素敵な布は、国外にもいっぱい。外国の布からは、その国の文化や歴史的背景を感じられ、身に着けるだけで異国の気分を味わえます。そこで今回は、非日常のエッセンスをまとえるアフリカのテキスタイルを発信するお店に、アフリカ布の魅力を伺いました。さらに、あわせて寄りたいテキスタイルのショップもご紹介! 表参道で世界を旅した布地に触れる1日をどうぞ。
アフリカ布の魅力を届ける「SAWA SAWA」10年目の挑戦
世界中で愛されているアフリカ布との出会い
創業10年目を迎えるアフリカ布のブランド「SAWA SAWA」が2021年10月、表参道に初の実店舗をオープン。世界中のクリエイターが注目しているというアフリカ布の魅力を、店主の齋藤舞さんに伺いました。
―日本ではあまり知られていないアフリカ布。そのブランドを立ち上げたきっかけは?
出会いは、ルワンダで仕事をしている友人からのおみやげ。日本にはないクリエイティブなデザインや色、自由な感性にほれ込んで、これをもっと広めたい! とブランドを立ち上げました。
当初は雑貨販売が中心でしたが、毎日の生活に取り入れてもらいたいと思い、アフリカ布を自社で仕入れ、日本で仕立てたオリジナル商品の販売を始めました。さまざまな布を見てきましたが、VLISCO社製の生地との出会いは衝撃! 染めの風合い、発色、コットンの品質、どれをとっても素晴らしくて。本社のあるオランダに行って熱意を伝え、VLISCO社から直接生地を取り扱うことに日本で唯一、成功しました。世界のビッグメゾンにも卸しているVLISCO社は敷居が高く、取り扱いを断られることも多いそうですが、「あなたの熱意に圧倒されてしまったわ」と言われたことを今でも覚えています。
これまでオンラインショップと「アフリカ布いち」というイベントを全国で開催していましたが、「実際に生地を見てみたい」「着てみたい」などのご要望が多く、実店舗をオープンすることになりました。
―そもそもアフリカ布とは。なぜオランダで作っているのでしょう?
本物のアフリカ布はワックスプリントという製法で作られていて、その起源はオランダの植民地だったインドネシアのバティック(ろうけつ染め)が起源。19世紀後半の産業革命の頃、ヨーロッパでろうけつ染めの機械化(ワックスプリント)に成功しますが、インドネシアへの輸出は振るわなかった。そこでアフリカで好まれるような柄に変えて販売したところ大ヒット! オランダやイギリス、日本でも作られアフリカへ輸出されていたという〝世界を旅した布〞なんです。
今、ハイブランドのクリエイターも注目していて、染めの技法もデザインも毎年新しいものが生まれています。歴史と文化が交錯し、進化をし続けているんです。中国製などデジタルプリントのイミテーションも多く出回っていますが、「SAWA SAWA」ではワックスプリントで染めた〝本物のアフリカ布〞だけを扱っています。上質なコットン生地を樹脂で防染し、手間暇かけて染色するから裏も表も柄がしっかり。アフリカの強い陽射しやドライな大気にも負けない布は色落ちもなく、ハリのある生地なのでアイロンいらず。普通に洗濯機で洗えて着心地も抜群です。
―大胆な柄の多い「SAWA SAWA」の服やアイテム。どのように取り入れればよいでしょうか?
普段、モノトーンの服が多い人は、顔から離れたボトムスから挑戦するのがおすすめ。黒Tシャツにスニーカーという組み合わせもかわいいですよ。アフリカ布で作ったnew Me!バッグもシンプルな服に映えて人気。1ヤードから布が買えるのでインテリアに取り入れてもいいですし、夏は浴衣に仕立てる方もいます。
アフリカ布は新作と古典柄があるのですが、新作は1回リリースされたら二度と出会えないので、ビビッときたら迷わず手に入れてください。また古典柄には意味があって、サークル柄は「己の行動は波紋のように広がる」、ツバメ柄は「自由・変化・繁栄」など。柄に込められたストーリーとともに身に着けるのも素敵です。
―齋藤さんにとって“すてきなテキスタイル”とは?
わくわくさせてくれるもの。自分が楽しいと思えるものが、私の生活を彩り、自分らしくしてくれます。運命のテキスタイルに出会えれば、ハッピーな毎日が過ごせますよ。
DATA
店名/SAWA SAWA 表参道
住所/東京都渋谷区神宮前3-2-17
営業時間/毎月1~7日の11:00~18:00
定休日/毎月8~末日
アクセス/表参道駅より徒歩7分
あわせて寄りたい!テキスタイルのショップ4店
今治謹製表参道
人気タオルブランドの初の旗艦店。金糸があしらわれたご褒美タオル(2200円~)はうっとりするほどやわらか。マスクやベビー用品もあってギフト探しにも重宝する。
DATA
住所/東京都港区北青山3-10-19 Arrows aoyama 1F
営業時間/11:00~19:00
定休日/火曜
THE LACE CENTER harajuku
全国でも珍しいレース専門店。自社オリジナルや英国・クルーニーレースを扱う。レースのジレ(襟)やカフス、ネックレスを合わせれば、シンプルな服も驚くほど華やかに。
DATA
住所/東京都渋谷区神宮前3-27-7 2F
営業時間/土曜11:00~18:00
定休日/日~金曜
Shop of TAKEFU“eau”
竹100%の繊維・TAKEFUの専門店。敏感肌の人にも嬉しいやわらかな肌触りで吸水性がよく静電気も起きにくい。インナーやマスク(1100円)など肌に優しいグッズが満載。
DATA
住所/東京都渋谷区神宮前4-24-24 ChouChou 1F
営業時間/11:30~18:00
定休日/なし
call
mina perhonenの直営店でインテリアに役立つアイテムが揃う。オリジナルテキスタイルが1m~購入できるインテリアファブリックは天然素材の心地よさやセンスが秀逸。
DATA
住所/東京都港区南青山5-6-23 スパイラル5F
営業時間/11:00~20:00
定休日/施設に準ずる
こちらもチェック!表参道エリアのカフェ
渋谷や原宿からもさんぽしながら行ける表参道は感度の高い、かわいいショップがたくさん。そこで今回はさんぽの休憩に立ち寄りたいカフェやベーカリーをご紹介! カフェ特製の逸品でホッとひと息つく心地よいひとときを。
【OZmallからのお願い】
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※オズマガジン2021年11月号「すてきなテキスタイル」の記事を一部転載
※掲載店舗などの情報は、取材時と変更になっている場合もあります。最新の情報は公式HPにてご確認ください
オズマガジン2021年11月号は「すてきなテキスタイル」特集
いつものおでかけをもっと豊かにしてくれる、“本当に納得できる理由がある”テキスタイルアイテムたちと、それらを楽しめる町を6つご案内。作家が作る手捺染のスカートに、総柄の傘、縫い目のない靴下など、ときめきいっぱい、素敵なテキスタイルの世界へとご案内。
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