編集部の「いい1日」リポート
編集部の「いい1日」リポート

編集部の「いい1日」リポート VOL.027

更新日:2018/01/05

この連載では、編集部員が見つけた「いい1日」のヒントをご紹介していきます。特集のためのリサーチから、個人的な趣味の散歩、その他もろもろ、よりみちで出会ったことや感じたことをつづります。今日の担当は新しく編集長となった井上が、押上のデザインホテルに泊まってきました。

木材を大胆に取り入れたホテルONE@TOKYOのエントランス。東京スカイツリー(R)および押上駅からは徒歩3分ほどの立地です。

新年あけましておめでとうございます。本年より、新しくオズマガジン編集長に着任しました、井上と申します(昨年まで、副編集長を務めておりました)。心機一転がんばりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

近頃、東京におもしろい宿泊施設が増えています。デザインホテルから、ホステルやゲストハウスまで、その背景には言うまでもありませんが、外国人旅行客の増加があります。でも、これらはなにも外国人旅行客専用ではなく、当たり前ですが僕たちも利用でき、東京に暮らす人間が宿泊しても問題ありません。

などと言い出すのは、2017年7月に押上にオープンした、ONE@TOKYOというホテルがとても気に入ったからです。こちらはあの隈健吾さんがデザイン監修をなさったデザインホテル。

隈さんの代名詞とも言える木材を大胆にインストールした外観が特徴的で、たまたま付近を通りがかったときにそのインパクトに圧倒されたのでした。いつか泊まってみたいなという気持ちを持っていたのですが、今回ついにその希望がかないました。

こちらは「Studio」のお部屋。コンパクトなほうがなんとなく落ち着くのは僕だけでしょうか。近所のお泊りなので荷物も少ないですし。

快適なステイを約束する5つの客室スタイル

客室のタイプは5つあります。東京スカイツリー(R)を目の前に臨む「LOFT」、芸術家のアトリエをイメージした「Atelier Suite」、読書家のためのプライベートな書斎をイメージした「Library Suite」、車椅子での利用にも配慮した「Universal」、そして今回僕が泊まった「Studio」です。

「Studio」は、機能性を追求したミニマルなお部屋で、無駄のない空間が実に心地いいです。ホテル全体と同様に、工業製品と自然の調和というコンセプトのもと、ぬくもりある天然木と工業素材が組み合わされています。これが都会的に洗練されていながら、無機質すぎず、絶妙なバランス。やはり木材にどこかホッとしてしうまうのは、日本人の感性なのかもしれません。

もちろんベッドリネンやアメニティの類も上質なものが揃っていて、快適な時間を過ごせることは間違いありません。実際、とてもよく眠れましたし。

ちなみに、OZmallではこちらのホテルでの女子会の提案も。ぜひこちらの記事もあわせてチェックしてみてください。また、宿泊プランのご用意もあるので、よろしければどうぞ。

どうですか、この圧巻の夜景! さすがに今の季節は冷えるので長居は厳しいですが、ぜひ一度見ておきたい景色です。

夜景を楽しみつつ、夜の押上へ。

さて、この日は部屋のチェックもそこそこに、屋上へと向かいました。こちらは宿泊者専用のルーフトップバー「@rooftop」(15:00~21:00※天候によって変更あり)があり、なんといっても最大の目玉は目の前に東京スカイツリー(R)を望めること!

この日は寒さも厳しい12月の夜でしたが、圧倒的な存在感に見入ることしばし。我に返ってからは、あちらこちらから写真を撮りまくり、でした。ここからの景色を楽しむためだけに宿泊する価値があるとさえ思います。

ひとしきりライトアップされた東京スカイツリー(R)を堪能した後は、近所に夕食をとりに出かけました。ホテル1Fのレストランもとても評判なのですが、総支配人の齋藤さんにおすすめいただいた「押上文庫」さんに足を運びたかったのです。

押上文庫さんは、昼間は喫茶営業もしつつ、夜は日本酒とそれにあわせた料理をいただけることで地元では知られたお店。店主の出身地である長野県を中心に、日本全国のおいしいお酒を取り揃えています。

