれているかどうかも大切。オリゴ糖やバイオジェニックス、プロバイオティクス(乳酸菌、酵素、ビール酵母など)が挙げられる。

プロバイオティクスにはアレルギー、免疫力などへのアプローチも見込めるので、腸内トラブルがなくても日々の食事に取り入れるとよい。また、単純に冷えから下痢をする場合も多いので、お腹を冷やさないような工夫も取り入れてみて。

ドライフードで水分の過剰摂取を防止

水分の過剰摂取は軟便の原因になるので、ウェットフードよりもドライフードを与えよう。1日の水分量は飲水量とフードに含まれる水分併せて、体重×50ml程度を目安にしてみて。

フードの鮮度が落ちることで軟便につながるケースもあるので、品質を保ちやすいドライフードはこの点からもメリットがある。ウェットフードを与えていて下痢、軟便になった場合は、ドライフードに変えて様子を見て。

大容量サイズは避けて、鮮度をキープ

鮮度が低下したり、身体に合わなかったりするフードは軟便の原因に。ドライフードであっても一度開封すると徐々に鮮度が落ちていくので、開封後1カ月を目安に食べきれる容量を選ぼう。鮮度が落ちる前に食べきれる小分けタイプにするのも一手。

また胃腸が弱い猫にとっては、新しいフードへの切り替え自体がストレスになることも。頻繁に変えることはなるべく避け、切り替える場合も1週間ほどかけてじっくり行うのを心がけて。

ライフステージに合った栄養素を摂取

猫のライフステージは、大きく幼猫期、成猫期、老猫期の3期分けられる。それぞれの時期によって必要な栄養素は違うため、その年齢に適した栄養を摂ることが望ましい。

下痢、軟便といった体調不良を予防するためにも、幼猫期には高カロリーなもの、老猫期には低カロリーのものなど、ライフステージに合ったフードを与えよう。

3.下痢、軟便の猫におすすめな人気キャットフード8選

ECサイトなどで下痢、軟便気味な猫におすすめの人気キャットフード8選をご紹介。製品ごとに、対象年齢や主原料、タイプ、100gあたりのカロリー、原産国も記載しているので、フード選びで迷っている人はぜひ参考にしてみて。

※アイテム掲載基準:Amazonや楽天、ほかWebサイトで出現頻度が高いアイテムをセレクト
※この記事の監修者は商品選定に関わっていません

レティシアン

カナガンキャットフード チキン

5038円/1.5kg

チキンを50%以上配合した高タンパクレシピ。香料、着色料は不使用

放し飼いで育てられた高品質なチキンを50%以上配合。高タンパクな乾燥チキンと旨みがたっぷり詰まったチキングレイビーもプラスし、自然と猫の食欲が刺激される仕上がりに。

ヒューマングレードのチキン生肉を使用し、グレインフリーかつ香料や着色料は不使用。穀物アレルギーによる消化不良を起こしやすい猫に適している。

欧州ペットフード工業会連合(FEDIAF)の厳しい基準をクリアした工場で製造されているため、品質管理が気になる人も手に取りやすい。

機能-
対象年齢全年齢
主原料乾燥チキン、チキン生肉、サツマイモ、ジャガイモ、チキンオイルほか
タイプドライフード
100gあたりのカロリー405kcal
原産国イギリス
その他グレインフリー、香料/着色料不使用、ヒューマングレード、FEDIAF

レティシアン

ジャガーキャットフード

5038円/1.5kg

香料着色料不使用。穀物アレルギーの猫でも食べられるグレインフリー設計

穀物不使用のグレインフリー設計を採用しているだけでなく、スターチ(でんぷん)も低減。穀物アレルギーを持つ猫や、炭水化物に多く含まれるスターチの消化が苦手な猫にぴったり。

主原料の80%以上が動物性原材料で、チキンや鴨、マス、サーモンといったタンパク質をたっぷりと補える。本来肉食である猫の消化器官にかかる負担を軽減しながら、自然と食欲を刺激する。

香料と着色料は不使用で、生の食材はヒューマングレードのものを使用。さらに、アントシアニンを豊富に含むビルベリーやビタミンを含むクランベリー、ヨーロッパで古くから親しまれてきたフェンネルなども加えている。

