オズマガジン編集長のトリメキカメラさんぽ 1歩目
オズマガジン編集長の古川が、写真に撮ることで日常のトキメキを記録する「トリメキ」さんぽを始めました。「トリメキ」というのは、カメラマンの川島小鳥さんが日常のキラキラしたものやことを撮影するオズマガジンの連載でした。その「トリメキ」を小鳥さんから引き継いで復活させたのがこの連載。編集長は、愛機の「OLYMPUS PEN E-PL8」(ブラック)を片手に、今日はどこで「よりみち」をしているのでしょうか?
更新日:2017/07/18
僕はずっと文章を書くことが好きで、言葉の限定性のようなものに一貫して惹かれています。言葉の不自由さゆえの想像力のようなもの。不自由だからこそ、それがわかりあえた時の喜びの嬉しさ。その瞬間を求めてモノヅクリをしてきたように思います。
それに対して、写真は気になりつつも「本格的に手を出せない」でいる存在でした。そこに広がっている本当に奥の深い世界を感じているからこそ、中途半端に手を出せないという感じでしょうか。僕はなんにせよ好きになったらとことんこだわってしまう性格(でもなかなか好きにならない)なので、写真は自分にとって「好きになる」要素しかないことを知っていたからです。それを言語化すると、ここでも「限定性」という言葉がいちばんしっくりきます。写真は言葉のように説明はできないけれど、言葉では語れないものを写してくれる(ことがある)。でもその「限定性」が見る人の想像力に働きかけられるかというのは、また別の問題です。いい言葉がときどき国境も心の壁も越えるように(例えばジョンレノンの歌は世界中で知られています)、いい写真というのは理屈を超えています。でもいい写真ってなんだろう。その難しさを感じているからこそ、なかなかカメラに深入りできずにいました。
でも、僕はついにお気に入りのマシンを手にしてしまいました。PENの黒。とってもかわいいやつです。そうなると、こだわりが強いわりには足取りが軽いのが僕の性格のいいところです。軽さ、操作性、このマシンはどれをとってもノーストレス。いよいよ僕は「自分の写真」を撮るための相棒を手に入れました。
みなさんに「よりみちしながらいきましょう」と言っているオズマガジンですから、編集長の僕は「よりみち」のリーダーなわけです。これから毎月みなさんに、積極果敢にスキルを無視して、僕のよりみちで出会ったトキメキを写真に撮って紹介したいと思います。
最初の「よりみち」は大好きな鎌倉から。雨上がりの駅を出発です。よりみちで大切なのは知らない道を怖れないこと。だいたい方向があっていればいいのです。車が通らないような細い路地を歩くだけで、たくさんの発見があるものです。さて、どこに行きましょうか。
PENを持って歩いていると、歩くペースが変わったことに気づきます。いつもより少しだけ、ゆっくりになったのです。それから、目に入るものの解像度があがったような気もします。たぶん写真を撮るものを探していたから、目に映るものを「見て」いたのだと思います。いつも目的地から目的地に効率よくたどりつくことを考えてしまって、あまりなにかを「見る」ことをしていなかったことに気づきます。僕らはどうしても日々できるだけ無駄を省くことを考えがちですが、カメラを持っているだけでこうも意識が変わるものでしょうか。びっくりです。雨上がりの鎌倉の町はまだ雲が多くてどんよりしていましたが、そこかしこに明るい色の花が咲いていて、夏の気配がしていました。
それからもうひとつ。トキメキを探して歩いていると、そのあいだはスマホをカバンからほとんど取り出しませんでした。最近は写真もスマホで済ませることが多かったので、それも新鮮な発見。路地から路地をつたって歩いていると、雨に濡れた赤い紫陽花の花が本当にきれいでした。カメラをさげていなかったらたぶんこの道は通らなかっただろうし、雨上がりの紫陽花がこんなにもきれいなことも知らなかったと思います。
鎌倉でトキメキを感じられるものといったら雑貨です。なかでも僕がいちばん好きな雑貨店は「moln」。店主の佐々木さんのセレクトが大好きで、鎌倉を訪問するたびに立ち寄ってしまう「よりみち」スポットです。
佐々木さんは販売している商品を説明するとき、その商品の特徴ではなくて、いつもその商品が生まれてきたストーリーを話してくれます。だから僕らはついそれらを自分の近くに置いておきたくなってしまうのです。それは棚に陳列された商品(ただ見た目もかわいいのでそれだけでほしくなっちゃうのですが)からは伝わってこない情報です。だからその可視化されていないものを佐々木さんから教えてもらうと、もっともっとその商品が欲しくなってくるのです。
佐々木さんにお願いして、試しにその商品を撮影してみました。でもどうしてもその写真からは、その商品の見た目以上の「物語」の気配がしてきませんでした。
そこで、カメラを絞り優先にして(モードダイヤルをAのところ)F値は3.5に。レンズの開放時間を短く、影を意識して暗い部分を意図的に強調すると、少しだけ写真が変わってきました。
この写真が好きか嫌いかは意見が分かれるところだと思いますが、少なくとも僕は佐々木さんに教えてもらった商品の物語を纏った商品を写真に写すとき、このくらいのトーンが好きだなと思いました。
「写真はその人の見ているものを写している」と誰かに言われたことがあります。僕はその写真を撮ってみて「そういうことなのかもしれないな」と思いました。
もっともっと写真が撮りたかったけど、もう時間切れ。また次の「よりみち」に。でももう僕のカバンにはPENが入っているので、意識しなくても毎日がよりみち気分なのです。また写真を撮ってこの場所でお会いしましょう。
では、いい1日を。
スマートフォンとの連携で、写真を簡単転送
もともとがアナログでメカが苦手な僕なんですけど、PENは自分のスマホに、簡単に写真を転送することができました。Wi-Fiを内蔵しているので、専用のアプリ「OI.Share」をスマホにダウンロードしてカメラとスマホを連動させれば、撮った写真を一瞬でスマホに転送できるんです。初期の設定は、モニターに表示されるQRコードをスマホ側で読みこむだけなのもわかりやすいですね。これならPENで撮影した写真をオズマガジンのフェイスブックにもすぐにアップできそうで嬉しいです。スマホをリモート代わりにした「リモート撮影」もできるみたいです。さっそく憶えなくちゃ。きっとこれはすごく便利ですね。
みなさんの写真もシェアしてください!(トリメキキャンペーンのご案内)
これから僕もいろいろな場所を「よりみち」して、トリメキ写真をたくさん撮っていきたいと思います。みなさんも日常の中で撮影した #トリメキ写真を、インスタグラムでぜひアップしてみてください。#トリメキ をつけて投稿していただければと思います。投稿いただいた中から毎月4名の方の写真を僕が選ばせていただき、こちらのページで紹介させていただきますね。紹介された方には、写真が楽しくなるグッズをプレゼント。11月の最終回はカメラもご用意しています。オリンパスの公式インスタグラムsweetphoto_olympusもフォローしてみてください。オリンパスのカメラで撮影された写真が投稿されています!
SWEET PHOTOもチェックしてみてくださいね
僕もさんぽに出かける前に参考にしたページが「SWEET PHOTO」。写真の撮り方のレクチャーページはもちろんものすごく役に立ったんですけど、それだけじゃないんです。なんとこのページ上で写真の加工が楽しめたり、写真を投稿できたりと、オズマガジン読者の女性にもぴったり。カメラを持って町に出る前に、ぜひチェックしてみてくださいね。
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