「本の町さんぽ」特集のサイドストーリーその1
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更新日:2017/06/21
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こんにちは、オズマガジン編集部のイノウエです。このページでは、毎号のオズマガジン制作の編集後記のような、こぼれ話のような、誌面に載せきれなかったサイドストーリーを少しずつご紹介します。
表紙にならなかった表紙の話
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こちらの写真はオズマガジンの表紙のボツ候補です。オズマガジンは、表紙のデザインを通常5~8パターンくらい制作します。いろんな人に意見を聞いたり、ときには書店に持ち出して棚に置かれたときの見栄えをチェックしながら最終的にひとつに絞り込んでいきます。
最初からこれに決めてました!というときもあれば、最後まで迷いに迷うこともあり、なかなか難しい作業であると同時に、とても楽しい時間でもあります。なにが正解かは発売後の今もわかりませんが、自分なりにこれがベストと信じて送り出しています。
でも、世に出なかったこの子たちも大好きだったのにな~と思うことが多々あるので、今回こちらでチラ見せしてみました。みなさんのお好みの写真はありますでしょうか。
田原町が新しい本の町に!
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4月にオープンした新刊書店の「Readin' Writin'」さんは、木材倉庫をリノベーションしたお店。田原町という浅草のひとつ隣駅にあります。実は、編集作業がかなり進んだ段階でこちらのお店がオープンするということを聞き、慌ててオープニングに伺いました。
到着した瞬間に、この素敵空間に一目ぼれ! その場で取材交渉をさせていただき、無事にご快諾いただけたのでページを捻出したのです。オーナーはもと新聞記者さんで、そのキャリアを生かして「書くこと」にもこだわる本屋さんです。イベントやワークショップも企画中ということなので今後が楽しみです。
そして、田原町は実はいろいろおもしろい店がたくさん。「パンのペリカン」さんは絶対に行きたいですし(午前中に行かないと売り切れること多し。あと日曜休みです)、「イリヤプラスカフェ@カスタム倉庫」さんはよく立ち寄るカフェ。昨年末にできたばかりの「木村洋食店」さんは、料理はもちろんのこと、ご主人と奥様の人柄も絶品なので、ぜひ訪ねてほしい1軒。
田原町は、浅草も合羽橋も蔵前も近いので、まとめてぐるっと散策がおすすめです。いい本屋さんができると、町がおもしろくなる。そんな例になるんじゃないかと、今後もチェックしていこうと思います。
すごい絵本が生まれました!!!
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今回、イラストレーターのmakomoさんに、『北風と太陽と王様』という短い絵本を描きおろしてもらいました。これがもう社内外で大評判です。makomoさんは、独特のキャラクター造形や、ゆるいストーリーで多くの人がとりこになっている作家さん。オリジナルグッズもかわいいです。
実は最初は4ページの企画でオファーしたのですが、「物語の世界に入り込んでもらうには6ページのほうがいいのでは」というお返事をいただいたので、急きょ増ページ。結果は、大成功! ここでは見開きだけご紹介しますので、残りはぜひどちらかで誌面をチェックしてみてください。キャラの細かい動き、お話しのオチ、味わうほどに深読みできちゃうテーマ、どれもたまりません。ラストの「ちょうどいい。」は個人的流行語大賞です。
特に役に立つ情報ではないですが、こういう誌面での遊び心もよりみちのひとつだと思っているので、大切にしていきたいと思っています。
そんなこんなでこの本買いました。
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最後に、今回の取材でいろいろな本屋さんを巡るうちに買った本を勝手にお披露目します。
左から村上春樹・文、佐々木マキ・絵の絵本『羊男のクリスマス』(講談社)は、水道橋の梨の木舎さんで。
注目の批評家によるエッセイ『悲しみの秘義』(若松英輔・著/ナナロク社)は、荻窪のTitleさんで。
『現地在住日本人ガイドが案内する ダナン・ホイアン・フエ 』(隈野史郎・著/東京ニュース通信社)は、神保町の内山書店さんで。
この3冊とも、出会うまではタイトルも知らない本だったので、本屋さんに足を運ばなければ知ることもなかったはず。こういう偶然こそが、僕たちがこの特集でお伝えしたかった醍醐味でもあります。ひとつでも多くの本と本屋さんとの幸福な出会いがあるといいなと願っています。
さて、今日はこの辺で。また来週、別の部員が、なにかお話しさせていただきますね。どうぞお楽しみに。では、いろいろありますが、いい1日を。
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