機能-
対象年齢全年齢
主原料肉類(チキン生肉、乾燥チキン、乾燥鴨肉、チキンレバー、鴨生肉)、魚類(生サーモン、生マス)、ジャガイモ、エンドウ豆、サツマイモほか
タイプドライフード
100gあたりのカロリー387.5kcal
原産国イギリス
その他グレインフリー、香料/着色料不使用、FEDIAF

tama ボナペティ

tama ボナペティ ラム&フィッシュ

220円/50g

グルテンフリーかつグレインフリー。主原料にラムの生肉を使用した低アレルゲンフード

新鮮なラムの生肉を主原料にしたキャットフード。グレインフリー、グルテンフリーで副産物ミールも不使用。低アレルゲンだから、アレルギーを起こしやすい猫にも与えやすい。

整腸作用のあるプレバイオティクスや、フィトケミカルを含むクランベリーも配合。便秘や毛玉の排出、下部尿路疾患のサポートにも適している。

1袋あたり50gの小分けタイプなので、毎回フレッシュな食事を提供できる。ウェットフードと混ぜて与えたいときや、おやつにも好適。

機能総合栄養食
対象年齢1歳以上
主原料ラム生肉、エンドウ豆、フィッシュ、空豆、サーモン油ほか
タイプドライフード
100gあたりのカロリー332kcal
原産国オランダ
その他グレイン/ポテト/ミートミール/GMO(遺伝子組換食品)/科学的保存料不使用

ヒルズ

ヒルズ サイエンス・ダイエット 腸の健康サポートプラス 1歳以上の成猫・高齢猫用 チキン ドライフード

3053円(Amazon)/2.5kg

ヒルズの独自成分を複数ブレンド。腸内環境をサポートし健康的な生活に導く

「7日間で理想的な便へ」をモットーにしたキャットフード。ヒルズの独自成分・アクティブバイオームやプレバイオティクスブレンドといった成分を配合し、健康的な腸内環境をサポート。ビートパルプや亜麻仁などの食物繊維が豊富な食材を使用し、自然な便の排出をめざす。

ミネラルやビタミン、アミノ酸といった生活維持に欠かせない栄養素も複数配合。目や心臓の健康に必要とされているタウリンも、毎日の食事で手軽に補える。

キャットフードが入っている袋は、保存に適したジップロック付き。鮮度も食感もしっかりとキープできる。

機能総合栄養食
対象年齢1歳以上
主原料コーングルテン、トリ肉(チキン、ターキー)、トウモロコシ、小麦、動物性油脂
タイプドライフード
100gあたりのカロリー390 kcal
原産国チェコ
その他アクティブバイオーム⁺テクノロジー採用

ヒルズ

ヒルズ プリスクリプション・ダイエット〈猫用〉 腸内バイオーム ドライ

6426円/2kg(Amazon)

健康的な排便をサポート。軟便しがちな愛猫におすすめ

ヒルズの栄養学者と獣医師により開発された、「プリスクリプション・ダイエット〈猫用〉腸内バイオーム」を採用しているキャットフード。善玉菌の活動を促すことで、健康的で規則的な排便を助ける。

オリゴ糖や食物繊維といったプレバイオティクスを独自ブレンドすることにより、腸内環境をサポート。

主原料にはターキーとチキンの肉を使用し、本来肉食である猫の好む香りと味わいに。軟便で食欲のないときでも食べやすい。

機能特別療法食
対象年齢-
主原料トリ肉(チキン、ターキー)、コーングルテン、動物性油脂、米、トウモロコシほか
タイプドライフード
100gあたりのカロリー379kcal
原産国チェコ
その他アクティブバイオーム⁺テクノロジー採用

ペットゴー

ベッツワンベテリナリー 猫用 消化器ケア 可溶性繊維 チキン

4640円/2kg

軟便や下痢など消化器官疾患を持つ猫に配慮し、高消化性原材料をたっぷりブレンド

チキンやジャスミンライス、コーン、加水分解動物性タンパクなど、高消化性の原材料をたっぷりと使用。また可溶性食物繊維のサイリウムやクラフトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖も配合し、健康的な腸内環境をアシストする。

便秘や軟便により、食欲がなくなり食事量が減った場合に備えてナトリウムやカリウム、クロールを調整。必要な電解質を適切な量だけ補給できる。

また、皮膚や被毛の健康維持に役立つオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸も配合。愛猫の健やかな毎日を、多彩な栄養素で支える。

