このページでは、毎号のオズマガジン制作の編集後記のような、こぼれ話のような、誌面に載せきれなかったサイドストーリーを編集部員が少しずつご紹介しています。今回は編集部員・クリヤマが馬喰町・小伝馬町あたりのことをお届けします。
日本橋・東京特集が発売中です
日頃から通勤やアポイントのために訪れる機会があり、オフィス街というイメージを持つ方や、コレド日本橋など商業施設の利用をされている方もきっと多い、東京~日本橋のあたり。現在発売中のオズマガジンでは、そんな東京のど真ん中のおさんぽを提案しています。
そもそも日本橋という町にフォーカスをして特集を作ったことがなかった私たち。まずはとにかく町を歩いて歩いて、歩いてみました。特集の内容はこちらを見ていただきたいのですが、今の日本橋周辺は小さな素敵なお店が続々と増えています! 取材を進めながら日々進化していく町の様子を感じることができて、楽しい発見ばかりでした。編集部のある京橋からも歩いてすぐのエリアなのに。灯台下暗しってやつですね。
ということで、今日はわたしが担当した馬喰町・小伝馬町エリアのことを少しご紹介しようと思います。
変化していく町を見つめて
もともと繊維問屋が多く立ち並び、問屋街としてにぎわっていた馬喰町。空きの出た古いビルなどの空間を活かし、小さなカフェやギャラリーが増え始めたのが今から10年ほど前でした。
実は過去のオズマガジン「下町特集」の中でも、馬喰町の数々のお店を取り上げてきました。少しだけ個人的なお話をすると、わたしがまだ学生だった頃、オズマガジンを読んで馬喰町を訪れたこともありました。だいぶ昔の話ですが、そのころから東京の東側“イーストトーキョー”のブームを牽引してきた、山形料理がいただけるカフェ「フクモリ」や雑貨店「starnet 東京」など、実力派店が今も多く残っています。
新たなお店、続々誕生中です
そんな馬喰町&お隣の小伝馬町ですが、東京駅や羽田空港、浅草など名所からのアクセスのよさから外国からのお客さまも増え、ホステルやお店がちょこちょこと誕生中。今回の企画では、コーヒースタンドとバーを併設したおしゃれホステル「CITAN」に取材に伺いました。
ホステルって観光客向けでしょ、と思ったそこのあなたにこそぜひ訪れてみていただきたいです。なぜなら、東京のど真ん中で外国に来たようなちょっとおもしろい時間を過ごせるからです。
外から見ると一見、ホステルの玄関に小さなコーヒースタンドがあるだけのように見えますが、注目していただきたいのは地下空間。どーんと吹き抜けになった空間は、ふっかふかのソファ席から、外国さながらの大きなバーカウンターまでどこを見てもおしゃれ。
撮影で訪れてすっかり虜になってしまったわたしと担当ライターさん&カメラマンさんは、その後3人でプライベートでも訪れ(神田川沿いでワインを飲んだ後、2軒目として利用!)、ひとしきり盛り上がりました。お酒も料理もキャッシュオンで気軽に立ち寄れ、外国人ゲストもちらほらいる非日常感がとっても最高です。
先ほど2軒目利用と述べましたが、実はこのエリア、お酒のおいしいお店が本当に多いのです。クラフトビアバーにワインバー、タコスにハンバーガー・・・。おすすめのお店が多すぎるので、もし本誌をお見かけの際にはぜひ立ち読みだけでもしてみてください。わざわざ訪れても後悔しない名店をご紹介しています!
生まれるお店があれば、お別れをしたお店も
と、新たなスポットが登場するいっぽうで、馬喰町といえば・・・な素敵なお店がクローズしたりも。今まで何度も取材をさせていただいたことのある雑貨店「JAMCOVER」は、馬喰町を訪れる人がこぞって訪れる人気ショップだったのですが、この秋クローズに。取材したかった~!という気持ちと、我らの憩いのスポットがなくなってしまう涙と。
でもこのお別れは、実は悲しいニュースではありません。なんと今月、群馬県は高崎に「JAMCOVER VILLAGE」として大きなお店を作られたのです!(この様子は、次号12月12日発売のオズマガジン「おやつで幸せ」特集でじっくりご紹介します! 乞うご期待!!)
「さよならから始まることがたくさんあるんだよ」とハナレグミも歌っているとおり、遠くにいってしまうのはさびしいことですが、新たな場所でもきっと変わらずに素敵なお店になるのだろうなとワクワクしています。
今まで「下町特集」のたびに顔を合わせ、今回の「日本橋・東京」でお見送り。そして「おやつ特集」ではパワーアップされた姿にフォーカス。ずっとずっとつながっていく関係が嬉しく思えた出来事でした。
今しか届けられない町の様子を
いっぽうでまたこの特集をきっかけに出会い、これからの姿を応援していきたいお店もあります。ちょうど特集を作っていた9月下旬、小伝馬町で毎日オープンに向け懸命に準備をしていたのが、おむすび屋さんの「ANDON」。
おむすびの力で町に明かりを灯したい!という意気込みで集まった若き男性たちが、みずからの手でリノベーションし、メニュー開発をしている真っ最中に取材に伺いました。撮影したのはまだ什器も揃っていない状態。わたしたち編集部が本を完成させる10月末に、無事にお店もオープンを迎えました。
まだメニューも決まりきっていない状態での取材だったので、お店の詳細情報を伝えるには不足していることが多いページです。ただ、お店が完成した今、訪れる人が目にするお店の様子の向こう側にある、その場所ができあがるまでの物語をお届けできていたら嬉しいなと思っています。
企画・取材、その後本になりみなさまのもとに。1冊を作るまでにかかる時間は3~4カ月と、じっくり時間のかかる本だからこそ、そのときしか見ることのできない町の様子を届けていきたいなと思います。
「ANDON」ももうオープンから1カ月。日々おいしいむすびをお届けしているお店に、ぜひ足を運んでみてください。わたしも行かなくっちゃです!
今月もどうぞ楽しいよりみちを!
今月もおもしろい本ができあがりました。愛があふれてすっかり長くなってしまいましたが、お伝えしたいことは、ぜひ日本橋あたりにお出かけしてみてください、ということ。
これを書いているわたしの今日は、次の12月発売号の締め切り(!)と、年明け1月発売号の準備と、その次と・・・(苦笑)で、なんだか慌ただしいですが。このよりみち時間を書くことで、わたしもこの間までの楽しかった日本橋でのよりみちのことを振り返ることができました。
ということで今日も、最後まで読んでくださりありがとうございます。また来週も編集部員がそれぞれの目線で、特集のことをお話します。
息抜きに、暇つぶしに、ご覧いただけたら嬉しいです。それでは。今日もどうぞそれぞれにいい1日を過ごしください。
OZmagazine 12月号「新しい東京・日本橋」特集
雑誌OZmagazineは、日々の小さなよりみち推奨中。今日を少し楽しくする、よりみちのきっかけを配信していきます。
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