編集部の「いい1日」リポート VOL.014
この連載では、編集部員が見つけた「いい1日」のヒントをご紹介していきます。特集のためのリサーチから、個人的な趣味の散歩、その他もろもろ、よりみちで出会ったことや感じたことをつづります。アート好きな編集部員スドウは今回、横浜・みなとみらいで開催中の「ヨコハマトリエンナーレ2017 島と星座とガラパゴス」を見に行ってきました。
更新日:2017/09/22
雨ニモ負ケズ、
3年に1度のアートの祭典へ
こんにちは。不安定な天気が続いていますが、皆さん体調を崩したりしていませんか? 昼と夜で気温がまったく違ったりと、体調を崩しやすい時期だと思うので、みなさんお気を付けください。
台風接近中の3連休初日。朝に弱く、午後からゆるゆるとアートスポットへ向かうのが常な私ですが、今回は(私にしては)早起きをし、いそいそと電車に乗り横浜へ。3年ぶりの開催となる「ヨコハマトリエンナーレ2017 島と星座とガラパゴス」へ行ってきました。
横浜トリエンナーレは、横浜美術館を中心に横浜赤レンガ倉庫、横浜市開港記念会館の3カ所で開催中の展覧会。トリエンナーレにあわせて周辺のアート施設でもさまざまなアートイベントや展覧会が行われ、盛り上がりをみせています。
便利すぎるアプリを使って
楽しくアート鑑賞
館内に入ると、オタクカルチャーに影響を受けた「カワイイ」フィギュア作品や、東日本大震災をテーマに制作された詩的な絵画作品、本物の化石170個をつないで作った美しいネックレス、タクラマカン砂漠に電気を引いて砂漠の真ん中で冷えたビールを飲むというプロジェクトを記録した映像作品(!)など、個性的な作品が次々と出迎えてくれ、まったく飽きることがありません。
ふと目線を上げると、天井付近に作家自身の姿を模した人形がぶら下がっていたりと(しかも私たちを無表情で見下ろしていてちょっと怖い・・・)、予想のナナメ上を行く作品も多く、「現代アートってやっぱりおもしろい!」と思わずにはいられませんでした。
そして、横浜トリエンナーレを訪れて感動したこと。それは、無料アプリの作品解説がとてもわかりやすくて便利なんです。
ただ見ているだけではなにを表現しているのかわからなかった作品も、解説を聞いて「なるほど!」と納得したり感動したり。横浜トリエンナーレを訪れるときは、カメラとともに、スマートフォン用のイヤホンも必須ですよ。
横浜赤レンガ倉庫1号館会場にも
心躍る作品がたくさん!
大満足で横浜美術館を後にして、バスで横浜赤レンガ倉庫へ移動します。横浜トリエンナーレは各会場をつなぐ無料バスが出ているので、雨の日にはとても助かりました。晴れていれば会場間をのんびりおさんぽするのもおすすめです。
横浜赤レンガ倉庫のカフェで少し休憩していざ会場へ。結論から言うと、こちらの会場もとっても興味深い作品が目白押しでした!
福島の帰宅困難区域内に「誰も観ることができない作品」を設置・展示するプロジェクト「Don’t Follow the Wind」による、帰宅困難区域内の様子を体験できるVR作品や(初めてVRを体験しましたが、景色を360度見渡せるってすごい技術です)、驚くほど緻密で美しい刺繍作品があったりと、こちらの会場にもかなり骨太な作品が揃っています。
なかでも、クリスチャン・ヤンコフスキーの作品は、ポーランドの重量挙げ選手たちが、記念碑的な公共彫刻を持ち上げる様子をリポーターが全力で実況する映像作品。
「歴史の重み」を視覚的に表したテーマ性のある作品なのですが、まるで本物のスポーツ番組を見ているような構成が絶妙&シュールで、ついつい最後まで見続けてしまいました。横浜で撮影した彼の新作も考えさせられるコンセプトなのですが、思わず吹き出してしまう楽しい作品なのでそちらも要チェックです。
感じることと、きちんと理解すること、
どちらも大切にして
横浜トリエンナーレを通して、「現代アートっておもしろい!」と再認識した私でしたが、それはきっと、アプリの解説を聞いて各作品のコンセプトや伝えたいことを理解できたから。
私は今まで、たとえコンセプトを深く理解できなくても、作品を前にしたときに感情の揺れが起きたり、心を揺さぶられる衝動があれば、それはそれでいいんじゃないかと考えてきました。
ですが今回、作品の解説を聞いて「そういうことか~!」と理解できたときの喜びがとても大きくて、きちんと意味や意図を理解したうえでアートを鑑賞する大切さを改めて感じたのでした。アート特集をなんども作っておいて、今さらですが・・・。
だからといって、頭でっかちになりすぎて、理解しなければ!と焦ってしまうのもおもしろくない。
心で感じることと、頭で理解すること。
その両方をバランスよく持って鑑賞できれば、もっともっとアート鑑賞が楽しくなるのではないかな、と思いました。
今回も長々とお付き合いいただきありがとうございました。
みなさんもどうぞ、アートでいい1日を。
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