機能食事療法食
対象年齢成猫
主原料鶏肉、ジャスミンライス、コーン、小麦タンパク質分離物(消化率90%以上)、加水分解動物性タンパク(鶏肉)ほか
タイプドライフード
100gあたりのカロリー381kcal
原産国タイ
その他可溶性食物繊維配合

ヒルズ

ヒルズ プリスクリプション・ダイエット〈猫用〉 i/d アイディー ドライ

6427円(Amazon)/2kg

ビタミンBと電解質をバランスよくブレンドし、栄養素の吸収をサポート

ヒルズ独自のプレバイオティクス繊維ブレンドを採用したシリーズの一種。消化器症状のケアに役立つ特別療法食で、腸内環境を整え自然な消化をサポートする効果を期待できる。

また栄養素を効率よく吸収できるよう、電解質とビタミンBも配合。食事量が減ったときや療養中の猫の栄養補給にうってつけ。

キブル(粒)は小さめで、丸く平らな形状が特徴的。シニア猫や幼猫でも噛み砕きやすく、スムーズな食事がかなう。

機能療法食
対象年齢全年齢
主原料トリ肉(チキン、ターキー)、米、トウモロコシ、動物性油脂、コーングルテンほか
タイプドライフード
100gあたりのカロリー403 kcal
原産国チェコ
その他アクティブバイオーム⁺テクノロジー採用

フォルツァディエチ

愛猫用 アクティブライン インテスティナルアクティブ(胃・腸)

1111円/454g

胃腸の健康維持に好適な加水分解タンパクを使用した食事療法食

植物性乳酸菌やオレガノ、オオバコといったフィトケミカル成分を配合したキャットフード。フィトケミカルは胃腸の健康維持に適しており、免疫機能のサポートにも役立つ。

また、加水分解タンパクも使用。体内でタンパク質からアミノ酸に分解される過程の処理を原料の段階で分解処理しているから、腸管内での吸収率が高まる。消化が苦手で食事量が減っている猫におすすめ。

米国飼料検査官協会(AAFCO)のガイドラインに沿って製造。イタリア獣医師会認定商品にも認定されているから、海外のペットフードに抵抗がある人でも与えやすい。

機能食事療法食
対象年齢成猫
主原料米粉、魚粉(アンチョビ)、加水分解された魚タンパク、魚油、ビール酵母ほか
タイプドライフード
100gあたりのカロリー342Kcal
原産国イタリア
その他AAFCO

4.キャットフード以外の下痢、軟便対策

下痢や軟便対策をするなら、フード以外を見直そう。

ストレスを取り除く

猫は非常に繊細で、ストレスに弱い動物。環境の変化、トイレの汚れ、大きな音、運動不足などもストレスになるので、愛猫にとって心地よい環境作りを心がけ、できるだけストレスを取り除いてあげよう。

病院につれていく

下痢が2日以上、軟便が5日以上続く、食欲がなく下痢をしている、仔猫やシニア猫が下痢をしている、体重が減少しているといった場合には、何らかの病気の可能性が疑われる。少しでも異常を感じたら、速やかに病院に連れて行こう。

5.下痢、軟便の猫向けキャットフードに関するQ&A

猫の下痢、軟便などのトラブルに関する、よくある疑問をピックアップ。専門家の回答を、愛猫の健やかな毎日に役立てよう。

キャットフードを切り替えるときの注意点は?

急に新しいフードに切替えると、ストレスから症状を悪化させてしまう可能性があります。新しいキャットフードに切替える場合は、これまで与えていたものに少しずつ混ぜながら、10日間を目安にゆっくり慣らしてください。

軟便の猫にフードを与えるときに意識することは?

1度に多くのフードを食べると、食べすぎで症状が悪化する可能性があります。1日の食事回数を3~4回に増やしましょう。食事回数を増やすことで、胃腸への負担を減らせます。

人間用の整腸剤を与えてもいいの?

人間用の整腸剤を猫に与えるのは基本的にNGです。動物病院で処方された薬を与えてあげてください。

受診する病院によっては市販されている「ビオフェルミン」を処方することもあるようですが、与える場合は必ず獣医師の指導の下で行う必要があります。

一日何回の排便が目安?

猫の理想的な便の回数は、1日1~2回です。

軟便になりやすい猫はいる?

軟便になりやすい品種の猫はいないといわれています。

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※記事は2024年8月22日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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