このページでは、毎号のオズマガジン制作の編集後記のような、こぼれ話のような、誌面に載せきれなかったサイドストーリーを編集部員が少しずつご紹介しています。今回はタキセがお届けします。
変わらないほうの渋谷もいいものでした
今回のオズマガジンは、渋谷特集。渋谷といえばもうすぐ、ハロウィン。ブームは過ぎたなんて言われてもいますが、それでもやっぱり今年も渋谷にモンスターが大集合するのではないでしょうか。
ハロウィンほどではないですが、渋谷はいつも人であふれかえっています。カルチャー、ファッション、グルメにビジネス、幅広いジャンルの最先端が集まるエリアとして、渋谷は世界からも注目を集めています。特に現在は100年に1度とも言われる大再開発の真っ最中。
そんな変わりゆく渋谷を中心に取材し、「新・渋谷さんぽ」と題した今回の特集。オープンしたばかりで連日にぎわっている渋谷ストリームもたっぷり紹介しています。でも、その中にあって、異彩を放っているページがあります。それが、私が担当した「変わらないほうの渋谷もイイネ。」です。
めまぐるしく変わり続ける渋谷の中で、変わらないものもちゃんとありました。その、「変わらないほうの渋谷」を長く支える人たちにインタビューする企画です。明治時代に創業した魚屋のご主人・鈴木さん、同じく100年近く続く名曲喫茶の店主・石原さん、古書店の店主・山路さん、そしてプラネタリウム解説員の村松さん。みなさん、この渋谷の地で何十年も働き続けている人生の大先輩ばかりでした。
魚屋で親子ゲンカ寸前!?
中でも思い出深いのが、魚屋「魚力」での取材です。鮮魚の販売のほか、定食も提供している魚力。実は私は、こちらのさば味噌煮定食の大ファンでした。甘めの味噌ダレで、骨までやわらかくなるほど煮込まれたサバで、白いごはんが進む絶品なのです。
三代目のご主人・鈴木力さんと、その息子さんで四代目の徳久さんに、それぞれお話を聞きました。途中、家族ゆえに互いの意見がぶつかるシーンもあり、「営業中だってケンカなんかしょっちゅうだけどね」という言葉にヒヤリ・・・。でも、「ケンカしてもすぐ忘れちゃう」そうで、さらにお互いに尊敬しあっているところも随所に感じられて、ほっとしました。
包み隠さずいろいろなことを正直に話してくださった、なんともステキな鈴木家。写真撮影では、はにかみながらも最高の笑顔を見せてくれました!
鈴木家のストーリーを読めば、きっとさば味噌煮をよりおいしく召し上がっていただけるはずです。(おみやげに買った鮭ハラス塩焼きもジューシーですばらしかったので、こちらもぜひ!)
変わるほうも変わらないほうも渋谷特集で
魚力のさば味噌煮愛を熱く語っておきながら、できたてほやほやの渋谷ストリーム内にオープンしたシーフードレストラン「XIRINGUITO Escriba(チリンギート エクスリバ)」でいただいたパエリアもおいしすぎて、先日、夢に出てきました。でも、パエリアとさば味噌煮、どっちがよりおいしいかなんて、決められません。両方おいしい。
変わり行く渋谷も、変わらないほうの渋谷も、両方おもしろい。渋谷特集の誌面を読んで、そんなふうに思っていただけたら嬉しいです。
OZmagazine11月号「新・渋谷さんぽ」特集
人があふれるスクランブル交差点に、夜中まで明るいセンター街。そんなイメージの強い渋谷が、今、大人の居場所へと生まれ変わっています。開業したばかりの「渋谷ストリーム」や「渋谷ブリッジ」の建物沿いには渋谷川が復活しました。日本茶のお店など、ほっこりスポットが増加し落ち着いた雰囲気の代官山や恵比寿周辺、器もごはんも楽しめるハイセンスな施設のほかクリエイティブな場所が増え続けている代々木八幡方周辺・・・。今までと違う新しい渋谷さんぽで、いい1日を。
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