文筆家・甲斐みのりさんが東京でめざして訪れたいおやつの店をピックアップ。今回は「パンとお菓子と料理の店 tonttu」で購入できるクッキーをご紹介します。
画像/プレーンクッキー(きりん3個入り・ねこ4個入り・はりねずみ6個入り・かめ6個入り) 各399円・しろくまバニラ2個入り 334円・食パンショートブレッド2個入り 334円
赤い扉と木の看板が目印。愛らしい動物やパンをかたどったクッキー
tonttu(トントゥ)とは、北欧・フィンランドの昔話に登場する、赤い帽子をかぶった小さな妖精のこと。クリスマスにサンタクロースを手伝ったり、農家やサウナの守り神とされたり、家に住み着くと幸せが訪れると信じられたり。日本における座敷童のような存在といえるでしょうか。
そんな愛らしい妖精の名を冠した、「パンとお菓子と料理の店 tonttu」。阿佐ヶ谷の目抜き通り・中杉通りから小道を入った住宅街の中にあり、赤い扉と木の看板が目印です。この道をよく通る私は、パンを買うためときどき立ち寄っているのですが、入口を入ってすぐ目につく棚に並ぶ愛らしいクッキーたちに心奪われ、手土産によく利用しています。
ねこ、きりん、はりねずみ、かめなど、動物をかたどった「プレーンクッキー」は、アーモンドパウダー入りでサックサク。バニラビーンズ入りでぽってり厚みのある「しろくまバニラ」は、発酵バターを使っていて濃厚。へーゼツナッツパウダーを合わせた「くろくまチョコ」もあります。
食パンに顔を描いた「食パンショートブレッド」は、発酵バターと奄美のきび砂糖の組み合わせで、こっくり深く贅沢な風味。粗く砕いたアーモンドがざくざくと心地いい食感の「バゲットクッキー」もイチ押しです。他にもキリンやリスやと、季節やその日ごと、さまざまな味と形の焼菓子が登場します。どれも素朴で懐かしい味わい。母と一緒にクッキーを作った温かな記憶が蘇ってきます。
ネコやウサギのパンもあるので、お皿の上に一緒に並べて楽しんではいかがでしょう。動物たちの表情に、思わずにっこり。優しいおやつの時間が待っています。
取材・文/甲斐みのり
おやつDATA
- 商品名
- プレーンクッキー(きりん3個入り・ねこ4個入り・はりねずみ6個入り・かめ6個入り)各399円・しろくまバニラ2個入り 334円・食パンショートブレッド2個入り 334円・バゲットクッキー4個入り 378円
- 販売店
- パンと料理とお菓子の店 tonttu
TEL.03-5347-9085
住所/東京都杉並区阿佐谷南3-30-2
営業時間/10:30~17:00、カフェ11:30~16:00 (ランチプレート13:00LO)
定休日/月・火・金
アクセス/阿佐ヶ谷駅または南阿佐ヶ谷駅より徒歩5分
PROFILE
甲斐みのり(かい・みのり)
文筆家。お菓子や地元パン、クラシックホテル、雑貨や暮らしなどを主な題材に、書籍・雑誌・WEBに執筆。各地の観光案内パンフレットも手がける。近著に『愛しの純喫茶』(オレンジページ)、『朝おやつ』(ミルブックス)などがある。
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TEXT/MINORI KAI PHOTO/MANABU SANO