このページでは、毎号のオズマガジン制作の編集後記のような、こぼれ話のような、誌面に載せきれなかったサイドストーリーを編集部員が少しずつご紹介しています。今回はクマダが文具特集のウラ話をお届けします。
先週、2月10日に発売したオズマガジン最新号は「楽しい文具と紙のもの」特集。私自身、文房具や紙モノ雑貨が大好きなので、個人的にも発売を楽しみにしていました。
今回の特集では、楽しい文具と紙雑貨に出会える町や、東急ハンズ&ロフトで見つかる個性派文具、40人のノート実例などを紹介しており、文具好きの方にはぜひ手にとって頂きたい一冊です。書店で見かけたら、ちらりとのぞいてみてくださいね。
今日は、私が担当したノート企画についてお話したいと思います。
40人が教えてくれたノートの楽しみ方
第二特集「楽しいノート入門」では、お笑い芸人の横澤夏子さんや、コラムニストの辛酸なめ子さん、デザイナーの田中千絵さん、漫画家の藤原嗚呼子さんなどなど、普段からノートをあたりまえに使っているみなさんにお話を伺いました。ご協力頂いたのは40名。みなさん、ノートを掲載したいとお願いすると快く取材を受けてくださりました。
横澤さんのノートには「あるある女性」のネタになりそうなメモがたくさん書いてあり、どのページを見ても笑えましたし、藤原嗚呼子さんのノートには見慣れない言葉がぎっしり(知っているようで詳しく知らなかった言葉や、初めて知る言葉をメモしているのだそう。ちなみに藤原嗚呼子さんの漫画『きまじめ姫と文房具王子』、とってもおもしろいのでオススメです)。
そんな中で自分でもぜひやってみようと思ったのが、ノートライフの始め方や続けるコツを伺ったハヤテノコウジさんの「見開き1ヵ月マンスリー手帳日記」。手帳の形式でよくある、見開きの1ヵ月カレンダーを毎日一コマずつ埋めていくというものです。
ハヤテノコウジさんは簡単なイラストを毎日ひとつ書かれているのですが、もちろん文字だけでもOK。この書き方だと1ヵ月経ったときに達成感を感じられるので、ノートを始めるきっかけにしやすく、また続けるおもしろさを実感しやすいんだそうです。ぜひ、手元にマンスリー型の手帳がある方はチャレンジしてみてください。
ノートを使っている人が実感しているノートのよさ
日頃からノートを使っている方々と話をしていると、本当にノートへの愛が伝わってきます。みなさん、スラスラと自分のノートに対する想いや考えを言葉にされるので、私もとても理解しやすく取材もスムーズでした。
「ノートは粗削りなまま書けるのがよい」とデザイナーの田中さんがおっしゃった言葉の通り、思考の中心からはみ出た部分を手書きでそのまま残せるのがノートのいいところ。
そのはみ出た部分にこそ、自分の本音が現われていたりするもので、きっとノートを日頃から書いている方々は、自分の思考と普段から向き合い続けているんです。だから、いつでも頭の中で考えていることや自分の想いをはっきりと言葉にできるのだろうなあと思いました。
また、書き続けるほどに達成感が積み重なっていくのもノートの魅力。初めはどっこいしょと始めたとしても、1カ月、3カ月、1年・・・と続けていくほどやめれなくなる。そこまでいけば、きっとノートのない暮らしには戻れないのでしょう。
「このノートは8冊目です」「このノートは15冊目です」という言葉が当たり前に取材中飛び交い、昔の自分のノートを見返しながら、みなさん「考えていることが変わっていない・・・笑」と、当時の自分と向き合っていらっしゃったのが印象的でした。
みんなのノートたちを見学できる場所
普段、他人のノートを見る機会なんてあまりないですよね。SNSなどで発信されている手帳やノートなら見ることはできますが、見せるつもりで書かれていないノートならなおさらです。でも他の人がどんなことを書いているのか、他人のノートって見たくないでしょうか?
もちろん、今回のノート企画では40名のノートを紹介していますが、もっと見たいという方へオススメしたいのが、他人の(誰にも見せるつもりで書いていない)ノートたちを自由に見ることができる「手帳類図書室」。
今回ノートを取材させて頂いた志良堂正史さんが、地道に収集されたコレクションの一部を好きに見ることができるという、ありそうでなかった図書室です。(志良堂さんは、現在1200冊以上のノートを持っていらっしゃるそう! そのうち300冊程度を図書室に置いているのだとか)
甘酸っぱい高校生の恋愛日記から、思考をひたすらつづったノート、不倫調査、闘病記録まで多種多様なノートがあるので、ぜひ訪れてみてください。オススメはひとりで行くこと。行間や手書きされた文字とじっくり向き合うと、その人の想いがすっと自分に伝わってくる感覚を味わえると思います。
ひたすらカワイイ文具から、ノートに込められた想いまで、文具にまつわるものをぎゅぎゅっとまとめた「楽しい文具と紙のもの」特集。ぜひぜひ、お楽しみいただけると嬉しいです。私もいい1日を残すノートを作りたいと思います。
それでは、今日もいい1日を!
OZmagazine 3月号「楽しい文具と紙のもの」特集
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