また、酒器にも並々ならぬこだわりがあり、お酒、料理、器を合わせて日本酒文化を体験できるのです。そばにある文庫本を手にとりながら目利きが薦めるお酒と料理をいただくのは、実に贅沢な時間でした。それもこれも、あえて東京に泊まるということから生まれた楽しみです。

東京スカイツリー(R)ができた頃を境にこの辺りにはユニークなお店が増えていて、例えばワインで有名な遠藤利三郎商店さん(本店の向かいにある角打ちも超オススメ)などがあったり、ぜひまたいろいろとはしごしてみたいものです。

こちらが朝食ビュッフェの会場になる1Fのカフェレストラン。サービスもきめ細やかで、日常とかけ離れた朝食の時間はホテルの醍醐味のひとつでもありますね。

泊まることですべてが非日常の体験に

翌朝の朝食は1Fのカフェレストラン「@lobby cafe」でいただきます。こちらで提供されるのは、「ニューアメリカン」というニューヨークでは有名なスタイルのお料理で、ビュッフェスタイルのためついつい食べ過ぎてしまうことは必至。普段とは違うとても上質な朝の時間を過ごせました。

ゲストの皆さまは、外国の方も多いですが、日本人の方も散見されます。宿泊しなくてもいただけるランチやディナーもとても好評なので、宿泊が難しい場合でもぜひ足を運んでみてください。

東京に泊まるということは、東京近辺に住む人間にとって、日常と非日常の間にある行為です。旅行ではないので、必要性で言えばわざわざ宿泊する理由はありません。

でも、宿泊してみることで見えてくる景色があることもまた事実です。今回で言えば、東京スカイツリー(R)の夜景であり、日本酒との出会いであり、すがすがしい朝の時間であり、それらを合わせたかけがえのない体験でした。

東京に暮らしたり勤めたりしていると、この街のことをよく知っている気になりますが、実は自宅と職場といくつかの大きな街以外のことは、意外と知らないことのほうが多かったりするものです。例えば自宅の隣の駅や、その隣の駅のことをどれくらい知っているでしょうか?

距離的にはすぐ近くでも、思いもよらない発見や出会いがそこかしこにあるのが、東京のおもしろいところ。宿泊という行為を通しても、新しい角度でこの街を見ることができるのです。

余談ですが、朝食前に隅田川沿いをランニングしました。出張や旅行の際はなるべく朝走るのですが、東京でこれをやるのは初めて。同じようにジョギングやウォーキングをする人がいて、これもまた知ってるようで知らない新鮮な経験でした。朝日がきれいで気持ちよかったです。

東京ソラマチ、30階のレストランフロアからは、東京スカイツリー(R)の胴体部分を真横から見ることができます。このアングルならではの迫力を生で体験してみてください

聞くと見るでは大違い。それは観光名所でも同じです

さて、ホテルをチェックアウトした僕は、東京スカイツリー(R)の展望台へ。実はこちらは朝の8時からオープンしていて、平日のこの時間はほとんど並ぶことなく当日券を購入することができます。もしまだ上ったことがない方にはぜひおすすめしたいです。

特に冬のこの時期は、空気も澄んでいるので遠くまで景色がよく見えます。いろいろなタワーに上るのが好きな僕ですが、この高さから見る展望は圧巻。この日も富士山までよく見通せました。

ところで、みなさんはスカイツリーはお好きでしょうか。僕は比較的近くに住んでいることもあって、けっこうひいきにしています。いろんな感想があると思いますが、近くで見るほどにその構造美と迫力に圧倒されるので、ぜひ間近で見ていただきたいです。また、隣接する東京ソラマチの30、31階レストランフロアから見るサイドビューも絶品です。

東京に泊まる。スカイツリーに上る。そのための情報はいくらでも手に入りますが、実際にそれを体験しないと感じられないものってやっぱりあるんです。今の時代こそ、「百聞は一見にしかず」という言葉の大切さをかみしめる日々です。「百聞も、千聞も、一万インスタ映え写真も、一見にしかず」、なのかもしれませんね。

さて、次回は2週間後に、また別の編集部員が「いい1日のヒント」をお話しさせていただきます。みなさん、どうぞいい1日を。

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※記事は2018年1月5日(金)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります