こんにちは。編集部のタキセです。自他ともに認めるオズマガジン編集部一の「カフェマニア」です。私タキセの担当回では、10年以上続くカフェの色あせない魅力を探っていこうと思っています。
緊張の初・裏恵比寿
恵比寿駅のある駒沢通りを表通りとすると、そこから1本入った恵比寿公園のある静かな通りは裏通り。「ura ebis.」は、そんな裏通りに2000年にオープンしたビストロ&カフェです。
初めて訪れたのは大学3年生の頃で、就職活動中でした。ファッション誌の編集者の方にOB訪問をお願いしたところ、この「ura ebis.」を指定されました。キラキラ世界(想像)で働く先輩が時間を作ってくれることと、同級生とはとても行かないような恵比寿のステキそうなカフェに行けること。どちらも同じくらい嬉しくて、そして同時にとても緊張していました。一張羅を着て、いつもは履かない高さのヒールで、いざ出陣。
先輩は予想外にやさしく親身に話を聞いてくれて緊張がほぐれたころ、やっとカフェを観察する余裕が出てきました。潔いくらいシンプルで飾らないのに、突き放すような感じはなくて、むしろ温かい。「ura ebis.」では、接客にも料理にもインテリアにも、すべてにそれが貫かれている・・・。もう15年くらい前のことで、正直、詳細なことまでは覚えていないのですが、その印象だけは強く残っていました。
その後は得意顔で、「ura ebis.」を「私のおすすめカフェ」として友人を案内したことも何度かありましたが、ここ数年、ごぶさたしてしまっていました。最近、久しぶりに訪れたとき、第一印象はそのままに、新たな発見がたくさんありました。
いつでも誰でもウェルカム
お邪魔したのは、とある日曜日の午後3時くらい。遅いランチをとる人、コーヒーを飲みながらビジネス書をめくる人、結婚式帰りなのかドレスでスイーツを食べる集団、と、それぞれが思い思いに過ごしているようでした。
ディナータイムは、コース料理も提供する本格的なビストロに。金土のフードのラストオーダーは深夜0時半で、夜ふかし組も温かいしっかりした食事がいただけます。夜でも引き続きドリンクやスイーツだけのカフェ利用もできます。また、スイーツのメニューには、「お酒を使用していないのでお子様でもOK」と書いてあるものもあったり。何時でも誰でもウェルカムな、懐深い頼れる存在です。
インテリアも改めてよく見直しました。コンクリート打ちっぱなしに白いペンキを薄くサッと塗っただけの壁と、配管むき出しの天井はクールなのに、革張りのきちんとしたソファベンチが並び、窓の外にはグリーンが広がっていてほっとします。シティボーイも淑女も、ファミリーもカップルも、誰もがなじめる空間です。
初めて訪れた15年前も今日も、そして10年後もきっと、恵比寿のあの裏通りで、「いつでもおいで」と言ってくれている気がします。温かさの秘密は、きっとここにあるのかもしれません。
「ura ebis.」に初めて訪れたあのときほどではありませんが、新しいカフェに初めて行くときや、久しぶりに再訪するときには、いまだに少し緊張しながらドアを開けます。カフェマニアを公言しているわりに情けない話なのですが、好きすぎるがゆえの好奇心と期待と不安がぐるぐるぐる・・・。でもそんな緊張も背伸びもパワーに変えて、これからもたくさんのカフェを訪れたいと思います。
あなたが10年後もまた行きたいと思うカフェはどこですか?
ではまた次回、このページで。別の編集部員がリポートをお届けしますので、お楽しみに。
おまけ。帰りに恵比寿神社に立ち寄ってお参り。こんなかわいらしい恵比寿様の絵馬も。参道入口の商店会の売店で買えるそうです
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