こんにちは。編集部のタキセです。
自他ともに認めるオズマガジン編集部一の「カフェマニア」です。
私タキセの担当回では、10年以上続くカフェの色あせない魅力を探っていこうと思っています。
10年後も行きたくなるカフェのことを、思い浮かべながら読んでいただけると嬉しいです。
ホームベース的カフェ
千駄ヶ谷にあるカフェTas Yardは、2004年にオープンしました。
手がけるのは、同じ千駄ケ谷に拠点を構え、インテリアデザイン事業のほか、複数のショップを運営するランドスケーププロダクツ。
実は、9年もの間、千駄ケ谷に暮らしていた私。
実家を除けば、今のところ人生でいちばん長く暮らした町で、第二のホームタウンのような存在です。
1軒に通い詰めるよりも、常に新しいカフェを開拓し続けたい派の私ですが、ホームタウンとなれば話は違ってきます。
遅く起きた週末にひとりでふらりと寄ってブランチを食べたり、のんびり読書をしたり、自宅を訪ねてきてくれた妹や友人を連れておしゃべりしたり。
ふと振り返ってみると、人生でいちばん多く訪れたのはTas Yardかもしれないということに、今、気が付きました。
ときめきが止まらない恋愛というより、そばにいるのが当たり前の家族愛とでも言いましょうか、回数を意識したこともなかったのです。
とにかく、私にとってはとても大切な、ホームベース的カフェでした。
3年ほど前に千駄ヶ谷から引っ越してしまった今でも、このエリアに来るたびに必ずと言っていいほど立ち寄ります。
魅惑のフレンチトースト
ダークトーンでまとめられたクールな空間ながら、ミッドセンチュリーをイメージしたオリジナルの木製のテーブルや、チョコレートブラウンにペイントされたスチールチェアがぬくもりを添えます。アートポスターが飾ってあるくらいで、ゴテゴテした装飾はありません。
そんなシンプルで都会的な洗練の中に、日本の地方のかわいい民芸品がさりげなく小道具として使われていたりして、親しみも感じられるところがニクいのです。働くスタッフさんも、シティーボーイ&ガール的ファッショニスタばかりなのに、やっぱりフレンドリーでまたニクい。
そんな空間ですから、リラックスしつつも心地いい緊張感を保つことができます。誰かとなら話がはずみ、ひとりなら読書や作業に集中できる、私にとってちょうどいい居心地なのです。
そしてメニューも語らずにはいられません。ネルドリップで抽出するコーヒー、鹿児島県産の食材で作るこだわりのフードやホームメイドのスイーツたちは、どれもちょっとした工夫がこらされていながらも毎日でも食べたくなる飽きの来ないおいしさ。
なかでも私が愛してやまないおやつが、フレンチトースト。アパレイユがしみしみのパンをオーブンでじっくりと焼きあげ、焦がしキャラメルでコーティングしています。
かむとガリッというほどしっかりした厚みのキャラメリゼは、絶妙なほろにが加減で、とろ~りとろける中のパンとの相性120%!
添えられた輪切りのフレッシュバナナと一緒に食べれば、また味の変化が楽しめます。
今日もこのフレンチトーストを食べる気120%で、高らかにオーダーしたら・・・
「すみません。本日分、終了してしまいました」
ショーック・・・。
週末とはいえまだ15時頃でしたが、なんとSOLD OUT。やっぱり人気者は違いますね。どうしても食べたい方は早めの来店をおすすめします。
でも、この日、代わりにいただいたキャロットケーキも絶品だったことをお伝えしておきます。
私が初めてTas Yardを訪れてから10年以上がたちましたが、その間ずっと同じ場所を守り、同じテンションで迎えてくれている気がします。
変わらないのに古びないということは、簡単なことではないはずです。トレンドを追いかけるのではなく、時代を超えたスタンダードな“らしさ”を追求しながらも、実は小さな小さなマイナーチェンジと進化を重ね続けているからこそのたまもの。
私にとって千駄ケ谷はもうホームタウンではなくなってしまいましたが、私の心のホームベース的カフェは、これからもTas Yardなのだろうなと思います。
あなたが10年後もまた行きたいと思うカフェはどこですか?
ではまた次回、このページで。別の編集部員がリポートをお届けしますので、お楽しみに。
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