このページでは、毎号オズマガジン制作の編集後記のような、こぼれ話のような、誌面に載せきれなかったサイドストーリーを編集部員が少しずつご紹介しています。今回は編集長の井上が、「歩く」鎌倉をおすすめします! 写真は長谷の「KANNON COFFEE」にて
こんにちは、オズマガジン編集長の井上です。オズマガジンの鎌倉特集が発売されて2週間ほどがたちました。おかげさまでいろいろな人に手に取っていただけているようです。ありがとうございます。鎌倉にもたくさんの人が足を運んでいるようで、週末はたいへんなにぎわいとか。ぜひ、この号をおでかけの参考にしてもらえたらと思います。
さて、今日は、どんなことを考えながらこの特集を作っていたか、少しだけお話しさせていただきます。鎌倉特集を10年以上続けていて感じることは、この町は歩いて回るのがとにかく楽しいということ。駅の周辺には色とりどりのお店が立ち並び、路地裏に入れば風情ある景色に出会えます。
鎌倉駅の喧騒を抜けて、隠れ家をめざして
まずはなんといっても鎌倉駅の周辺。ご存じの通り、とにかくたくさんのお店が並んでいるので、これを巡っていくだけでもとても楽しいですね。ただ、あまりにも人が多いことも事実。なので、今回は中心部をちょっと離れて静かなエリアに向かう方法をご紹介しています。
目玉は、「一条恵観山荘(いちじょうえかんさんそう)」。江戸時代初期に京都で造られた建物が、昭和34年に鎌倉に移築され、昨年より一般公開がスタートしました。ここまでは鎌倉駅から30分ほどの道のりですが、途中のよりみちを楽しみながら歩いていると知らず知らずリフレッシュできます。
意外かもしれませんが、鎌倉は人が集中する一部を外せば、あとはだいたい落ち着いています。人に疲れたらとにかく路地にそれるのが、コツ。すると、景色や風の音を感じる余裕も生まれ、鎌倉の魅力をフィジカルに感じ取ることができます。路地裏にも、いいお店がありますし、突然現れる小さな寺社が素敵だったりもするのです。
たくさんの情報を紹介しておいてなんですが、偶然の出会いを信じて、えいやと路地を歩いてみるのは、鎌倉の楽しみ方のひとつ。
路地裏の風景に鎌倉の暮らしを感じる
歩くことをすすめるもう一つの理由は、地元に暮らしているムードを感じられるからです。とにかく小さな路地が入り組んでいる鎌倉は、歩いても歩いてもまだまだ知らない道が出てきます。
江ノ電の線路脇の小道もあれば、地元の人の生活道路もある、そしてそこにはなんとも言えないこの街の情緒が感じられます。古民家を目にしたり、季節の花が咲いていたり、買い物袋をさげたご近所さんが通ったり。海の近くではサーフボードを見かけることも。
観光客もあまり通らないので、地元の人にとっては使い勝手がいいのでしょう。そこを歩くと、鎌倉に暮らすってこういうことかな、と少し想像が膨らむのです。
なにげないシーンなのですが、鎌倉っていいなぁと感じるから不思議なものです。そして時折、地元の人御用達の素敵なお店も待っていてくれるんですね。ちなみに今、ちょっとだけ鎌倉移住を検討しているという個人的な事情も相まっていたりします。
誌面では、鎌倉駅から長谷駅までのガイドを紹介していますが、ここは江ノ電で3駅分の距離。まっすぐ歩いてわずか20分ちょっとの距離なので、ぜひ歩いていただきたく(週末は江ノ電がかなり混雑しますので)。途中にカフェも食事処もたくさんあるので、休憩しながらぶらぶらしちゃいましょう。
長谷に着いたら、ここでも路地に入ってみてくださいね。誌面で大きく紹介しているKANNON COFFEEも、素敵な古民家カフェも、全部路地裏にあります。驚くほど細い道の先にお店があったり、その向こうに海が見えたり。ちょっとした冒険気分を味わってもらえると思います。
よりみちで五感を使って、いい1日を。
そのほか、稲村ヶ崎駅から江ノ電沿いを歩くのも楽しいですし、七里ヶ浜駅から坂をのぼってそこから見える海も、誌面で紹介させてもらいました。とにかく、歩いてほしい場所がたくさんあるということです。
僕たちは「よりみち」をテーマに雑誌を作っていますが、鎌倉はまさに「よりみち」にぴったりの町。たくさんよりみちをすると、たくさんの出会いがあります。情報は自宅にいながらにして無限に手に入りますが、やっぱり自分の足で歩いて、自分の目で見て、自分の舌で味わう体験は、なににも代えがたいものです。
長くなりましたが今日はこのへんで。鎌倉で、みなさんに素敵な出会いが訪れるといいなぁと心から願っています。それではどうぞ、いい1日を。
OZmagazine5月号「新しい鎌倉へ」特集
オズマガジン鎌倉特集の関連記事
雑誌OZmagazineは、日々の小さなよりみち推奨中。今日を少し楽しくする、よりみちのきっかけを配信していきます。
OZmagazine WEB よりみちじかんTOP