「本の町さんぽ」特集のサイドストーリーその2

このページでは、毎号のオズマガジン制作の編集後記のような、こぼれ話のような、誌面に載せきれなかったサイドストーリーを編集部員が少しずつご紹介しています。今回の担当は、タキセです。

更新日:2017/06/28

本の声が聞こえる本屋さん

荻窪の新刊書店「Title」さん。今回私たちが「本の町さんぽ」特集を作るきっかけになった本屋さんのひとつです

今回の「本の町特集」で私が担当したのは、トップバッターの「荻窪〜西荻窪」エリア。2016年に誕生した新刊書店の「Title」さんは、荻窪駅から徒歩10分以上かかる場所にあります。なのに近隣にお住まいの方だけでなく、遠方から訪れるリピーターのお客さんもいらっしゃいます。

古い木造建築を利用した建物はなんだか懐かしくて、味があります。書店スペース以外にも、カフェ、ギャラリーもあって、本を買う以外にもお楽しみが用意されています。でも「Title」さんのいちばんすごいところは、やはり本が並ぶスペース。ここでは、なぜか読みたい本に次々に出会ってしまうのです。『悲しみの秘義』、『東京ひとり歩き ぼくの東京地図。』、『すべての雑貨』、『字が汚い!』、『デザインってなんだろ?』、『世界をきちんと味わうための本』…。すべて、この特集を作っている2カ月くらいの間に、私が何度か「Title」さんを訪れる中で出会い、その場で買ったり、後でほかの本屋さんで買ったりして読んだ本たちです。

私は、普段から本を買って読む習慣が平均よりはあるほうだと思います。それでも正直に告白すると、本のページをめくるより、スマホを見る時間のほうが長くなった自覚はあります。

ネットには読み切れないほどたくさんの記事や情報があふれていますし、小説なら電子書籍という手もあります。リアルな本はお財布にもバッグにも負担がかかります…。なので普段は読みたい本に出会っても、躊躇する気持ちはどこかにあります。でも、「Title」さんでは、そんな躊躇はふわーっと飛んでいって、「読みたい→レジ」が一瞬で、いつの間にかこんなに読んでいました。

オーナー辻山さんのセレクトのセンスと、陳列テクニックによるところも確かにありますが、なんだか本が「ここにいるよ。読んでみて。」としゃべりかけてくるような気がするのです。こんな本屋さんが近所にある方がうらやましいと思いつつ、近所にあったら散財しすぎてしまいそうですから、やっぱりたまにお邪魔するくらいが私にはちょうどいいのかもしれません。

歩けばく歩くほど楽しい本の町

右のページが「ガレット&ソックス aruiteru」さんのクレープ。このアニマルスタンドにひと目惚れしました。最近再訪したときに、コアラがレアキャラだと教わりました

とはいえ、どんなにいい本屋さんでも、わざわざ最寄りでもない駅まで電車に揺られ、結構歩いて1軒に行こう! …とは、なかなかお誘いしづらいもの。でもご安心ください、いい本屋さんに向かう途中の道もまた、いえ、途中の道こそ楽しいのです。これが今回の「本の町さんぽ」の特集のエッセンスだったりします。

ということで突然ですが、私の好きなよりみちルート荻窪編をご案内します。荻窪駅の北口を出てすぐ、まずはおにぎり専門店「ある日」さんで腹ごしらえ。具なしの塩おにぎりでも永遠に食べられそうなくらいおいしいです。北欧風カフェ「istut」さんでは、お茶ができるほか、レアなフィンランドビンテージの雑貨にも出会えます。細い小道・教会通りのちょっと懐かしい商店街の雰囲気を味わいつつ、「はちみつ専門店 ラベイユ 荻窪本店」さんで、定番のアカシアはちみつを入手。

さらに青梅街道をぐんぐん“歩いてる”と、「aruiteru」さんに到着。ここは、靴下作家だったオーナーの熊澤さんが「ガレットも好きだから」ということで始めた、何とも斬新な「ガレットとソックス」のお店。ちなみにこちらは春にできたばかりで、最初はなんのお店かもよくわからず入ってみました。クレープはおいしかったのですが、なによりクレープスタンドのネコがかわいすぎて、その場で熊澤さんに取材オファーをしたのでした。

素材にこだわった焼き菓子専門店「Bakeshop Turqoise」さんや、(いい意味で)カオスなサブカル系古書店「象のあし」さんも欠かせません。こんなふうにたっぷりよりみちしているうちに、いつの間にか「Title」さんに到着! 

ちなみに私は行きとは違う道を通って帰りたいタイプなので、その後、西荻窪駅までさらに歩いてしまいます。直線距離では、荻窪駅よりちょっと遠い20分くらい。でもこれがまた、思わずよりみちしたくなるお店にいっぱい出会ってしまい、なかなか進めないのです…。駆け足でご紹介した荻窪のお店とともに、西荻窪のよりみちスポットは、ぜひ誌面でチェックしてみてください。

オズマガジンの今月号では、ほかにも編集部員が歩いて歩いて歩いて見つけた「本の町」のよりみちルートがたくさん紹介されています。この中から、ひとつでもお好みのルートを見つけていただけると嬉しいです。

来週はまた、別の編集部員がお話しさせていただきますのでお楽しみに。どうぞ、今日も、いい1日を。

OZmagazine 7月号「本の町さんぽ」特集

OZmagazine 7月号「本の町さんぽ」特集

発売日/2017年6月12日(月)
価格/593円+税
販売場所/全国の書店、コンビニエンスストア、駅売店などで発売中

雑誌OZmagazineは、日々の小さなよりみち推奨中。今日を少し楽しくする、よりみちのきっかけを配信していきます。

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※記事は2017年6月28日(水)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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