このページでは、毎号のオズマガジン制作の編集後記のような、こぼれ話のような、誌面に載せきれなかったサイドストーリーを編集部員が少しずつご紹介しています。今回は編集部員・タキセが担当した渋谷~代々木上原エリアのことをお届けします。
最新号「ひとり東京さんぽ特集」では、ひとりでさんぽするのにおすすめな13のエリアを紹介しています。
今回、私が担当したエリアのひとつが「渋谷~代々木上原」です。実はここ、私のリアルご近所エリア。ですから、ページでご紹介したのも、私が普段から本当にふらりと立ち寄るお店や、いつものさんぽの途中で発見したところばかり。
こちらでは、誌面で紹介したスポットの中から厳選したり、プラスしたり。地元民ならではの、私見多めのガイドをお送りします。誌面の副音声的にお楽しみください。
のんびり奥渋谷を出発
渋谷駅から10分ほど歩いた、いわゆる「奥渋谷」エリアがさんぽのスタート地点。奥渋谷は、新しい個性的なお店がたくさん増えている、東京でも屈指の注目エリア。こちらにできる新しいショップの多くに共通するのは、オリジナリティやセンスが光っていること。だからちょっと不便な場所でも、わざわざそこをめざして訪れたくなるんですね。
その一方で、昔ながらの魚屋さんで定食もおいしい「魚力」など、このエリアを長年温めてきた老舗も健在です。新旧両方のよさを味わいながら、よりみち多めで歩きましょう。
はずせないのが、ドライフラワー専門店「E.W.Pharmacy」。ラボのようなクールな空間のガラスケースに、色とりどりのドライフラワーがずらりと並んでいます。オーダーメイドスタイルで、1本ずつ花が選べ、パッケージかボトルにまとめてもらえます。
お客さんひとりずつにスタッフがひとり付いてくれて、丁寧に相談にのってくれます。同じ種類の花でも、枝振りや花のつき方が1本ずつ違うので、優柔不断な私は、しばらくケースに張り付いてじっくりと選ばせてもらいました。そのときのスタッフさんは、ずっと笑顔で付き合ってくださいました。感謝!
そろそろランチの時間です
奥渋谷エリアを抜けたら、代々木公園・代々木八幡駅周辺エリアに突入。そろそろお腹がすいてくる頃。カフェ「PATH」やビストロ「mimet」、人気ベーカリー「365日」やその系列のカフェ「15℃」など、名店がたくさん集まっていて、どこでランチするか嬉しい悩み。
中でも今、いちばんおすすめしたいのは、「Shelter KUKO cafe & gallery」。元助産師さんと看護師さんという、頼れるおふたりがオープンしたオーガニックカフェで、心と体を芯から癒すヘルシーな食事がいただけるのです。
「KUKO」は食事も素晴らしいのですが、もうひとつの癒されポイントは空間。ソファにゆったりと体を預け、大きな窓の外をぼんやりと眺めれば、至福のひととき・・・。自宅のリビング以上のくつろぎを保証します。
ラストは代々木上原周辺へ
代々木上原周辺には、古本屋さんから新刊書店まで魅力的な本屋さんがたくさんあるんです。誌面の「地元民の偏愛ひとりさんぽ日記」のコーナーは、各エリアに暮らす地元の方にお願いし、よく行くスポットやさんぽコースを紹介してもらったコラムなのですが、代々木上原在住のデザイナーのオーノさんのテーマも、本屋さんについてでした。
「幸福書房」は、一見するといわゆる町の小さな本屋さん。にもかかわらず、作家の林真理子先生や、雑誌『ケトル』編集長の嶋浩一郎さんなどがファンを公言しているすごい本屋さんなんです。駅前にあり、23時まで開いているので、私も仕事帰りに間に合うときはけっこうな確率で寄っています。
オーノさんもコラムの中で「ここに来ればなにかあると思わせてくれる」、と書いていますが、まさにそのとおり。一周では気付かないのですが、二周三周してみると、「あれ哲学書が多い」とか、「デザイン本が充実している」とか、だんだん書棚のカラーが見えてきて、買うつもりのなかった本にも引き寄せられてしまいます。
しかし、オズマガジンが発売された後にわかったことなのですが、幸福書房はこの2月で残念ながら閉店することが決まってしまったそうです・・・。林真理子先生も、『週刊文春』の連載コラムで幸福書房ロスについて書いていらっしゃいました。最後の日まで、後もう少し。ぜひ、幸福書房に行ってすごさを確かめてみてください。
夜はさくっと締めの1杯
本を手に入れたら、「Chelsea Bistro & Bar」へ。バーといってもコーヒースタンドのようなカジュアルさで、女子ひとりでも気負わず入れます。アルコールがあまり得意でない私でもつい立ち寄りたくなってしまうのは、この雰囲気と、おいしい料理にあります。
特に自家製のシャルキュトリーが絶品で、シンプルなハム&チーズサンドイッチもそれだけでディナーになるほどの満足感。もちろん、お酒が大好きな方にもぴったり。「ジン」の品揃えが素晴らしく、なんと180種以上も。マスターがなめらかに繰り出すジンのトリビアも、いいおつまみになってくれるはずです。
ここで厚くご紹介したのはたったの4軒ですが、どこもじっくり浸りたい場所ばかり。でもその道すがらも、ちょっと脇にそれた道にも、よりみちスポットにはこと欠きません。1か所でひたすらのんびりするのも、次から次へとはしごして巡るのも、お好きなように。だってひとりですから、マイペースでいいんです。
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