「素敵な包装紙や紙袋、おやつの箱やコースターなど、気に入って持ち帰ったはずなのに持て余していませんか?」そう話すのは、紙の魅力を知り尽くす田中千絵さん。日頃から封筒など紙雑貨を手作りしている田中さんに、家で眠る紙たちを使えるものにアレンジするアイデアを教わりました。
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世にも楽しいエコ活動!エフェメラワールドへようこそ
ハサミを入れることで、小さな柄や手触りも再発見
「おなじみの紙袋や封筒を小サイズにリメイクしたり、見慣れたもののスケール感が変わるだけでかわいくて新鮮に感じますよ。アレンジするには、素材自体をよく観察し、活かす柄やサイズを決めるため、美しい色合いや質感、精緻なタッチや印刷の網点など、普段目につかなかった細かい部分までズームで見ているような発見も。できあがりが嬉しいのはもちろんですが、作る過程もまた楽しいんです」。
特性を『活かす』という発想が身につくと、身の周りにあるエフェメラたちが輝きを増し、かわいいものを作りだす素材にしか見えなくなってくるそう。想像力を働かせ、あなたの家に眠る紙たちも、いざ救出!
エフェメラとは?
ギリシャ語でかげろう(1日の命)の意で、「はかない」「短命な」ものをさす。使い終えたら捨てられてしまう、チラシやラベル、包み紙など、長期的に使われたり保存されることを前提としない印刷物類の総称。
準備するもの&基本の作り方
準備するもの
型紙を作るために使用するシャープペンや定規、紙を切るためのはさみやカッター、貼る・留める際に必要なのり、または両面テープのご準備を。両面テープは5mm~1cm幅が使いやすい。
これらの基本に加え、あると便利なのが細かい作業用のピンセットや、バッグの持ち手などに使用する穴あけパンチ。そもそもがどこかユルくなりがちなエフェメラワールドだけに、目測やフリーハンドではなく定規で測り、線を引くなど、要所を押さえると仕上がりに差がつく。
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かわいいエフェメラたち!
基本の作り方
素材となるものが紙袋や箱などの場合、まずは平面に切り開き1枚の紙にする(牛乳パックペン立てやキャンディ袋のポーチは除く)。紙の柄など活かしたい部分を観察し、それに合うサイズで展開図をもとに型紙をつくる。のりしろはたいてい1㎝程度取るとベター。
作った型紙を素材になる紙に当て、シャープペンでなぞり書きする(慣れてきたら型紙を使わず直接書き出したり、書かなくてもOK)。お菓子の箱などの厚紙を使って作る場合は、折り線部分にカッターの背などでガイド線を入れておくと、制作がスムーズになる。
なぞり書きした線に沿って手もとに注意してはさみorカッターで切り出す。のりしろ部分に両面テープを貼りつけ、成形する(のりでも代用できるが、紙がよれる可能性があるため、両面テープ推奨)。紙袋の持ち手など、余った紙も、別の制作に活かせないか想像してみよう。
レッツレスキュー!展開図を参考に作ってみよう
ミニ紙袋
【1】紙袋にアレンジしたい紙のサイズに合わせ、展開図を参考に折り目をつける。
【2】「1」ののりしろに両面テープを貼り、紙で筒を作るように貼り付ける。
【3】底をキャラメルの包み紙のように内側へ折り込み、「2」に両面テープを貼り底を作る。
【4】紙紐やリボンなど、持ち手にしたいものを好みの長さに切り、内側にテープで貼る。
ポイント
紙の活かしたい柄を、全体の縦×横のサイズに納まるように型紙を作る。マチとなる☆部分の幅よりも、底の★部分の幅を多めに取るのもポイント。持ち手側の上部を1cmほど内側に折り返しても仕上がりがきれいに。
ポチ袋
【1】ポチ袋の正面にしたいモチーフに合わせ、封筒の幅を決め折り目をつける。
【2】展開図を参考に、のりしろを1cmプラスした型紙を切り出す。
【3】のりしろ部分に両面テープを貼り、底の部分と裏側を折り、貼り付ける。
ポイント
紙の活かしたい部分(写真左のポチ袋では、ペコちゃんの顔やロゴ)が、紙の正面となるように、縦と横のサイズを決める。フタとなる見返し部分は、大きめに取ってもかわいく仕上がるので慣れたらアレンジもおすすめ。
牛乳パックのペン立て
【1】牛乳パックをよく洗い乾かし、好みの高さに切る(あまり高いとペンが取り出しにくい)。
【2】牛乳パックのサイズをもとに、画用紙や包装紙に展開図を書き、切り出す。
【3】包装紙に折り目をつけ、のりしろに両面テープを貼り、牛乳パックに貼り付ける。
【4】上部4辺それぞれをパックの内側へ折り込む。
【5】ショップカードやコースターなど、お気に入りの紙でデコレーションする。
ポイント
展開図の★部分は仕上がりの高さ、☆部分は牛乳パックの幅に合わせる(それぞれプラス3mmど余裕を持たせるとベター)。ペン立てにするなら、500mlサイズの上の三角部分を切るとちょうどいいサイズに。
オリジナルブックカバー
【1】展開図を参考に広げた包装紙の上に本を置き、おおよそのサイズのアタリを付ける。
【2】内側の折り込み分として、折り目より上下各3cm程度、左右各5cm程度大きめに紙を切る。
【3】本のサイズに合わせ包装紙の上下を折り込み、左右にも折り目を付ける。
【4】ブックカバーの中央に本の背表紙がくるように置き、折り目に沿って左右を折り込む。
ポイント
展開図の★部分が本の高さ、☆部分が横幅、△部分が背表紙の厚みに該当する。ハードカバーなど、厚みのある本の場合は、内側に折る部分をさらに上下左右各5cm以上余裕を見るのがおすすめ。
包装紙&お菓子のしおり
◆包装紙のしおり
【1】しおりの仕上がりの形とサイズを決め、仕上がり幅の3倍のサイズを取り展開図を書く。
【2】上下と左右片側にのりしろを各1cmプラスして切り出し、3重にして耐久性を高める。
【3】のりしろに両面テープを貼り、上下ののりしろ、左右片側ののりしろの順に内側に折る。
【4】穴あけパンチで上部中央に穴をあけ、紐を通す。好みの包装紙を切り出し、貼り付ける。
◆お菓子のしおり
【1】お菓子のパッケージなど、好みの部分を活かすような形とサイズに切り出す。
【2】穴あけパンチで上部中心に穴をあける。
【3】好みの紙紐やリボン、パンの袋を留めているカラータイなどをお好みで通す。
教えてくれたのはこの方(監修・リメイク制作)/田中千絵さん
アートディレクター/デザイナー。無類の紙好きで、ペーパークラフトのワークショップも多数開催。著書に『紙と日々、つながりを手作りする楽しみ』(キノブックス刊)など
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※オズマガジン2021年2月号『文具の楽しみ』記事を一部転載