レトロ喫茶を巡る銀ブラさんぽの楽しみ

更新日:2018/09/28

このページでは、毎号のオズマガジン制作の編集後記のような、こぼれ話のような、誌面に載せきれなかったサイドストーリーを編集部員が少しずつご紹介しています。今回はクリヤマが銀座の喫茶店についてお届けします。

こんにちは。編集部のクリヤマです。発売中の銀座特集、今年も多くの方に手に取っていただけているようで、編集部一同とても嬉しくそして少しほっとしています。(というのもつかの間で、次号「渋谷特集」の製作が佳境です)。

そんな今週末9月29日(土)は、銀座特集に合わせたイベント(詳細はコチラ)も開催。今日は当日先着でお配りするオズマガジン銀座特集限定トートバッグが編集部に届きました! ココでしか手に入らないバッグ目がけて、ぜひ足をお運びいただけたら幸いです。

今日は銀座特集で私が担当したページの中から、喫茶店のページの裏話を少しだけお届けします。歴史ある街・銀座を体感できる喫茶さんぽ。ぜひみなさんもイベント当日や銀座にお越しの際にお楽しみください。

銀ブラのはじまりはここから

「銀ブラ」の語源にはさまざまありますが、有力と言われるひとつは「銀座でブラブラお買い物すること」、そしてもうひとつが「銀座にあるカフェーパウリスタでブラジルコーヒーを飲むこと」。みなさんはこの「カフェーパウリスタ」に行かれたことはありますか。

1911年(明治44年)に創業したパウリスタ。関東大震災で一度焼失し1970年に復活しましたが、現在営業している喫茶店では日本最古と言われているお店です。

1階の喫煙席は開業時を思わせるキャラメル色のソファやシャンデリアが残るハイカラな空間。そして2階は現代的でスタイリッシュな空間になっていて、オープンカウンターでコーヒーを淹れる手さばきも見ることができます。今回は東京喫茶店研究所二代目所長の難波里奈さんとともにそのカフェーパウリスタへ伺いました。

続けることは、変化しながら変わらずにいること

銀座とお店の歴史についてお話を伺った際、店長の矢澤さんは「変わらないでいることと同じだけ、勇気を持って変化していくこと」を大切にしているとおっしゃっていました。

例えばその姿勢はメニューや空間にも表れています。今お店のメインになっている「森のコーヒー」というブレンドは、お店の創業時から続く味ではなく、より現代に合わせた味。ブラジルコーヒーという部分はそのままに、よりすっきり飲みやすく程よい酸味を感じる軽めの味わいに仕上げているそうで、それは現代のコーヒーのムーブメントに合わせた変化だそうです。

でも一方できちんと、長年通い続ける常連さんなど創業時の味わい(深煎りで苦みも感じるどっしりとした1杯でした)を愛するお客様のために「パウリスタオールド」という、創業時より変わらない味わいのコーヒーもメニューにきちんと残っています。

2階にスタイリッシュな禁煙席を作り客席数を増やすことを決めたときにも、反対意見がたくさんあったそう。でも今では結果的に銀座の真ん中に100席もの大きなカフェがあることで、新たな客層がパウリスタに足を運ぶきっかけにもなっています。

時代に合わせて変化しながら、守り続けるところは守る。そのしなやかな姿勢にこの銀座の街で今までお店が続いてきた所以とこれからの可能性を感じることができました。

長い歴史を刻むお店は日本全国にほかにもたくさん。各地の喫茶店を巡り歩いてきた難波里奈さんの目線で語られるパウリスタの物語もぜひ誌面でお楽しみください。

趣ある喫茶店が銀座にはたくさん

そんなパウリスタの周辺にも銀座には歴史を刻んできた素敵な喫茶店が多数。「レトロかわいい」とひとくくりに言っても、それぞれのお店の誕生した時代背景はさまざまです。

回転扉が趣深い1936年創業の「トリコロール 本店」や、クラシックが流れる1947年創業の「銀座ウエスト 本店」など、昭和初期に誕生した喫茶店たちや、1970年(あのジョン・レノンがよく銀ブラをしていた頃)に誕生した「樹の花」。

どちらもレトロ喫茶ではありますが、創業年に30年も時間があくと、その店の雰囲気やメニューに違いがあります。コーヒーの価格の変遷やスタッフさんの制服など、細かな部分に目を向けてお店を見てみると、銀座の年代ごとのストーリーが見えてきます。

今回はそんな、ちょっとマニアな視点でお店たちを分析したカタログを作りました。

ぜひ雑誌を片手に喫茶店を年代別に巡りながら、コーヒー1杯の時間旅行へ出かけてみてください。

銀座はやっぱり歴史ある街でした

今まで知っていた街や場所のことも、詳しい方のお話を聞いてその歴史を知ればよりおもしろく新たな発見がたくさん。そんな種をぎゅっと詰め込んだ1冊。ぜひご覧いただけたら幸いです。

また現在オズモールの銀座特集では、銀座で2番目に古いバー1967年創業の「JBA BAR SUZUKI」でバーテンダーさんからカクテル作りを教わる企画や、少し毛色は変わりますが、銀座のご近所・人形町で街の歴史やお寺の怪談話を楽しめるイベントも開催予定。以下のリンクからぜひCHECKを。

街の人のお話を聞いて、いつものさんぽをより深く楽しめるきっかけが盛りだくさんですので、誌面上でも、リアルな場でも、街の歴史や物語をじっくりお楽しみください。

それでは今月も、銀座でよい1日を。

老舗BARでバーテンダー直伝のカクテル作り
お寺でゾクゾク!講談師による怪談体験

OZmagazine10月号「素敵な銀座」特集

昔から多くの人に愛され、新しいカルチャーも集う銀座。今年の銀座特集は、あなたのあれ知りたい!や、これがほしい!に応えます。ニューフェイスの東京ミッドタウン日比谷やSONY PARKの巡り方、新店から定番まで揃えたモーニング、ランチ、おやつにディナー・・・。今日の気分やニーズに合わせて、ぴったりのトピックスを選んでみてください。それだけで自分だけの銀ブラができるはずです。銀ブラを楽しんで、いい1日を。

発売
2018年9月12日(水)
定価
593円+税
販売場所
全国の書店、コンビニエンスストア、駅売店などで発売
購入はこちらから

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※記事は2018年9月28日(金)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります